蕎麦の散歩道

美味しい蕎麦と、楽しい食の道を歩む。

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ひろ作 新橋  蕎麦は2枚いただきたい

2008-02-20 08:20:50 | 銀座・新橋・芝・築地・港区・中央区・墨田

お客さんの要望で数日前に「ひろ作」を予約していた。接待だから、4人席のテーブルを空けてもらっていた。
お客といっても前からの友人で、打ち合わせと楽しみを兼ねたものだった。
ひろ作もお昼には2度ほど来た事があるようで、ミシェランの★をもらったことも知っていて大喜びの誘いだったようです。



お店はお昼と違って、これは京都のように風情があります。女将さんは着物に割烹着、高齢の方で大女将と思いますが、しっとりした和服姿で迎えてくれます。
後は厨房にきりっとしたご亭主と若い女性のお手伝いの方がいらっしゃいます。
この4人が、我々を含めてたった2組4人の客をしっかりもてなすのだから、ひろ作の客は贅沢なものです。

付き出しは、なんと優しい顔をしているのでしょう。春先の筍を薄く炙って車海老とよい色合いをした雲丹にくるまって届きました。
それからは、これまで食べた事の無い食材が、丁寧な細工をした料理となって次々ときます
出始まりの筍をうっすら炙り生の車海老とを、よい色合いのウニで合わせてある


本鴨はしっかり焼いてあり、甘辛のタレで照りをだす。身の繊維が細かく旨みが口に広がる


なまこと鯛腸は酒があう

大和芋のすりおろしにこのわた、塩みが丁度いい

ぜんまいと白子の天ぷら

透明なやりイカのゲソと耳、辛み大根汁のタレ醤油でいただく


やりイカの握りは丁寧な包丁仕事。塩が振ってありそのままいただく

生のほしこの椀物には驚きました。ほしこはナマコの卵巣で、これは干して三角状に伸ばして食べるのが普通で、生で食べられるものとは思っていませんでした。

ほしこが椀物に、鰹の出汁に僅かな塩味を含ませてある

圧巻は蟹の髄液の蒸し物で中には蟹の身ほぐしが入っていました。そんな食べ物がこの世にあるとは思いませんでした。


           
           透明な上澄みが蟹の髄液。蟹の身ほぐしの蒸し物。

お造りは、蟹、鯛、鮪でした。
蟹の身の甘みには僕は声を呑んでしまいました。鯛は甘く身が強い、鮪は本鮪の中トロです。
鯛の皮にも一仕事してある
塩こぶで蟹をいただく。

鶉の挽き肉とフカヒレのスープには発想自体にミシェラン★はもらうべきしてもらったと思いました。これで、ウエイティンルームがひと間あれば多分★は3個は在るかもしれない。
鶉とフカヒレのスープ煮


「前からひろ作のフアンでした」友人が言う。僕が知る以上にひろ作を知っていたようだった。
「こんな大騒ぎになるとは思わなくて・・」
客はもう我々だけになっていて女将さんもテーブルの前でお相手してくださる。
「当分、入れないかと思って」
「夜は顔なじみの方のお相手しかしないから、またきてください」
僕も夜は初めてで、お昼何度か来ていたせいで、馴染み客と同じように扱っていただいて感謝をしています。

寒ブリを丁寧に焼き上げ、皮目をはずして別に焼き上げてある

ミシェランの星が付いてからのお昼の喧騒のお話になるが、最近は電話だけの人数も制限して、カウンターは3席くらいは空けて置くようにしたそうです。
それだと、僕も急に新橋に寄った時にランチに入れそうだ。
食事の間もひっきりなしに予約の電話が入っていた。ほとんどが断りのような答え方になっていたが、席数が少ないし、仕方が無いのでしょう。
この日は特に客は4人だから丁寧な、我々の顔を見ながらの接客になるから、お客としては幸せそのものです。



蕎麦は、我々は2枚も頂いた。一枚では帰るには惜しく、もう客の居ない、新橋のオアシスにこのまま深く沈んで居たかった。
蕎麦は手挽きでこの透明感が素晴らしい。こしは強くは無く弱くは無く、歯応えはしっかりしながら、喉で粘る。
またもや塩をもらい、蕎麦の頭にふりかけ手にとって口中に含みました。時間をかけて蕎麦のはかない命を惜しみながら頂きます。



料理は華やかであればあるほどはかないが、蕎麦もまた桜の命のように惜しいものです。秋に命を受けて冬に多くの香りをつけて、春にはたおやかな体になる。その蕎麦の本当の美味さを引き出そうとする人達がいる。
そのお1人にこの日嬉しくもまた出合えました。

帰り、ご主人の顔を見る。我々を見る顔に満面の笑みがある。よいものを自分の技術にのせて、送り出した誇らしげなものが見えます。
“夜はいいでしょう!夢ハさん”そんな無言の声が聞こえていました。
その柔和な顔に隠れた凄みを感じました。



「お昼も、夜も来ます」その無言の声にそう答えました。
帰り、新橋の夜はまだ早く、人の波が夜の明かりにうねっていました。

お昼、ランチに来る新橋とは違っています。ひろ作も昼の顔とは違っていました。
蕎麦も念願のお代わりができた。
「すごいものを見てしまった」
「同感・・」
明らかに新しい蕎麦屋が生まれていました。

割烹 ひろ作 港区新橋3-6-13 03-3591-0901 
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『こだわり蕎麦屋の始め方』
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10 コメント

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Unknown (そば箸)
2008-02-20 22:55:56
よるのひろ作まで行かれたんですね!す・て・き
魚の皮って嫌いな人も多い。コラーゲンと思って食べる。というか、
ほんとさすが素晴らしいですね。別にお料理、皮も美味しく。
お料理は優しさ。
やっぱり原点は美味しいものを食べさせるという自分本位でなく
人の喜ぶ顔なんですよね、ううん、絶対きっと、行きますね
夢のような・・。 (夢ハ)
2008-02-21 08:08:00
そば箸さん、念願の
ひろ作でした。

食材の一つ一つが吟味してあり
自信に溢れていました。

何も言う事もなく、ただ唸りながら、
これは、なんでしょうか?そんな
質問を繰り返しながら、食べて
あっと、言う間に夢のような時間が
過ぎました。

いいところです。
ミシュラン!! (がじゅ。)
2008-02-21 16:37:41
広く知られ人気なるも、通い慣れ親しみた方には淋しいさね。
あまりにお忙し中、きっとお店の方も夢八さんよないつものお顔あるとホッとお気持ち和らぐやろなあ。

おかわりお蕎麦・・・素晴らしき贅沢!!羨まし。あは。
烏賊とっても綺麗で美味しそう。
ゲソのお刺身!?がじゅ体験した事無しさ。コリコリ!?
羨ましすぎます! (yuka)
2008-02-21 19:54:43
夜の「ひろ作」・・・。

昼でさえ、あのクオリティ。
想像以上かと思います。

・・・ち、ちなみに、
このコースで、どのくらいなのでしょうか。。(汗)
一度、行ってみたいのですが。。
お代わり、最高 (夢ハ)
2008-02-21 22:41:50
がじゅたん、お店の人とお話が出来ると
本当幸せになります。

お昼、いつもお代わりが言えなくて・・
やっと、夜に言えました。

イカの透明なものは
がじゅたんも食べられますか?

そう、コリコリです。
挑戦してみてください。
京都か・・。 (夢ハ)
2008-02-21 22:50:26
yukaさん、今月末、京都ですか?
楽しみですね。
僕は、当分無いかもしれません。
男の癖に京都に焦がれてます。
行く処は、決まってるんですが、は、は、は。

ちなみには・・・む、む、む、で。
プライベートの客はほぼ来ません。
これは、そちらのコメント欄に鍵で。
Unknown (yuka)
2008-02-23 07:54:43
あらっ、辛汁さんのところでバレちゃったのかしら(^^;
はい、行ってきます♪
ほんっとに久しぶりの京都なので、ワクワクドキドキです。
(迷わないといいのだけど・・・)

それと、ありがとうございました。
一瞬、うなってしまいました~・・・。

ということで、
又、私はお昼に伺おうと思います。
そろそろ竹の子も出たころ、行かなくちゃ(^^)。

今年こそ、夢八さんと、どこかでお会いしたいなぁ、とつくづく思っています。

京都、行きたいな (夢ハ)
2008-02-23 08:07:50
yukaさん、
そうです、辛汁さんのところのソースです。
彼のところは評価がしっかりしていて
参考になります。
その点、僕は、甘汁です。

ま、夜は、なかなかのものです。
お昼でも充分ですから。

こちらこそ、お会いしたいですね。
予測としては、須田町あたりかな・・。

京都、本当にいいですね。
女、1人京都は絵になりますが
男1人というのも僕は味気ないし、
3人旅くらいが好きなんです。

yukaさんだと、あそことあそこ?
と予測してますが、当てられるかどうか。
うふふ・・ (yuka)
2008-02-23 11:40:09
念願の、「京都一人旅」です(^^)

はい♪
あそこと、あそこと、あそこと・・、
うふふ(^^)。
いい報告ができればいいな、と思っています。

今、辛汁さんのところで、あれこれと画策しているところです。
これが、又楽しくて・・・
京都は癖になりますよ・・怖い! (夢ハ)
2008-02-23 11:44:18
yukaさん、
楽しみに、待っております。

辛じるさんにも、お会いしたいなと
念願しておりますが。

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