Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

夏の蜃気楼

2017-08-21 | Walk on

 

夏が戻って来た。

日中の陽射しがギラギラ苛烈さを増してきた。

なかなか今年の夏はしぶとい。

更に今週は34℃の残暑が、ずらり並ぶ天気予報…

ならば、夏の忘れ物を心置きなく片付けるとにした(笑)

焼けつく夏の路上に、ゆらゆら立ち昇る蜃気楼たち…

陽炎に逃げ水。

どちらも熱せられた路面と空気中の温度差による光の屈折現象だ。

一日で最も気温の高い正午過ぎを狙って、

狂暴な陽射しの路上を、熱に浮かれてふらふら彷徨った。

田圃の中の長い一本道や見通しの利く長い線路が狙い目。

路面に水溜りがあるかにような逃げ水は、何処まで行っても其処に辿り着けない。

夏の蜃気楼の代名詞だと思っていると、春の季語だった。

蜃気楼自体が春の季語(気象現象)だから。

蜃気楼を表す美しい言葉、「海市」は、思春期の頃、耽溺した福永武彦の本で知った。

幻を追いかけると云うことでは、

揚羽蝶擬き(アゲハモドキ)という麝香揚羽蝶(ジャコウアゲハ)を擬態した蛾がいる。

黄昏の光が満ちた草原に、そのクロアゲハともシャコウアゲハとも判別に迷う飛翔体が優雅に舞っていた。

掲載したトンボは、サナエトンボの仲間?

至近距離に近づいても逃げない。

山里から河口の波打ち際まで…長くて暑い一日だった。

 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
福永武彦 (みどり)
2017-08-21 12:46:03
懐かしい名前です。
私も思春期の頃、耽読したものです。
「草の花」とかね。

こちら関西も夏がぶり返しました。
連日34度とか。
雨がほしいところです。

農村の風景、良いですね。
都会はただただ暑いだけです。

本屋と自転車 (ランスケ)
2017-08-21 15:35:07
みどりさんも、福永武彦でしたか…
あの透明感あふれる美しい物語に思春期の頃、出会うと抗えないですよね(笑)
「忘却の河」「廃市」「草の花」「海市」どれも忘れられないピュアな物語でした。
その長男である池澤夏樹も理知的で多彩な作家です。
私は、この人の書評と紀行文が好きです。
本好きが高じて世界文学全集も、この人らしい視点で編纂しましたよね。

今週は、ズラリと34℃の日が並んでいます。
関西も暑いですか。
ニュースを観ると、東京や東日本は真逆の雨続きの冷夏の様相。
いくら涼しくても、何時までも梅雨の明けないような夏は最悪です。
身体に堪えても、夏は心を焦がすほど暑くなくてはね(笑)

確か、ジュンク堂書店は、元は神戸の本屋さんですよね。
私の住む街にも紀伊國屋書店の後に出店して、大いに助かっています。
眠っているように保守的な街ですけれど、人文系書籍の充実した本屋が在るだけで大助かり。
Amazonは便利だけど、ゆっくり本を選ぶ楽しみが満たされませんからね。

それと知事と市長が自転車愛好家なので、珍しく道路行政に自転車で走行するという視点が生かされています。

この2点が満たされれば、私には住みやすい街です(笑)
新しい知識 (鬼城)
2017-08-22 08:22:44
擬態する蛾が居るとか?始めて聞きました。
蜃気楼は別名「海市」というのも・・・
本を読まないから知識が欠如しているのか?
少し涼しくなったと思ったら残暑厳しいですね。
昨日は生涯学習センターで研修・・・
寄り道をしたかったけれど、用件が有り帰路につきました。
9月になれば・・・まだ、予定立たずです。
世界は不思議に溢れている (ランスケ)
2017-08-22 14:02:53
鬼城さん、どうか気になさらないでください。
私たちは仕事上のしがらみがあるわけではありません。
それぞれの知的好奇心で結びついた緩やかな関係です。
でも退職されてからも、なかなか自由の身にはなれませんね(笑)

生き物たちの擬態は面白いですよね。
外敵から身を守る手段なのでしょうが、お見事としか言いようがありません。

掲載した下2枚の画像はアゲハチョウにしか見えない。
とても蛾には見えない。
(但し、蝶と蛾を厳密に分類するのは日本だけの傾向だとか。欧米は同じ鱗翅目として区別しないようです)

枯葉そっくりのコノハチョウや木の枝そっくりのナナフシ、蜂そっくりの昆虫もいましたね。
自然界は不思議に満ち溢れています。

本が好きなのは、何故?が多い子供だったからでしょう。
この世界は不思議が溢れていますからね(笑)
それを、そのまま放置できないと、本の迷宮に迷ってしまうことになります。

未だに立ち止まって、道に迷ってばかりです。

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