Nasebanaru

アメリカで趣味と生活を綴る

不法移民の問題

2006-04-05 03:56:56 | アメリカの生活
アメリカで今不法移民の問題がこれまでになくクローズアップされている。大規模なデモも各地で行われているようだ。

アメリカは地続きでメキシコ、カナダと国境を接している。カナダからの不法入国もあり得るのだろうが、そちらからの話はあまり聞かない。問題になっているのはメキシコから渡ってくる不法入国者のほうである。

昨日もCBSの番組で、ある家に不法入国者を取り締まるつもりで家宅捜索をしてみたら、どれくらいの大きさの家だったのかは覚えがないが、一軒家になんと45人も不法移民が住んでいることが明らかになったというニュースを放送していた。

そこまでしても大半の不法移民たちはこっちの生活のほうがいいという。

アメリカも、自由と民主主義のために、との大義でイラクで莫大な戦費を使っているが、そのお金をもっと中南米の経済振興に振り向ければ移民の問題の半分は解決すると思う。彼らがこの国を目指すのは自国での生活水準があまりにも低いからで、誰も好き好んで家族と離れ離れになってこの国に来ているわけではない。

アメリカはこれまで確かに移民の受け入れには世界でももっとも寛容な国だった。今アメリカ人を名乗っているほとんどが元をただせば移民だ。いわば移民たちの活力をうまく生かしてアメリカはこれまで発展してきた歴史を持つ。

だが私もこちらで10年以上生活しているが、イギリス、フランス、ドイツ、日本もそうだが、これら国の政情が安定しているところからの移民はあまり見かけない。ほとんどの人は自分の生まれ育った場所が一番肌に合うのだから。

アメリカは経済的にも軍事的にも世界の覇者に近い。しかも資本主義のシステムの影で搾取、とまでは言わないが、アメリカで生み出される法律と軍事力をバックに、取れるところから取ることを合法的にやっている。経済的に後進国であるところに食べ物は送っても、その国の経済力の底上げをするところまでは積極的ではない。経済力を身に着けて発言力が増すことをあまり望まない、というのが本音ではなかろうか。

対照的に日本は過去とのバランスもあるし、自国の防衛をアメリカに頼れたこともあって、アジアでは経済協力を積極的に行ってきたほうだと思う。これをほうっていたらもしかしたら日本への不法入国はもっと増えていたかもしれない。確かに彼らの発言力が増して少しこちらの気分を害すことも増えたことも事実だろうが、それでもこれまで日本が行ってきた経済協力には日本人は誇りを持っていくべきだ。われわれの税金からそれらの資金は捻出されているのだから。

それはそれとして、最近のアメリカ政府の政策には行き詰まりが多くみられる。大概の場合はアメリカは中、長期的な戦略を立てて国政に臨むが、この移民問題に関しては素人の私にも少し拙攻ではないかと感じる。不法移民は文字通りこれまで社会の最下層にあった。それをほったらかしにしてアメリカ人を名乗る経営者はアメリカ人に支払う半分の賃金で雇用し、利潤を得てきている。その経営者が払う税金の使い道に選挙権などもちろんない彼らは何も言えないで来ている。今回のデモは彼らにとってそんな不満を社会にオープンにできるまたとない機会になったに違いない。

もちろん今のアメリカにも今回の移民政策の変更に異議を唱える人もいる。これからの動向を見守りたい。
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