昨晩、NHK「ラジオ深夜便」を聴いていたら、日中関係をテーマにどこかの大学教授がインタビューを受けていた。延々と続くのを聴いているうちに、その人の話が尖閣事件に及び、意外なことを言い出した。
「尖閣事件を考える前に、近代国際社会がどう成り立ったのか知っておくべきだ。近代国民国家は、ウェストファリァ条約で実体化され、現代の国際関係の基礎となっている」云々…こういうありきたりの話に続いて、「海の国境は陸の国境と異なって、その境界が明確ではなかった。だから日本は尖閣諸島でも竹島でも北方領土でも、相手にもっと胸襟を開いて共同主権を提案するくらいの外交が必要だ」と。共同主権が確立すれば、日本はもっと外に開いた社会になるし、東アジア諸国の繋がりも強固になるだろう…こういう趣旨の発言を繰り返していた。私は、共同主権という欺瞞的な主張をここで初めて耳にした。共同主権という概念は、ジブラルタル海峡のある島の領有を巡って、英国とスペインの間で現実のものとなっている、のだそうだ。
番組の最後に、この人が天児慧(あまこ さとし)早稲田大学教授※であることを確認した。
※ http://japanese.cri.cn/1041/2009/01/13/1s133774.htm
この人の初期の著作(岩波新書)を読んだことがある。改革開放間もない中国をひとり旅した新鮮な記録だった。が、今や時は流れ、天児は早稲田大学アジア太平洋研究科教授という主要ポストに就任し、中国問題の「大家」として中国政府の立場を代弁するかのような言説を繰り返している。
早稲田大学には「親中国」「媚中」という遺伝子がある。大隈重信にまで遡らなくても、一昨年死去した安藤彦太郎(元早大教授・日中学院長)などはその典型だった。東大をライバルと見立て、あちらが「官」で「欧米志向」だから、こちらは「在野」で「中国・亜細亜」だという、粗暴な論理があるのかも知れない。(当然ながら、東大は、こんな「在野精神」など何とも思っていないだろうが…。)天児は、早大教育学部→都立大大学院→一橋大大学院(博士課程)というふうに、学歴UPを図ってきた。当時、早大にはまともな中国研究者など存在しなかったのだから、この「他流試合」は賢明な選択だった。また天児は大学教授として、琉球大→共立女子大→青山学院大→早稲田大学(出身校)というように出世の階段を登るに連れて、中国とのパイプを強固にしてきた。早稲田大学教授というポストは、それなりに社会的影響力がある。何よりも早稲田大学は、中国では一番有名な日本の大学なのだ。
この天児が、NHKの番組(1時間近いラジオ・インタビュー番組)に出て、尖閣諸島を日中共同で主権管理せよと主張する。これが日本の主権放棄の勧めでないのなら、いったい何なのだろうか?
天児の大先輩・安藤彦太郎は、中国共産党のボスが替わっても、中共(=中国共産党)への忠誠、追従を貫いた。中共への「不転向」!天児はその位牌を継いだというところなのか。「幸福を売る男」ならぬ「尖閣を売る男」だ。
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>あちらが「官」で「欧米志向」だから、こちらは「在野」で「中国・亜細亜」だという、粗暴な論理があるのかも知れない
ねえよw早大生からすると、お笑いです。
また彼の意見を早稲田の中国志向に結び付けるのも陰謀論に過ぎない。仮に早稲田の教員が中国志向だとしても、それを個々の卒業生がそれをどれだけ内面化させているのかということに関しては厳密な証明が必要だし、そもそも大学教員はリベラルが多いのが普通で、早稲田に限ったことじゃない。
そもそも対華21カ条要求を突き付けた内閣は大隈内閣。
一行目
中国の対日ODA
を
日本の対中ODA
私大文系の母校愛は相変わらず気持ち悪いな
尖閣を売る?こんな奴が大学で語るから
弱体化したんだ! お前… 日本国からでてけ!
我が子に、なんて説明して良いやら…
、NHKのBSで天児さんが出ていました。この人は今、竹島で何が起きているか解っていない。日韓漁業協定の事です。韓国側が色々な手を使って、
島根の漁民は共同利用水域で漁が出来ない状況が続いている。その共同利用水域はかなり広い。中国は竹島の状況をかなり詳しく研究している。多分、中国の戦略は、尖閣ではなく周りの海の共同利用を日本に認めさせる事。中国に共同利用を認めると、尖閣の周りは中国だらけになって島は必然的に盗られてしまう。
>共同主権という概念は、ジブラルタル海峡のある島の領有を巡って、英国とスペインの間で現実のものとなっている
ジブラルタルを取り戻したいスペイン政府が主張した。
しかし、2002年の住民投票では、圧倒的多数で否決されました。
否決されたのに、現実のものになっている!?
大学教授なのに嘘を言うのは、以ての外です!!
天児慧が根拠とした英国とスペインの事例は、ご破算になっていたんですね。NHKのラジオで彼が発言したのは事実。しかも、尖閣国有化以降、マスメディア(特にNHK)は天児を出演させまくっている。現時点では「共同主権」とは明言しないものの、それを臭わす役目を演じているということでしょうか。いずれ、深夜ラジオで語ったような共同主権論が前面に出てくると思います。一体、この天児センセイは、何か中国に弱みでも握られているのでは…。
この人の露骨な上昇志向は、画面からもはっきりと感じられる。ここまで肥大した権力欲の背景には、中国の影・バックアップが感じられると思うのだが…。