澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

アルフレッド・ハウゼ楽団コンサート 2017 

2017年07月15日 19時24分35秒 | 音楽・映画

 「アルフレッド・ハウゼ楽団コンサート」に行く。
 首都圏でのコンサートはほぼ終了し、来週(7.17~)からは名古屋、関西方面でコンサートが開かれる予定のようだ。
 
 「ムード音楽」「イージーリスニング」と呼ばれるジャンルに属するこの楽団は、他の同種の楽団と同様に、マエストロはすでに他界していて、その名前を引き継いだ権利者がミュージシャンを集め、演奏ツアーを催行する。言わば、ネーミングライツと楽団のスコア(楽譜)だけで「商売」が成り立っている。同じ名前の楽団であっても、実際に聴いてみなければ、どんな演奏をするかもわからない。これまでに、マランド、マントヴァーニ、パーシー・フェイス、レイモン・ルフェーブル等々、この種の楽団を聴いてきたが、正直、玉石混交という感じだった。

 だが、いまツアー中の「アルフレッド・ハウゼ楽団」は、ジャック・パウエルという指揮者がまず素晴らしい。この人の経歴は不明だが、ストリングス(弦楽器)の歌わせ方が上手。ドラムとエレキ・ベースの音(つまりリズムの音量)を程よく抑えて、ストリングスと木管楽器のハーモニーを際立たせる。指揮者としての動きも軽やかで、アルフレッド・ハウゼ本人よりも見栄えがする。

 楽団は、29名編成。バイオリン13、ビオラ2、チェロ2、ベース(電気)1、オーボエ2、フルート2、バンドネオン3、ピアノ、ギター、ドラム、パーカッション。次のような配置だった。これは、オリジナル編成よりも、6人ほど少なく、特に木管楽器にクラリネット、ファゴットがないのが、音色の多彩さという点では少々物足りない。


   「アルフレッド・ハウゼ楽団」の楽器編成(2017年ツアー)
  
           〇(電気Bass) 〇ギター 〇パーカッション
〇 〇(ビオラ2) 〇〇(チェロ2)
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇(バイオリン13
                   〇ドラムス        〇ピアノ  〇 〇(オーボエ2)                                                           〇 〇(フルート2) 
                〇〇〇(バンドネオン3)                ◎指揮者(ジャック・パウエル)計30名(指揮者含む)


 

  楽団メンバーはかなり若く、タンゴに馴染んだ世代とは思えない。ネット上の情報では、「アルフレッド・ハウゼ楽団」の興行権はポーランド人に買われたと書かれていたので、「安かろう(人件費が)悪かろう(演奏が)」になってしまうのかと心配していたが、それは全く杞憂だった。指揮者・ジャック・パウエルは、弦のアンサンブルをきちんとまとめ上げ、他のセクションとのハーモニーを重視、エンディングの最弱音になるまで、一音もおろそかにしない。その音楽は、アルフレッド・ハウゼの忠実なコピーというよりも、彼自身のタンゴと言うべきかもしれない。

 曲目は、次のとおり。アンコールは3曲。「ミリタリー・タンゴ」(下記に映像を貼付)「ラ・クンパルシータ」「ブラームスの子守歌」だった。



 30曲近いタンゴをレコード(CD)そっくりに演奏されても、コンサートでは面白くもなんともない。タンゴのリズムが強すぎると、かえって退屈に感じてしまうものだ。 そこでこの指揮者は、比較的多くのアルゼンチンタンゴをプログラムに加えたり、コンチネンタル・タンゴの代表曲である「ジェラシー」「碧空」なども、アレンジを変えたりして、プログラムにメリハリをつけた。アルゼンチン・タンゴである「ママ、恋人が欲しいの」では、途中からタンゴのリズムを引っ込めて、ジャズ風のフォー・ビートで演奏した。

 会場の90%は60歳以上の高齢者、車椅子で聴きに来た人が何人もいて、タンゴの時代性を強く感じさせられた。つまり、タンゴはすでに過去の音楽。だが、その愛好者のために、手抜きをせず、最大限の音楽表現を努めた、この「アルフレッド・ハウゼ楽団」には大いに共感するものがあった。

 コンサートには当日券もあったので、もし、気になった方はぜひ足を運んでみたらと思う。上質な演奏会だったことは間違いないので。


会場はPA(Public Address)を使用。まあ、必要悪か…。
聴衆は、ご高齢者ばかり。






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