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東京近郊区間特例 302円で関東平野外周トリップ

2016年08月21日 | 乗り鉄
川崎から立川まで南武線E233系に乗車。分倍河原から立川までが新規乗車区間となる。
 混雑したホームで写真を撮って変に誤解されても困るので、
かぶりつきポジションで対向のE233系を撮影する。

 大都市近郊区間には「乗車になる経路にかかわらず、最も安くなる経路で計算した運賃で乗車できる」特例があります。 今回は出発地の大森から目的地の新宿までこの特例を利用し、302円で南武線、八高線、両毛線に残る未乗区間に乗車して、最も乗車済み線区の割合が低いJR東日本の「乗車率」の80%載せを目指すことにします。 
 
 先ず京浜東北線を川崎で下りて南武線ホームに向かいます。 南武線の川崎〜立川間は京浜工業地帯の川崎に向かう通勤路線であると同時に、東急東横線(武蔵小杉)、田園都市線(武蔵溝の口)、小田急線(登戸)、京王相模原線(稲田堤)、京王線(分倍河原)、中央線(立川)と多くの郊外路線をショートカットする路線でもあります。 沿線には住宅の他に工場や学校も多く、立川に向かう列車もそれぞれの接続駅を中心に結構乗り降りがあり、川﨑から立川まで混雑した状況が続いていました。 
 運用されている車両は209系1編成の他は全てE233系で、どちらかというと退屈な沿線風景と相まって趣味的にはあまり面白い路線ではありませんが、かといって混雑した車内で座席に座ってしまうと人が前に立って外も見えないので、ここは運転室の後ろから前方風景を眺めて過ごすことにします。

 立川からは中央線で八王子に向かいます。 八王子では不定期ながら横浜線に貨物輸送があるせいか入れ替え用のディーゼル機関車を見ることができました。 最近は電車以外の鉄道車両を見る機会が減りましたが、中央線の石油輸送貨物列車を始め、ここでは昔の拠点駅らしい雰囲気が少しは残っているようです。


八王子ではHD300ハイブリッドディーゼル機関車を初見。
 魅力的な外観とは言い難いがこれが旧国鉄の入れ替え用ディーゼル機関車を
置き換えていくことになるのか。。。

 八高線ホームに行ったら気動車がガラガラ音をたてながら待っている・・・などというのはふた昔も前の話で、1996年に八王子〜高麗川間は電化されて、今は山手線や京浜東北線から都落ちした205系や209系が走っています。 この八王子〜高麗川間、いわゆる八高南線の電車は殆ど全て川越線の川越まで直通しており、川越線の西側区間と一体の運用になっています。 ちなみに川越から東側は大宮を経由して埼京線の末端区間のような位置づけで、旧路線名と実際の列車運行との間にはずれがあるようです。

 4ドアロングシートではローカル線の雰囲気は今一つですが、流石に八高線では車内の立ち客も少なくなり、沿線には農地が広がることも増えてきます。 私は関西人なので、視界のどこにも山が見えない関東平野の真ん中は何となく落ち着かないのですが、八高線も高麗川が近付くと車窓左手に山並みが望めるようになるのも嬉しいですね。 


八高線のファーストランナーは205系の高麗川経由川越行き4両編成。

 前述のように八高線は高麗川〜倉賀野(列車は全て高崎直通)の八高北線がいわば元祖八高線といった雰囲気を残していて、嬉しいことに東京近郊では数少ない非電化区間です。 車両はJR世代のキハ112型ですが、車両中央部は今回の乗車列車の中で唯一となった向かいあわせ4人掛けのセミクロスシートになっています。 やはりローカル線には気動車やクロスシートがお似合いで、特にこの区間では飲物片手に車窓風景をゆっくり楽しむことが出来ました。


高麗川からはキハ112型ディーゼルカー。 


車内もようやくクロスシートになった。


寄居の手前で荒川を渡る。 この川の上流は秩父だ。

 冒頭の特例を使った場合は途中下車できないので、高崎駅の構内で蕎麦の昼食をとり、次の未乗区間である両毛線に乗車することにします。 高崎駅はかつては信越線、上越線の重要な分岐駅だったのですが、その機能は今は新幹線に移り、在来線の上越線や碓氷峠で分断された信越線はすっかり寂しくなりました。 そんな中で東京方面行の高崎線(湘南新宿ライン、上野東京ライン)は別格として、両毛線は本数的にも比較的頑張っているといえるようです。
 前橋までは105系2両編成の普通電車に乗車します。 前橋駅は30年以上前に訪れた時は立派な洋風木造の駅だったのですが、今は平凡な高架駅に建て直され、その駅壁面のガラス窓から見える筈の赤城山もこの日は生憎雲の中と、といささか残念な状況でした。
 

高崎〜前橋は105系普通電車。


県庁所在地の前橋駅は高架駅舎に。 
 お天気が良ければ「赤城の山も今夜限り・・・」の赤城山が望める筈だが、
この日は残念ながら雲の中だった。 ちなみに両毛線には国定という駅もある。

 ラストは211系。 セミクロスシート、湘南色の115系も見かけたのでそちらを期待したのですが、こちら211系の車内は残念ながらオールロングシート。 幸い車内は空いていたので進行方向右手の座席に座り、車窓左手に続く関東平野外周の山並みを通路を隔てて向かい側の窓から眺めながら小山に向かいます。 今回の乗車は時計回りだったので、高麗川付近で車窓左手に山並みを見つけてからはほぼ常時車窓左手に山並みを見、右手には広がる平野を見てきたことになります。 その間、東京都、神奈川県、埼玉県(八高線 小川町)、群馬県(両毛線 井野)、栃木県(小俣)を経由したのですから、やはり関東平野は広いですね。


ラストランナーは211系。 113系だったらクロスシートもあるが、この211系は全てロングシート。

 という訳で京浜東北線と山の手線で行けば30分足らずの距離を、延々8時間程掛けて移動してきました。 運賃302円、蕎麦代込みでも722円で済んだというのは驚くべきコストパフォーマンス?ですが、途中下車出来ないのはちょっとつまらないというのも正直なところ。 今回の関東平野外周ツアーでは八高線に接続する越生線(越生)、東上線(小川町、寄居)、両毛線と接続する伊勢崎線(伊勢崎)、佐野線(佐野)、日光線(栃木)と広範な東武鉄道のネットワークにも改めて関心を持ったので、次回はお金を払って東武+JR+途中下車の小旅行も楽しんでみたいと思います。 
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