トリCのブログ

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歴史のねつ造には価値がある

2016-03-20 17:39:56 | 政治

歴史のねつ造には価値がある。その大半は権力者の正当性を強調することになる。つまり不正をして権力を掌握したのでねつ造して自分を良い人に書き換えるわけだ。子孫の為でもあるし政敵を永遠に世論の敵にしておく意味もある。

 

それは一過性の話で今の自分達には関係ないから正直どうでもよくね?という考えもある。しかし今、日本人の身近に起こっている韓国の歴史クレームはまさにこの「どうでもよくね?」を逆利用されてきた結果だ。日本人が歴史と政治に興味がないという点を狙ってきたと言っていいだろう。

 

韓国側の翻訳掲示板などを読むと分かるが彼らは自分達の歴史が都合よくねつ造されている事に大統領までも含めてまるで気が付いていない(中国の様に気が付いていないふり、ではない)。一昔前の日本人が世界大戦で日本は悪い事をしたから正義の味方であるアメリカに裁かれた、と判で押したように答えたのに似ている(今でも結構いるのでは?)。

 

国体という言葉がある。日本が日本であるのは天皇という存在が欠かせない。これが国体だ。もし天皇制がなくなれば日本ではなくなり九条人民共和国とか琉球大和蝦夷合衆国などという事になってしまう。そもそも一人の天皇を頂点としていた国体がなくなれば頂点は2つでも3つでも良い事になり国は東西、あるいは南北に分裂する。


今の中国の国体は共産党が政権から落ちれば中国ではなくなる。明とか唐とか元がそれで頂点に君臨する集団(民族)が変われば名前は変わり国家は消滅する。住んでいる人が一緒でも国家はあっさりと姿を変えるものなのだ。


そうなるとその新国家で権力を握った人々が作る「正しい歴史」がどうなるかは想像つくだろう。新国家樹立までの長く厳しい日々の連続、という歴史になる。新国家は旧国家を軽く凌駕するくらい素晴らしい実績を残す為には「昔はとにかくひどかった」とやるのがいい。

 

日本の場合、天皇がずっと君臨している(事になっている)ので幕府が変わったりしても国体は変更しなかった。しかし実際政権が変われば似たような歴史の書き換えは行われてきている。明治政府は徳川幕府の治世を完全否定したが為に江戸時代の利点であった

・軍事力の無力化
・経済成長がない上に完全自給自足型国家
・無競争社会
・隣国、諸外国に全く興味なし

をダメな政治(歴史)として教育した。そういう風に洗脳された国民がどういう政治や経済や軍事を求めたか。結果昭和の敗戦まで日本は延々と

・列強に並ぶ為の軍拡一辺倒、その為の競争社会
・急激な経済成長→資源不足により自給自足は不可能
・資源欲しさに海外の植民地化推進

を続けた。この流れで敗戦した日本の次なる政府(従来の反対勢力)はどういう歴史教育になるか。

・完全非軍事化
・完全自給自足国家
・非競争社会
・国外干渉なし


本来は上記の様に江戸時代に逆戻りになるのだ。ところがそうはならなかった。ソ連の脅威に加え負けたのは経済力がないのに無理して軍拡したからだ、となった。アメリカの手厚い保護とアジアから完全に孤立した結果


・ほどほどの非軍事化
・人口増大により自給が不可能→貿易立国しか道はない
・対外貿易の為の学歴競争社会
・対アメリカのみの外交


こうなった。本来なら江戸時代に逆戻りの政策を推進する政治集団、それは恐らく社会党・共産党だったはずがアメリカの工作で対中ロ防壁の政治集団が実権を握った結果、何が何でも前の政権を否定する政府にはならなかった。偶然に近いが日本は運よく歴史捏造の災厄から「ほどほどに」逃げ切れた。

当初の背後にはアメリカがいたわけだから第二次大戦はもの凄くアメリカに都合のいい歴史認識にさせられているが、社会党シンパの教育界は社会党が政権を取れないので捏造することも許されず、かといってアメリカを褒め称える歴史を教える気はゼロなわけで結果「教える必要がない」という指針になった。結果、ここ100年程度で日本周囲で何が実際あったのかを戦争体験世代も含めてあり得ないレベルで無知化が進む。今現在この悪影響を回避出来た若い世代と内情を知る政府と全否定世代とで軋轢が生じているのは集団的自衛権問題でも分かるところだ。


韓国はこの点で言えば「許しがたい極悪無能政権」は大日本帝国であり日本が韓国に全く干渉してこない点を利用しまさに好き放題の歴史を作った。今の日韓の軋轢の主因は単純に日本側の無知と韓国側の歴史ねつ造の2点セットなわけで韓国が見当はずれな謝罪を求め日本の議員が反論なしでホイホイと謝罪する事で成り立ってきたわけだ。


冒頭に書いた様に歴史のねつ造には価値がある。しかしそれは前政権の権力者一族を完全消滅させる事が出来た旧時代の価値であり、中国にしても韓国にしてもその点が分かっていない。極悪非道だった日本はまだ全然ピンピンしているし中韓が言う歴史を認めない日本人は海外ではむしろ指折りで評判がいい。その結果海外の世論では「いつまで昔の事で騒いでいるんだ、いい加減にしろ」と中韓が疎ましがられる存在になっている。


日本に謝罪させる事で東アジアの各国の政権は、国民の支持と経済的利益を得てきた。ご都合主義の歴史ねつ造とそれにお墨付きを与えた歴史学者はかの国ではその為だけに価値がある。都合のいい歴史に証明書を与えるのが本業であり正しい歴史を究明するのが彼らの仕事ではないのだ。

 

先に日本の国体は天皇にある、と書いたが半島にしろ中国にしろ彼らの国体は日本に対抗し輝かしく勝利した、が一部となっている。日本の存在を認め、自国の歴史ねつ造を認めるなど


明治政府が   江戸時代も悪くはなかった


と発言するようなもので、あり得ない話なのだ。