きゅうぞー元気本舗!!

脳幹出血で倒れてしまった「Qちゃん」の大奮闘記です!!

退院後一年目の経過

2007年08月14日 | 退院後一年間の経過

 

  リハビリ病院を退院してから約一年の経過をまとめてみました。

この一年が一番変化があった様に思えますが、それで止まってしまった訳ではなく、 翌年からも少しずつ身体が動くようになっていってます。

 

1月

耳の中でパチン! 左の悪い方の耳がパチンというととても聞こえがよくなる。

 まるでトンネルを抜けた時に急に音がよく聞こえるようになった時のような感じだ。 常に左耳からは静脈の「ザーッ」という音がしている。

右の耳からは動脈の「シュッシュッ」という音がずっと聞こえていて 他の音がよく聞き取れない。

左目が全く閉じてくれない為、乾燥防止の為に精製水で湿らせたガーゼを当てているので、片目でますます遠近感も なくなって泣きたいくらい不自由だ・・・

病院で出してもらった目薬を朝晩必ず点して潤いを保つようにしているが、全く涙が出ないから普段もなるべく左手で 目の周りを絶えずマッサージするように頑張る! 今までの反動かな? 病院では差し入れ禁止で女房が正直にキッチリ厳守していたため、  とにかく甘いものが食べたくて食べたくて仕方ない。

女房に頼み込んで羊羹やら饅頭やらを買ってきてもらい 食べまくりの日々だ。

うまかった!                    

 

2月

ほとんど毎日か、一日おきに排便がある。

動かない為、便秘予防に 弱い暖下剤を服用しているが、たぶんそのお陰かもしれない。

便意はかすかにある感じだ。

なるべく毎食後に車椅子でトイレへ行き、手すりに掴まって女房の介助で座り、15分はゆっくりとしている。

  

 

個室で、独り孤独を楽しむために女房がいろいろ考えてくれた。

文字盤が大きな時計を壁に掛けてくれたので、座っている時間がわかるようになった。

 余計に座らなくて澄んだのでよかった!  それと目の前に書き込み式の大きなカレンダーを掛けてくれた。

女房がいろいろと書き込んだものを読んだり、あれこれ考えたりして、なるべく排便を促す努力をしてみる。  

 一日中車椅子で過ごしているため、背中や足腰が痛む。

じっとしているのがマイナスなのだろうか?  取り敢えずシップと朝晩のマッサージを続ける。

夕方になると右の手のひらや足先が浮腫んでくるのがはっきりとわかる。

たぶん運動不足のためだろう。

 

 3月

眼帯を時々外してみるが、景色が二重に見えるためすぐに疲れてしまい、またすぐに眼帯をつける。

 

 

あまり眼帯ばかりしていると機能が衰えて視力もなくなってしまうのではと心配だ。

でも、今までは見える色が全体に黄色っぽかったのが、このころから何となく白っぽく普通に見えるように なってきたようだ。

例えて言うと、今までは電球の光だったのが蛍光灯に変わったといった感じだろうか?

今月の大きな変化は、朝あくびをすると右の腕や掌がぐぐーっと伸びて、まるで猫が伸びをする時のように 手のひらも目一杯広がるようになった。

毎日相変わらず座っているばかりなので、お尻が床ずれのように赤くなっている。 気をつけなければと時々トイレの入り口の手すりに掴まって屈伸運動をして頑張る。

 

4月

今まで常時景色が二重に上下左右に揺れていたのが 最近になってほんの少しだけ少なくなって来たようだ。

主治医の話では

 「残念ながら平衡感覚がやられているから 揺れは一生続くでしょう。 あとはだんだん慣れてくれるのを待つしかないかな?」

そうか、それなら一生仲良く付き合っていかなきゃあ・・・

 相変わらず夕方の手足の浮腫みは変わらない。膝上の痛みあり。  

この頃から毎回トイレへ行った時にトイレ横の手すりに掴まって必ず1〇回、 屈伸運動をすることにした。

せっかく行くのに手ぶらで帰ってくる手はないよね?  

朝も起き上がる前に 寝床の中で腕の上げ下げや寝返り運動なども、他と同じく、二十回くらいずつ 実行することにする!

 

5月

何とか膝上の痛みがなくなるが考えるとシップも然る事ながら、毎晩女房がマッサージをしてくれているのが 良かったのかもしれない。

夜などはほとんど居眠りをしながらのマッサージだったけどね(笑)  

マッサージの方法は元気な左足も同様で まず足の指を一本ずつグルグル回していき、 足の裏を揉み解す。  

その後何をやるのかと思えば 足首を持ってこれもまたグルグル回し、アキレス腱を伸ばしたり縮めたりしてから やっと脹脛を膝に向かって揉み上げていくのだ。  

それから腿を両手でこれでもか!と言わんばかりにマッサージするが、 もし私が逆の立場だったらたぶん・・・ やらない。(笑)  

それからはなるべく車椅子に座っている時でも 自分で出来る限り暇さえあれば、左足で右足の足を揉むようにしている。        

 

 6月

MY車椅子届く!  

 

 

やっと自分の車椅子が出来上がった。高さも注文どおりで好調!!  

嬉しいことに、なんと右足の親指と人差し指がわずかに動いた! 

そして今までは仰向けにならないと右膝の屈伸が出来なかったのが、 ある日車椅子に乗っている時でもできるという事が 判明した。

逆にこれからはまた新しい運動が増えてしまった。

しかし腿の内側がとても痛いので朝晩仰向けに寝てひたすら開脚運動をして、 内側の筋を伸ばしてみるが効果は ほとんどない。

使っていない筋肉も動き出したのだろうか? 退院後初めて味噌ラーメンを食べてみる。

 

今までは「汁物なんてとんでもない!」

麻痺側の口の横から汁がみんな零れ落ちてしまうのがオチだと避けていたけれど、思い切って挑戦! 

 こぼしたってかまうものか! 

エプロンという強い味方があるのだ!

ところが思っていたよりもこぼさずに食べる事ができた! とても嬉しい!

 

ずっとずっと大好きなラーメンを我慢し続けてきたせいか 最高に旨かった。

退院後半年が過ぎて 手足や顔の麻痺にも少しずつ慣れてきたような気がする。

 やはりマッサージは血行を良くするので正解だったかもしれない。

 

7月

女房が電気エアーマッサージャーを買ってきた。  

 

なんでも「空気の圧力で脹脛や足首をマッサージするもの」

だそうで、何だかよくわからないが、 せっかくだからやってみることにした。  

正直言って、最初は半信半疑で効果なんてほとんど期待していなかったが なんと! 三日程続けていたら右足先が痺れるような気がしたのだ。  

そして毎日夕方には足先がとても冷たくなって浮腫んでいたのがこの日を境に、改善されたのだ!これは凄いことだ!  

こうなると女房に文句を言わなくてよかったかもしれない。

これはずっと続けようと決心した。  

顔は麻痺側の頬(左側)をひっぱると少し痛いのがわかる。 相変わらず顔は曲がったままいつも泣きそうな顔をしているようだ。

自分の顔を鏡で見てもよく見えないのでまあ 仕方ないね? ビールも呑めた! 夜、寝床に入ってから飲兵衛の女房が缶ビールを持ってやってきた。

 

一瞬「このやろう!

と思ったが、 考えを変えて私も呑んでみる事にした。

倒れる前は大酒呑みだった私は これを機に禁酒を余儀なくされていた。

が、少しくらいならと挑戦! すると 今までの麻痺側の口から完全にこぼれてしまっていたのが。 何とか無事にこぼさずに呑むことができたのだ。 感激! 

酒だからかしら・・・? 細いビールグラスを持つ手が嬉しさで震えていた。

水分は吸い込む時に頬まで一緒に吸い込んでしまって 時には噛んで怪我をするので。要注意なのだ。

入浴も今までは毎晩女房が身体を拭いてくれていたが、 いよいよ暑くなってきたので入浴することにした。

まず 車椅子で浴室の近くまで行き上着 ズボンと靴下を脱いで、手すりにつたわりながら浴室へ行き、 一段低い浴室のタイルの上へ降りてガーデン用の大きな白いプラスチックの椅子に座って身体を洗ってもらうのだ。

でも 我が家の風呂はシャワーがないので女房はちょっと大変だ。

 

足がまだ安定しないため、とても怖い。

装具をつけたままだったらいいかもしれない。

 

8月

ずっと口の周りが痺れている感じが続いている。

まるで歯医者さんで葉を抜く時の麻酔が効いているような状態だ。

 でも毎晩の歯磨きの時も何となく感覚がわかるようになってきたようだ。

歯槽膿漏のため、女房が念入りに歯茎をマッサージしてくれているので、余計なのかもしれないが  ジーンと歯茎や頬の内側が感じる。

 

今月は嬉しい変化が多いのでとても嬉しい。 まず 右足の親指が前後に動いた。

 

動かす時に気を付けて脹脛を左手で持ってみる。

明らかに脹脛の筋肉もちゃんと動いているではないか!

よしっ! これなら少しずつ自力で血液の循環を良くすることができるし、足の筋肉も少しずつでもついてくれる かもしれないな。

ますます頑張ろうと思う。

 

あと 毎晩必ず血圧を測っているのだが最近は腕に巻いた血圧計の空気が、入ったり抜けたりする感触がわかるのだ。

そしてその後に右腕から肩にかけて時々ピクピクっと痙攣する。

だんだん感覚がもどってきているのだと嬉しいのだが・・・ 手の方も変化が現れ 右の指が一本一本動いた。 掌がじゃんけんのグーの状態からパーの開いた形に動くのだ。

毎日掌を広げたり縮めたりしている運動がよかったのかな?

毎日暇さえあれば右手を伸ばした足の上に乗っけて左手で右指の関節をマッサージして、曲げ伸ばしや揉み解しを 繰り返していたからかも?と信じている。

 

9月

普段でも左の耳たぶを下へひっぱって大きな口を開けると 「パチン!」 といって耳の聞こえが良くなり 自分の声がとても大きく聞こえて逆にうるさい!

 麻痺側の左目の外側が連日ぴくぴくしている。

自律神経失調症だろうか? 毎日左側の頬骨からコメカミのあたりを嫌というほど上下左右に、マッサージをしているせいかな?

発見! 爪を切ってもらった時に気が付いたのだが 右手より左手の方が伸びが早いのだ。

 そして右の爪は柔らかくて切っても音がしない。

神経が通っていないからなのだろうか?  そうそう! 髭は逆で右際の方が伸び方が早いのには驚いた! 全く不思議なことばかりで毎日飽きない。

 

 10月

顔の外側は左半分が感じて右半分は殆ど感じない。

しかし顔の内側は逆で、右半分感じて左半分は全く感じなかったけれど 最近は髭を剃っている時に、感触がわかるのだ。

内側も 冷たいものとか暖かいものなどが少し判るようになってきたし、ある時、たまたまお煎餅のしょっぱいのが よくわかって頬の内側がヒリヒリ痛かった。

いつもの様にトイレへ立った時の屈伸運動の時右足に力を入れてみたら、全体が痺れたような感じがした。

明らかに感覚が少しずつ戻ってきていることを実感!さっそく気をよくして運動を1〇回から2〇回に増量。

少しでも筋肉を増やしたいと思う。がんばれがんばれ! お風呂に入った時に 右足の裏をタイルの上へ下ろした時に足の裏が冷たく感じた。

何だか快感!(笑)

 

11月

 先月の後半あたりからかなりバランスが悪く 両目とも激しく揺れている。 ちょっと下を向くとすぐに揺れる。

全く困ったものだ・・・ 特に朝がひどく 右目は縦揺れで左目は横揺れときている。

よく酔わないねと女房が冗談を言って笑わせた。

でも毎日の屈伸運動の時に先月より右足が痺れているが 自分なりに、とてもよい兆候だと信じているのだ。

前向きに考えていればなんでも楽しみになるような気がする。

できるだけ右側に重心をかけるようにして筋肉をつけるようにしようと思う。

喋ることに関しては 少しずつ言葉の発音がはっきりしてきているらしい。

 でも毎日状態はコロコロ変わり 日によっては呂律が回らないことさえあるため、自分でも喋り辛くて仕方がない。

でもチクチクと歯の痛みがわかるし 頬骨のあたりも存在感がでてきている。  嬉しい進歩だ! そして何よりも感激したのは、足を伸ばして据わった状態から、両足揃えて膝を立てることができるようになったのだ。

それからは暇さえあれば左右関係なくあらゆる所を常に動かしているのだが、  脳外科の先生は

「もうある程度の回復は止まった」

と、ただならぬ発言。

でもこれはお医者さんの言葉で これからは自分の努力だと思う。

負けないぞ!   もう一つ一歩前進をした。  

これもまた仰向けに寝転がった状態で右足首が左右に動いたのだ。

 何気なくやってみたらできたので本当に驚いた。

私はいつも動いている手足をイメージしながらリハビリをしているが これはかなり効果はあると思う。

 いつもいつも繰り返しイメージし続けると本当に実現していく気がするのだ。

顔面麻痺のために口の左側の皮がたれているので、常に舌で上のほうへ押し上げているのだが、最近は頬の内側を よく噛んでしまう。

少しずつ内側の肉が盛り上がってきたのだろうか? そのせいか頬に一枚肉が覆いかぶさっているような感覚で すこぶる喋りにくい。

 自分が喋りにくい時には相手も非常に聞き取りにくいようだ。

まあ当分は仕方ないね? 驚いたことに、ふと気が付くとあれだけ耳の中でうるさかった静脈や動脈の音は、ほとんど聞こえなくなり、  まわりの音がわりとよく聞こえるようになってきたのだ。

多少は聞こえているが 随分小さくなっていて楽になった。

 目のほうも変化あり。 今まで二重に見えていたけれど 最近では同じ二重でも幅が狭くなって、物と物とがくっついてきた! 少し見やすくなって嬉しい!!

 

12月

十一月末あたりから右手の親指が内側に丸まるようになった。

 掌を握った時に親指だけ曲がりきれずにいたけれど きれいな握り拳を作ることができた。

でも、足の関節を柔らかくしてしまうと、立つときにもっと安定がわるくなるかな?

 ここの所 夜中寝ている時にふと気が付くと 私の右手が女房のお尻の下にあることがわかってしまうようになった。

以前は踏まれても噛まれても?全くわからなかったのにね?・・・ 一日中パソコンをしていると右の腰が痛くなってくるのもわかってきた。

耳の方も静脈や動脈の音がますます小さくなり 気にならなくなったので、ストレスもだいぶ少なくなった気がする。

連日ひたすら筋力トレーニングに精を出す。

寒い朝はどうしても血液の循環が悪くなるせいか 移動がぎこちない。

でも朝はレーズンやピーナッツなどのドライフルーツを食べているのがよいのか 肌もそれほどカサカサしていないし 足もそれ程冷たくないのだ。

 食事の内容も幅が広がり 麺類もだいぶ慣れたので、最後まできれいに食べることができるようになったのが 何よりの喜びだ。

 

 これで一応二〇〇〇年の回復記録はおわりです。 いろいろ数え上げたらきりがありませんが 大まかな回復の流れを記録してみました。

二〇〇一年に入ってから上半期は特に目立っての変化はありませんでした。

ただ毎日淡々と自分なりのリハビリを考えながら過ごしたのです。

夏ごろからまた少しずつ変化が始まりました。 七月あたりから上半身に痺れを感じ 特に右脇腹のあたりの感覚が戻ってきたようで、暫くは引きつったような不快感 に悩まされました。

これは今でもたまに私を苦しめます。 足のほうも変化がありました。足全体の神経が一つに繋がったような感じがしたのです。

そして立った時にも今までは身体の重さは足首だけで感じていましたが、この頃は土踏まずや親指の付け根に感じ、 身体の重さと血液が通っているという感覚を実感できるようになりました。 驚くべき事です。

九月ころには再び口の周りやこめかみの辺りがちくちくし始め、唇の内側もあまりかまなくなってストローでなく、 ちゃんと直接コップで飲み物を飲めるようになりました。

以前はお酒を浴びるほど呑んでもなんともなかったのが 梅酒少しで真っ赤になっています。 とても美味しいよ! ありがとう!