鳥キチ日記

北海道・十勝で海鳥・海獣を中心に野生生物の調査や執筆、撮影、ガイド等を行っています。

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十勝の自然85 メジロ

2016-11-02 17:20:13 | 十勝の自然

Photo by Chishima, J.
メジロ 2006年10月 北海道帯広市)

(FM JAGAの番組 KACHITTO(月-木 7:00~9:00)のコーナー「十勝の自然」DJ高木公平さん 2015年10月27 日放送)


 生き物はみな、種固有の分布を持っています。ヒグマは日本では北海道にだけ生息し、下北半島まで分布するニホンザルは、津軽海峡を隔てた北海道にはいません。それらは大地の歴史や気候、近縁種との競争などを通じて長い年月をかけ作り上げられたもので、私たちが目にできるスケールのものではありません。ところが、大空を自由に飛ぶ鳥たちの中には、比較的短期間で分布を変化させる種もいます。その一例として、北海道のメジロを紹介しましょう。

 黄緑色の体のスズメより小さな小鳥で、目の周りに白い羽毛を持つのが名前の所以です。日本、台湾、朝鮮半島から中国南部に分布し、本来は南方系で、国内では温暖な西日本や南西諸島の照葉樹林に多く生息します。北海道では道南で戦前にも見られていたものの、1960年頃から札幌周辺で生息が確認され、その後分布を広げました。1990年代までの十勝では、秋にごく少数が姿を見せる程度でしたが、2000年代半ば以降すっかり普通の夏鳥です。春から夏に低地の山林で「長兵衛忠兵衛長忠兵衛」と聞きなされる朗らかな囀りを奏で、秋は河畔林や丘陵地帯で群れが「チィー」と賑やかに鳴き交わします。なぜ100年足らずで道南から道東まで分布を広げたのかはわかっていません。温暖化など地球環境の変化も考えられますが、元々メジロの仲間には群れで大陸から遠く離れた島に移り住む開拓者的気質があって、オーストラリア南東部から、2000km以上離れたニュージーランドへの移住に成功した近縁種の例もあります。

 枝に2羽かそれ以上のメジロが体を寄せ合って止まり、互いに嘴で頭を掻く「相互羽づくろい」をよく行います。この様子から、多くのものが混み合って並ぶことを「目白押し」と言いますが、本家で実際に体を密着させるのはつがいか、ヒナのいる家族内だけでのようです。


(2015年10月27日   千嶋 淳)
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