取手通信・医学情報社 山本 嗣信 (やまもと つぐのぶ)

医学情報社編集顧問
フリージャーナリスト

競輪談義をしながら酒

2016年10月18日 14時23分44秒 | 創作欄
利根輪太郎は松戸競輪場で出会った東剛志から居酒屋で車券師の所以を聞いた。
「ギャンブルでは、儲けられないと言うがそれが事実だ」
「そうですよね」輪太郎は肯いた。
東は日本酒の吟醸を飲んでいた。
「酒は、日本酒に限るね」
「そうですね」輪太郎は同感であった。
刺身の盛り合わせに日本酒は合っていた。
昭和50年代、まだ競輪場は賑わっていて、店の客の大半が競輪談義をしながら酒を飲んでいた。
当時の競輪ファンはまだ若く、生活にも余裕があったので、競輪場の周辺の各店はそれ相応に繁盛していた。
輪太郎は競輪場で初めて阿佐田哲也の姿を見かけて心が高揚していた。
聞けば東剛志は一人で麻雀店へ出はいりしていた。
裏の賭博場も知っていた。
「東さんも麻雀放浪記のような世界に身を置いてきたのですね」輪太郎は東の体験談に興奮してきた。
「自衛隊は一度も戦場に行かなかったが、賭博場は疑似戦場とも言えたね」
「そうですか」と応じながら、輪太郎は裏の賭博場を体験したくなった。
「浅草では突然、警察の手入れがありトイレの窓から逃げた。危なかった」
あくまで裏の賭博場は非合法の世界であるのだ。
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