「アメリカ 異形制度空間」

2016年12月06日 23時04分47秒 | 社会・文化・政治・経済
◆アメリカほど「自由」の大義に固執する国は他にない。
「生命、自由、幸福の追求の権利」を追求する個々人によって歴史的に形成されてきたのが、「アメリカ合州国」である。
ヨーロッパのキリスト旧教世界からやってきたピューリタンたちは、教会権威の束縛とそれに強いる従属と決別して、「新大陸」で個人として信仰の「自由」を獲得した。
個人の「自由」の淵源が、広大な土地という資源にあったことは、すでにマルクスがしている。
◆20世紀初頭には、職業選択の「自由」を持つ個々の労働者の営為に支えられ、アメリカは世界一の工業国になった。
「自由」の名のもとに、市場原理の熾烈な競争に投げ込まれる個々の労働者、野民たち。
◆「自由な」競争に破れたものには、怠惰や無能という「自己責任」が待ち構えていた。
「自由」は実は、競争、利益、繁栄、経済至上主義の擬制であり、かつ制度である。
アメリカは「自由の制度空間」だが、他のどことも異なる異形である。
「アメリカ 異形制度空間」西谷修著 立教大学教授・阿部珠理評
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 法華経は多くの人々を蘇生させる | トップ | 貧血の原因は何であるのか? »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

社会・文化・政治・経済」カテゴリの最新記事