「夢車券」

2017年06月22日 08時04分02秒 | 未来予測研究会の掲示板
4-6-8(ヨーロッパを買って、ハワイへ行こう)
取手競輪場の予想屋「夢ちゃん」は、何時もおどけたように大きな声をファンに向けて投げかけていた。
だが、多くの競輪ファンたちは、聞き過ごしていた。
つまり、競輪通を自認しているファンにとっては、戯言にしか思われないかったのである。
筋(並び)車券を基本に予想を組み立てているファンにとって、筋とは無関係な4-6-8などの車券は買えない。
通常、4番、6番、8番の選手は、格下に位置づけられている。
多くの選手だって、4番、6番、8番で走ることは屈辱であろう。
つまり、1番、2番、3番、5番、7番、9番で走ることで、選手はそれ相応にファンたちの支持を集めている。
タクシー運転手の荻野信介は、4-6-8のボックス車券を常に買い続けていた。
600円の投資である。
彼にとっての「夢車券」であった。
腹勝車券でも1万円を超える配当であり、単勝車券なら、3~5万円、時には7万円を超える大穴となる。
500円も買っていれば、35万円ほどとなる。
荻野にとっては、「夢車券」は保険である。
狙うのは、あくまで10倍~20倍くらいの車券。
本命は買わない。
1番人気で決まるほど競輪はあまくない。
展開次第で紛れる要素が多々ある。
走る格闘技である競輪は、自己犠牲になってもライン(並び)の結束を貫く。
先行選手の2番目に位置する選手が、アシストして別のラインの追い込むをブロックする。
縦に一列棒状で走行するのであるが、勝負どころでは横にも走る。
つまり斜行である。
競馬なら失格であるが、競輪では許される。
横にも強い選手が当然、ファンの信頼を集める。
競輪は荒れる要素なのだ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 事件の背景にはパレスチナ問題) | トップ | <ウソも100回言えば本当にな... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

未来予測研究会の掲示板」カテゴリの最新記事