取手通信・医学情報社 山本 嗣信 (やまもと つぐのぶ)

医学情報社編集顧問
フリージャーナリスト

ギャンブルの何に惹かれるのだと思われますか?

2017年03月21日 05時20分37秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力
ギャンブルという死の情動
毎日新聞の「人生相談」
作家の高橋源一郎さんは常に、興味深い答えをする人で意表を突かれる。

3月20日は、息子(37歳)のギャンブル依存症。
嫁と2人の子どもがいる。
依存を断つため入院し、退院後もミーティングへ行くがよくならない。
親にうそをつき金を貸してくれという。
会社の事を持ち出されると仕方なく貸してしまうが、戻ってこない。
「どうしたら息子のためになるでしょう」(67歳・女性)

ギャンブル依存症の経験者としてお答えすることにします。
依存症の患者は、ギャンブルの何に惹かれるのだと思われますか?
理解し難いかもしれませんが、実は「徹底的に負けること」です。
負けて負けて負けて死に近いところまで行くこと。
それが、彼らの(無意識の)願望です。
そこまで追い込まれ、ぎりぎりのところで死から生に戻ってくる。
その、一回一回の激しい感情の揺り戻しこそ、ギャンブルの底知れない魅力です。
それほど深く人間の感情を揺さぶることができるのは、他には、恋愛か優れた芸術だけなのかもしれません。
結局、生に戻ることができず、ついには自ら命を絶った者たちが、わたしの周りにも何人もいます。
一度、これを味わった人間にとって、それ以外はすべて、退屈な日常にすぎません。
誰も、何も(家族の愛情も)彼を止めることはできないのです。
悲しいことですが、奥さまには離婚をお勧めします。
そして、弁護士と相談し、直接、彼の給料から養育費を天引きしてもらうべきでしょう。
両親であるあなた方も彼に金を貸してはいけません。
彼はあらゆるところから金を借り、ついには会社の金を使いこんでも、ギャンブルをしつづけるでしょう。
その慟哭、社会的死だけが、ギャンブルという死の情動から逃れるチャンスを彼に与えることができるのだと思います。

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このようにアドバイスすることに、驚くとともに、その独自の視点に作家としての世界の広がりを感じた。
「破滅へ向かう他、道はないのか?」と、暗澹たる気持ちにもなる。
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