とねり日記

とりことや舎人(とねり)の
どげんかせんとの日々

安藤庵 @ とりこと舎

2017年06月17日 | カフェごと
安藤はんとひろへちゃんが初めてとりこと舎に来たのは「こかげカフェ」を開業して1年目の夏。
舎長は開業以来、どのお客さんにどんな料理を出したか、メニューのすべてを記録しているので、それでたどっていったら2013年8月だとわかった。
予約の電話をかけてきたのはひろへちゃんで、「少食ですから、あまり食べられないと思います」というようなことをおっしゃっていたと、舎長はかなりくっきりと記憶していた。
あとで聞いた話では、あのときは二人とも前夜遅くまで激しく飲み食いし、胃がへとへとだったので、そんな風にエクスキューズしておいたのだとのことだった。
だが、当日、二人は完食して帰った。

それからしばらくして、お友だちのT教授夫妻を連れて4人でやってきた。
そして次第にT教授夫妻ともどもわが舎に来る間隔が短く、頻繁になってきた。

何度か来るうちに、安藤はんは京都府長岡京市で「安藤庵」という治療院を開業しておられる東洋医学の先生で、ひろへちゃんはベテランのナースで安藤庵ではカウンセリングを担当しているということがわかってきた。

で、私たちも、激しく体調を崩したときなど、安藤先生のお世話になることが増えていった。
私が安藤先生を特に好ましく思うのは、先生が飲酒に関して極めて寛大だという点だ。
ある夏、私が原因不明の足の激痛に襲われて安藤庵に助けを求めたとき、先生は「痛みの海に飛び込んでください。痛み止めは飲まないほうがいいですよ」とおっしゃった。私はしばらくの間歯を食いしばってその教えを守ったが、痛みの海に溺れそうになり「お酒は飲んでもいいですか」と問い返すと、「飲んでもいいです。もっと痛くなりますけど」と半分嬉しいようなことをおっしゃった。

安藤はんはわが舎に来ると、まずお酒を注文する。
そして乗ってくると暖かい季節には上半身裸になる。
これは2016年5月に来たときの写真。


長患いの末に死にかけていた1羽のニワトリ(ヤンチャ)が庭先をよろよろと横切った。自然のなかで生きる動物は死ぬその日まで歩き続けるものなのだ。縁側で酒を飲んでいた先生に、舎長が思わず「安藤はん、何とかしたって」と声をかけた。
「よっしゃ」と先生は腰を上げ、突っかけを履いて庭に出て、ヤンチャの治療を始めた。


治療を受けたヤンチャの目に力が戻った。


ヤンチャはその後3か月ほど生きて8月9日、死んだ。
舎長によると、その日の朝、ヤンチャはよろよろと小屋から出てきたところでヤギ小屋方面から戻ってきた舎長とすれ違った。すれ違うとき舎長は「ヤンチャ、今日はしんどそうやね」と声をかけたという。その後、舎長が朝食をすませ、洗濯物を干すために中庭の物干し竿を拭いていたとき、視野の片隅に門の内側で倒れているヤンチャを見た。ヤンチャは行き倒れていた。享年4歳1か月。

死ぬ寸前まで歩き続けたヤンチャにどんな治療をしたのか知らないが、人間の治療をする際には先生はまず患者の背骨の状態を時間をかけて丁寧に触診する。

今年3月から4月にかけて、私はこれまで経験したことのないキツい腰痛に襲われていた。厳しい労働が長く続いた後に腰が痛むことはこれまでもあったが、骨休めをしたりマッサージをしたりすれば治まるような腰痛だった。だがその時は、一時は治まってもすぐにキリキリとした痛みが戻ってくる。これまでの腰痛とは種類が違うように感じた。「ヤバいなあ」と思い、9連泊の始まる連休前に安藤庵を訪ねた。

先生は背骨の一つひとつを指でなぞるように確認してから、大意、こんな風に告げた。
人間の背骨は真横から見るとS字型になっていてバネのように柔軟に体重を支えている。ところがあなたの背骨は横から見てまっすぐになっている。つまり全体重がストレートに腰にかかっている。そのせいで正面(真後ろ)からあなたの背骨を見ると、腰のあたりで左右に大きくずれている。腰が激しく痛むのは当然だ…と。
それから先生は時間をかけて私の背骨を本来あるべき状態(S字型)に矯正した。腰の痛みがすっと引いた。

だが先生は続けて(やはり大意)こう言った。
背骨の状態はじきに元に戻る。なぜなら腹筋が弱いから。腹筋が弱いからあなたの小腸や大腸はすとんと骨盤の中に入り込んでいる。横から見ると下腹部がポッコリ膨れ猫背になっている。背骨はまっすぐ。よくあるお爺さんの姿勢だ。
「この状態から抜け出るためには、これから3か月、毎晩寝る前に『ヘソ見腹筋』をしてください」
仰向けに寝て頭を持ち上げ視線を下へ向け自分のヘソを見る。これを毎晩20秒、慣れてきたらだんだん秒数を増やし、回数を増やしていく。腹筋が強くなれば、腸は本来あるべき場所(おなかの中心)へ押し上げられ、背骨は自ずとS字カーブを描く…と。

あれから1か月半、ヘソ見腹筋を続けている。現在は1回25秒を2セットしている。わずか1分弱のエクササイズだがけっこうキツい、だが始めて1~2週間で腰の痛みは消えた。姿見で確認すると最近は胸が出て腹がへこんで姿勢もよくなった。ちと嬉しい。からだとこころの調子がいいと酒もうまい。

かように安藤先生は対症療法も施してくれるが、それ以上に何より患者自らの力で根本的に治癒できるようにすることを最重視する。

その安藤庵ととりこと舎のコラボイベントが来月おこなわれる。


わが舎で始めての本格的イベントだ。
ポスターは安藤はんの友人のT教授作。
いい感じのポスター。
でもこのポスターが刷り上がってわが舎に届く前に定員の10名は埋まってしまった。

「たべごとはからだごと」
とてもよいキャッチコピーだと思う。
ただ、直感的にはそのとおりだと思うが、この言葉の本当に意味することを私は十分に理解していない。
このイベントを続け、安藤はんのお話を聞き、舎長の料理を食べながら、その意味するところをすこしずつ身体で理解していければよいなあ…
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