とねり日記

とりことや舎人(とねり)の
どげんかせんとの日々

アンドロメダの指

2018年02月22日 | たべごと
前回の記事「うちなーそーがち…」で、安藤先生のことを書き忘れたので追記。

安藤先生はわが舎に来ると乾杯の後、すぐにごろんと横になる。患者さんの診察・施術で気力を使い果たしてしまうからか、3~4時間はたいていこんな感じで、完全な「off」になってしまう。


とくに半年くらい前から、全国から患者さんが来るようになり、まるまる一日offになれる日は月のうち数回しかないようだ。日曜日と水曜日が休診日だが、日曜は患者さんとの勉強会の他、地方出張や講演なども入ってくる。水曜は急な患者さんへの対応などでまる一日休める日は少ない。
安藤先生は患者さん1人に1時間(初診の場合は1時間半)かけ、ほぼ休む間もなく1日10人ほどを診る。一日の終わりの安藤先生は、ご本人は「アンドロメダ星雲からのパワーが降りてくるので何ともない」とおっしゃってるようだが、回りから見ると「抜け殻のよう」だそうだ。

安藤先生は抜け殻のようになってわが舎にやってくる。だが、一眠りすると…
アンドロメダパワーで復活し、


私たちを診てくれたりする。
とても恐縮だ。


安藤先生の指は優しく、


ときどき痛い。


骨格や内臓の位置など、体の状態を把握しようとして這わせる指、


本来あるべき状態に体を戻し癒やそうとする指、


「お疲れなのに…」と恐縮しつつも、安藤先生のフィンガーパワーの魅力には抗えない。

さて、その安藤先生ととりこと舎のコラボイベント第3弾が近々、開かれる。
テーマは…


餅つき?


これは、なんじゃ?


「こころとからだ もちつもたれつ 餅つき大会!&乳酸菌作り」
3月4日(日)11時より。
まだ若干、残席あります。この機会に安藤先生にお近づきになりたい方、どうぞ、おいでごしなれ(鳥取弁で「おいでください」)。
詳しくは「こちら
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うちなーそーがちサーフーフー

2018年02月19日 | 山里から
旧正月(2月16日)を前に友人たちが訪ねてきた。
実は1月の松の内に訪ねてきてくれるはずだったのだが、メンバーがインフルエンザに罹って取りやめとなり、替わりに旧正月を一緒に祝おうとなったもの。
沖縄で旧正月は「うちなーそーがち(沖縄正月)」と呼ばれる。
私の子供のころは少なくとも沖縄本島の農村部(他島のことや都市部のことはよく知らないが)では、新正月はただ学校が休みというだけで、正月らしい華やいだ感じはまるでなかった。
それに比べて旧正月は農村部の一大労働イベントであるサトウキビの刈り取りも終わり(ヤマト風に言うと「稲刈りも終わり」という感じですね)、お金も入り、各家庭ではクワッチー(ご馳走)が作られ、新年を寿ぐ雰囲気に満ち満ちていた。
明治琉球処分で琉球国が日本に併合されて100年経っても、なお中国の暦(正朔)を奉ずる風が残っていたのですねえ。季節感からしても私は今でも旧正月の方がしっくりくる。新正月のころは寒さのピークもこれからだし、夜明けも暗すぎるし「新春」というにはまだほど遠いよなあ。
中国でいえば「春節」、韓国では「ソルラル」、ベトナムでは「テト」…東アジアでは圧倒的に旧正月が主流なんだから、うちも来年から旧正にしようかなあ。

前置きはさておき、まずは古酒「瑞泉」の三升甕を開くことから始めたい。


昨年末、那覇のヒサオ叔父から送られてきたもの。
秋に穫れた新米やわが舎の加工食品などをお歳暮代わりに送ったら、数倍返しの贈り物が届いた。まるで「朝貢貿易」だねえ。
話はそれるが、甕入りの古酒をいついつまでも飲み続ける「仕次ぎ」という方法がある。
三升入りの甕なら3合、一斗入りなら一升、つまり甕の中の酒を1割汲み出して、例えば正月に飲む。減った分は酒屋で売っている瓶入りの比較的若い古酒で補い、翌年の正月にも同じようにする。これ年々代々続けていくと、いつまでもお正月に年代物の甕入り古酒を飲み続けることができる。ばかりか、逆にどんどん熟成され美味くなっていくらしい。
ヒサオ叔父さん、仕次ぎ酒もよろしく…(いや、冗談です)。

てなことはさておき、カンパ~イ!


さあそれではお待ちかね、舎長の「おせち」をいただこうかいな。
今年はチャイニーズニューイヤー風のアレンジ。


イノシシ肉まん。


シイタケの鹿肉詰め。


生春巻き。


鹿肉のロースト。


このほか、イノシシ角煮、黒米ちまき(イノシシ入り)、ぼたん鍋などなど、題して「春節、ジビエまつり」。

余談ですが、バレンタインのチョコレートいただきました。


私からもお誕生日のお祝いに檜のカッティングボード。
それにしてもおっさん、目が変態やぞ。


おなかがいっぱいになったので書き初めしたり、昼寝したり…
熟睡してたら夕方、起こされた。「いまから経営会議を開くのでボードに着席を」とのこと。

実は詳しいことは言えないが、去年、わが舎は「とりこと舎存亡の危機」とも言えるような難問にぶち当たった。
その時以来、この人たちも含めさまざまな友人・知人・お客さんたちが一歩踏み込んで助けてくれるようになった。

とりこと舎のKPI(キー・パフォーマンス・インディケーター)を真剣に分析する二人。


酒瓶抱えながらサーフーフー(ほろ酔い)のままショボショボした目で次世代とりこと舎の戦略的展開について語り合う二人。サーフーフーというよりイーフリムン(酔っ払ったバカ)のような気もするが…


で、何が決まったかというと、こういうことです。


詳しくは企業秘密。
向かって右下の「スーチカ」という舎長の書。この言葉を聞いたとき私は豚肉の塩漬けのことかと思いましたよ。スー(塩)チカー(漬けたもの)ね。ウチナーンチュの98%は頭の中に塩豚の画像が浮かぶはずだ。
「?」と思って聞くと「数値化」だってさ。
ソフトバンクの孫社長が事業を成功させるためのキーワードとして言うてるらしい。数か月ぶりに大阪に出た舎長が本屋の店頭で目にした言葉で、「数値化することでソフトバンクの売上が5倍になった」とかいうコピーに舎長は鷲づかまれたのだそうだ。
「考える前に数えろ!」「議論する前に数えろ!」そして新世代と出会い、新規巻直して、¥をたくさん稼ぎ、新世界へ旅立つぞ~!
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冬の仕事(2)みそ造り

2018年02月12日 | たべごと
家庭での発酵食品作りは雑菌の少ない冬場の仕事だ。
その冬仕事の東の大関といったら、みそ造りだろう。西の大関は納豆作りかどぶろくか、それともかき餅か…。

さて、私は自家製のみそが大好きだ。市販のみそに比べて断然うまい。他の発酵食品はプロにはかなわないと思うが、みそだけはなぜ自家製がうまいのか。造り方も工夫や裏技の入れようがないほどシンプルで、豆の量も糀の量もレシピどおりだけれども、誰が造っても「手前みそ」はなぜかうまい。

ただ、自家製みそはうまいのだが、(正直言うと)私はみそ造りがあまり好きではない。
この時期、舎長が味噌仕込みの段取り(豆は何キロにしようか、いつ糀屋に予約をいれようか、など)を始めると、少しだけブルーな気持ちになる。煮豆をつぶす作業の辛気くささ鬱陶しさが、ああ今年も繰り返されるんだ…。
家庭用餅つき器などの機械力でつぶす手もあるのだが、均質につぶれすぎて、できあがったみそがなんだか平板でつまらない味になるような気がする。気のせいかもしれないが、味噌汁の中に大豆の半欠けとか丸ごととか残っている方が美味しい気がする(ひょっとするとここのところが自家製みそと工場で造ったみその味に決定的な違いを生むところなのかもしれない、といまふと思った。なんの根拠もないですが)。
毎年、煮豆をつぶしながら舎長に話して聞かせる教訓話がある。
「弁慶と牛若丸になあ『このご飯粒をつぶして糊を作れ」って言うたらなあ、弁慶は『こんなもの握りメシにしてまとめてつぶしてみせる』とつぶそうとしたんや。でも牛若丸は一粒ひとつぶ指先でつぶしていったんや。で結局どっちが早かったと思う? 牛若丸の方が早かったんや」
ボソボソとこんな話をしながら、二人で地味~にみそ造りをしていたのだが…

おお、今年のみそ造りはなんか違うじゃないですかっ!
この手数…牛若丸が4人になった。


じつは、あの、かのちゃん(赤い蛇を捕らえ息弾ませて走ってきた女の子「こちら」)一家がみそ造りに参戦してくれたのです。
つぶした豆と糀と塩「海の精」を混ぜ、


みそ団子を作って、


甕に詰めていく。


みんなでやると早いし、気が紛れるし、道具を洗ったりする片付けも作業を横目で見ながらできるし、1時間半で完了。人に手伝ってもらうっていいなあ。
かのちゃん一家には小さなみそ甕を持って帰ってもらいました。ひと夏越せば食べられますよ。そして夏を越すたびに深い味になりますよ。

お帰りの前に記念撮影。
背後の習字は昨夜書いてもらった書き初め。今年のわが舎のとんどは旧正月(沖縄正月、チャイニーズニューイヤー)にあわせてすることにしたので、いまもお客さんに書き初めをしてもらっている。「とかげをかう」はかのちゃんの書。は虫類大好きなかのちゃんが今年、とかげを飼うことを許されたんだそう。もう名前も決めていて「鬼奴」。かのちゃんが手にしている鹿の角は、かのちゃんへのご褒美。とかげの止まり木にするそうです。


ハルサーも田んぼや畑の外仕事だけでなく、季節や天候によっていろんな仕事がある。
手伝ってもらえると、私たちも楽になるし仕事が前に進む。
ありがとうね。
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冬の仕事(1)ジャム作り

2018年02月11日 | たべごと
夜、舎長が厨房でジャムを煮ている。
ジャムは一年中、作る。春から初夏にかけてはイチゴ、夏に入るとブルーベリー、秋が深まり始めるとリンゴ、冬が近づくとユズ、そして年が明けていわゆる「雑柑」(ポンカンとかタンカンとか伊予柑とか清美オレンジとかネーブルとかいうやつね)が出回り始めると柑橘類のジャム(ママレード)を作る。凍える寒さのこの時期に作る柑橘類のジャムが一番手間がかかる、と舎長は言う。

今年の寒さはハンパじゃない。ヤギの水もニワトリの水もカチンカチンに凍るような冷たい朝が続く。
節分冬半ば…というが、立春を過ぎてもマイナス8度とか6度とかが1週間も続くと気持ちが折れそうになる。

そんなころ、夜の厨房で一人、舎長はジャム作りにかかる。
いま作っているのはネーブルのママレード。
モノトーンの真冬の厨房の中で舎長の心を温めるのはオレンジ色。「まるでお日さまの卵のよう」と舎長は言う。そして皮をむくとき、果汁を搾るとき、厨房の中にあふれる香りが真冬のマーマレード作りの醍醐味だと言う。

ネーブルの皮をむき果汁を搾る。


むいた皮にももうひと手間かかる。オレンジ色をした表皮と、その内側のフワフワした渋皮の間に包丁を入れ、


渋皮を取り、


鍋に入れ、


水で煮る。煮汁のなかには渋皮から出たたくさんのペクチンが含まれる。


表皮は包丁で細かく刻んで一晩水にさらす。


翌朝、刻んだ表皮と、渋皮の煮汁と、砂糖(粗糖)を鍋に入れて煮る。


やがてペクチンと砂糖と柑橘の酸が反応してゼリー状のジャムになる。

ジャムを煮ながら、横で瓶を煮沸する。


煮沸した瓶が温かいうちに、鍋のなかの温かいジャムを瓶に入れ、蓋をし、蒸し器に入れて脱気してできあがり。


お日さまの結晶だ。
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クリチチ石鹸よい石鹸♪

2018年01月22日 | 山里から
去年の秋、お泊まりのお客さんから「お風呂に置いてあるあの石鹸がほしい」と言われた。舎長がヒマなときに牛乳パックを型枠にして作った手作り石鹸だ。当然、売るほどは作っていない。
その後も、肌の敏感なお客さんらから「とてもいい」「売ってほしい」など、ほめていただいたので、「もう少し作ってみようか」「いけるかもよ」と舎長と相談。若干の設備投資(型枠や石鹸カッター購入)をして、去年の秋、16個のクリチチ石鹸を作った(1個750円+税)。が、年明けには在庫ゼロに。

手作りとはいえ、舎長の友だちの石鹸作りのプロ(アキちゃん)に助言してもらいながら長年作り続けてきたもの。アキちゃんは石鹸作り20年以上のキャリアで、2013年からはオーストラリアに移り住み「まにまっく石鹸AU」のブランドで日本とオーストラリアに根強いファンを持っている。
わが舎の石鹸が「買いたい」と思ってもらえるほどの品質になったとしたら、大部分はアキちゃんのおかげだ。

さて、年が明けて、舎長は石鹸作りに本腰を入れ始めた。といっても1回に作れる量は16個なんですけどね(笑)。1月9日と16日に計32個作った。ヒマがあればまだまだ作る。勢いだけはあるぞ。

当舎オリジナルの材料はクリ(ヤギ)の乳。私の手搾りです。


そしてわが舎の無農薬・天日干し米の米ぬか。


まず、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム NaOH)に精製水とヤギの乳を混ぜ合わせる。


さらに、米油、パームオイル、米ぬか、エッセンシャルオイルなどを混ぜ合わせ、生地を作る。
しっかり混ぜて、泡立て器の先から垂れた液で生地の表面に「の」の字が描けるようになればOK。


これを型に流し込む。


このアクリル製の型は新たに購入したもの。牛乳パックに比べて表面がツルツルときれいになるし、手際よく枠から外すことができる。

このまま2~3日寝かせると固まるのだが、気温が低すぎるとうまく固まらないので、厳冬期は段ボール箱の中にホットカーペットを敷き、保冷箱を入れ、その中に石鹸を安置(どうかうまく固まりますように…)。


さらに毛布を掛ける。ちょっと過保護かな?


3日目、羊羹くらいの硬さになったので、カットする。
糸鋸みたいなのは新たに購入したワイヤーのカッター。石鹸を置く台(ジグ)は、古い鰹節削り器を利用して作った。


さあこれで完成! ではない。これからさらに一月半ほどこの状態で室内に置いて熟成させ、苛性ソーダと油脂を完全になじませる。熟成が足りないと多少ピリピリすることになる。


一月半寝かして、包装して、クリの顔写真を貼ってできあがり。


このラッピング、なんかモッサイ…。でも肌には優しいのよ。
当舎にお泊まりの際はぜひ、ヤギ乳風呂(ゴートミルクバス)に入り、クリチチ石鹸をお試しあれ。
肌しっとり、体の芯からポカポカ、です。
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