『ダ・ヴィンチ・コード』、映画館で観ました。
閉館後のルーヴル美術館。ダ・ヴィンチの素描<ウィトルウィウス的人体図>を
模して横たわる館長の死体。死体の周りに残された不可解な暗号。その中には、
ハーバード大学教授ラングドンの名前が…。一転、容疑者となったラングドンは、
館長の孫娘で暗号解読官のソフィーとともに謎を解き始める‥‥。
オイラみたいな“無神論者”のふととぎ者(?)が観るならともかく、きっと
敬虔なるクリスチャンが観たら激怒する(笑)。キリスト教について、あること
無いこと(いや、ほとんど無いことだらけだと思われるが(笑))、さも本当に
バチカンの陰謀があったのごとく、“手の込んだ歴史ミステリー”として成立
させてしまうあたり、いやはやお見事!!、勿論、これは冷やかしとかじゃなくて、
全くよく研究し、非常によく出来た“ノンフィクションの傑作”だと思うんだ。
でも、どうなんだろう…。この超一級の原作をもってしても、「映画」として
みるには、せいぜい“並”から“並上”程度が関の山(笑)。“大満足”というには
スッキリしない。映画は、ダ・ヴィンチ・コードの謎を解くカギが、パズル、
暗号、文字列の並び替えへと形を変える中、観る側に考える時間と取りつく島も
与えぬまま、次へ次へと駆け足で過ぎていってしまう。思うに、この原作小説って
夜な夜なちびりちびりと読んでいってこそ味わいが出てくるわけで、“映画の
中の2時間”に無理矢理まとめ上げるには不向きな内容ではあるまいか。
加えて、観ながらどうにも気になってしまったのは、警察のずさんな捜査と
マヌケぶり(笑)。例えば、映画序盤、その日の数時間前に殺人事件があったのに、
容疑者がいなくなったからといって、殺人現場が空(から)になり、主人公達が
“のん気に謎解き”をしてるなんてことがあるんだろうか(笑)。他にも、
良い具合に銃の弾丸が輸送車のドアに挟まったり、警官が取り囲む中で自家用
ジェットからの脱出劇には、ご都合主義らしき描写がいっぱい。自分のイメージを
膨らませて読む小説とは違って、改めて、大ベストセラーを期待通りに映像化
する事の難しさについて考えさせられる。それにしても、公開初日の映画館前は、
黒山の人だかり。おまけにチケット売り場には「本日分のチケット売り切れ」の
文字が‥‥。オイラは何とか裏ワザ(?)を使って館内に潜入したのだけど、
うーん、この映画の正しい観方としては、細かいツジツマ合わせを気にする
よりも、ほとんど妄想にも近い(?)大ボラ話の“発想力”に感心すべし(笑)。
くれぐれも過度の期待をもって観ない方が良いと思うが‥‥。
コメント、どうもです。
> 個人的に、ポール・ベタニーがよかった!
うん、この映画がイマイチだった人でも、
ポール・ベタニーは良かった、って人は多いですよね。
個人的には、特に『ウィンブルドン』の凡人ぶり?が好きです。
> キリスト教に縁遠い日本人ではなかなか理解しがたいですよね。
確かに‥、そうかもしれないね。
ただ、一方で無神論者のオイラだから面白おかしく
冷静に観れた訳で、
敬虔なクリスチャンが観たら、
“神への冒涜”と感じるのかも。
世界中の信者からクレームが噴出してるのも頷けます(笑)。