
約束の時間に鉄人はやってきた。
ガッチャンゴロゴロ、ガッチャンゴロゴロ、歩く音がして、玄関のピンポンが鳴った。
妻が玄関を開けると、鉄人が立っていた。
ようこそ、「料理の鉄人」!
数週間前、ネットで料理の鉄人をオーダーした。料理の鉄人が自宅まで出張して、極上の御馳走をしてくれるのだ。旬の特選素材を使って、料理の鉄人がよりをかけて料理して、できたてホヤホヤを我が家でいただく。
こんな贅沢があっていいだろうか?金額が時価というのが不安ではあったが、私は妻と子供たちのために奮発した。
「さあ、早速料理をお願いしますよ、鉄人!」
私が声をかけると、鉄人が両腕を上げてファイティングポーズ!ガオー!全身から光を発した。
子供たちは大はしゃぎだ。
・・・鉄人。それはシェフではない。鉄人28号そっくりのロボット。ただし、人間と同じ大きさ。買い物袋を提げ、胸元がハート形のメイド風ピンクエプロンを身につけていたが。
鉄人がガッチャンゴロゴロ、我が家のキッチンに移動。早速、買い物袋から食材を取り出して料理を始めた。
鉄人28号が料理を?僕たち家族はキッチンで料理の様子を見守った。
トントントントン、ザクッザクッ・・・シャッシャッシャッ・・・ザッ・・・ジュワッ・・・ジャ〜・・・ササッ
す、すごい!何という包丁さばき!手際のよさ!キッチンは食欲をそそる香りに満たされた。
すごいぞ、鉄人!僕たち家族は惜しみない拍手をした。
食卓に御馳走が並ぶはしから、僕たちは口に運んだ。うまい。感動のうまさだった。
1時間後、妻と子どもはデザートを、私はコーヒーを味わい、最高の晩餐が終わった。
ジジジジジ・・・鉄人の口から紙が印字されて出てきた。それをちぎって私に渡した。請求書だ。
「お、おい。いくらなんでもこの値段はどうだ?食材実費3万円、料理ロボット使用料2万円・・・ここまでは許そう。だが、技術料5万円って何だ?ロボットのくせに!」
ジジジジジ・・・再び、鉄人の口から紙が出てきた。
「窓ノ外ヲ見ロ」
何だ?私は窓を開けた。
外には、箱型リモコンから突き出した2本の操縦レバーを握りしめた、鉄人シェフ堺六三郎が立っていた。
「鉄人28号はリモコンひとつで正義の見方にも悪魔の手先にもなるんだよ。鉄人シェフが操縦しているから美味しい料理が作れるんだ。私の操縦費、払ってくださいね」














ボクなりの「矢菱カテゴリー」で分けると
「通販ネタ」ということになるんでしょうか?
鉄人28号が料理を作るという時点で、
なんとなく「もしや?」という期待がありましたが、
ストレートなオチで安心しました。
ただ、そんな安心感の中にもググっとくるトコが
>「窓ノ外ヲ見ロ」
このセリフですね。
鉄人28号にこのセリフを言わせてしまうところが笑えました。
うん、ストレートだ。
僕は最初、外でリモコンを操作しているのもまた鉄人というオチにしようと思っていたんです。
それ以上、説明しないオチ。
その鉄人をさらに鉄人が操縦して、それをさらに・・・なのか?みたいなオチ。
でも、一番ストレートなオチにしました〜
だって、鉄人28号の鉄人28号たるところはやはり人間次第というとこですもの〜
それで、「リモコンひとつ〜」の件で思わず笑っちゃいました(笑
いやぁ、鉄人×鉄人だと何なんでしょう?
鉄腕、ぐらいには・・・あ、いえなんでもございません
結局、僕の頭の中には昭和30年代〜50年代の、脳味噌がスポンジみたいにどんどん吸収していた時代がベースにあるみたいです。
僕は今日、ビデオレンタルのゲオに夕方寄ったんですけど、洋画コーナーが小さくなって、アニメや特撮の子どもコーナーが大きくなっていてビックリしました。
何だか僕まで隅っこに追いやられたみたいで、寂しい気持ちになりました。