チョコレE.T.

2012年10月15日 | ショートショート



真夜中、皓々と降り注ぐ月明かりのもと、エリオット少年の長い影が畑に伸びています。
さっき聞こえた、不審な物音はなんだったのでしょう?
月が雲間に隠れふいに暗くなると、エリオットは身震いして歩みを止めました。
おや?何やら芳しい香りが。
香りに誘われるままに、歩み出した途端、
ブニュ・・・
何やら柔らかいものを踏みつけてしまいました。
これはいったい?
エリオットは畑に膝をついたとき、再び月明かりが注ぎました。
チョコレートだ!
指先でツンと突くと、それは柔らかく温かでした。
そして口の中へ。
「甘い!こんなに美味しいチョコレート、ボク、初めてだ!」
一口食べると二口、二口食べると三口。やめられない、止まらない。
エリオット少年は無心にむさぼりました。
そのとき。トウモロコシ畑、その葉陰から少年の様子をうかがっている影。
な、なんと異星人です!
E.T.です!
困惑した表情で、見守り続けておりました。

翌日の夜中、エリオット少年はもう一度あのチョコが食べたくて辛抱たまりません。
ハイエナのように畑を嗅ぎ回ってチョコを探し求めます。
ウッ
急に便意をもよおして、畑の隅でプリプリプリッ
あ〜スッキリ。ネコの砂かけのように処理しようとした、そのときです!!
ものすごいスピードで駆け寄る影あり。
いきなりうずくまるや、エリオット少年のブツをむさぼるじゃありませんか。
「き、君はもしかしてE.T.?」
食べ終わった宇宙人は、自らの肛門に細長い指を入れ、ゆっくりと少年にかざしました。
指先には、あのチョコレートが!
そうか、そうだったんだね!
エリオット少年もまた、自らの肛門へ指を。
キラリ〜ン!
そして互いの指先と指先がふれあいました。

ああ、全宇宙の中で巡り逢うべくして巡り逢った、地球人とE.T.。
もう未来永劫、彼らに食料を心配する必要などないのです。
食料を積まなくても永遠に宇宙を旅することができるのです。
なんてすばらしい出会いでしょう。なんとステキな友好関係!てか、もはやウンコー関係!
そしてスピルバーグさん、ゴメンナサイ。



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小説
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6 コメント

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ほめ言葉として、おバカさんと言っておきましょう。 (海野久実)
2012-10-15 17:06:35
食べ物だけではなく水分も必要ですね。
やっぱりお互いのあれをなにして…
見た目はジンジャーエールかなー
(想像中) (もぐら)
2012-10-15 18:04:40
いやぁーーーーーっ!
傑作 (雫石鉄也)
2012-10-15 21:14:03
これは傑作です。筒井康隆の短編を思い出しました。
大甘のスピルバーグ版より、こっちの方が真実のETとの友情を描いてますね。
海野久実さんへ (矢菱虎犇)
2012-10-16 04:18:52
子どもってウンコとかの話、大好きですよね〜。
そういう意味では童心にかえったお話と言える・・・かな?
もぐらさんへ (矢菱虎犇)
2012-10-16 04:22:44
頭の中で映像化しちゃいましたね。
もぐらさんは、もう『E.T.』の指シーン見てもミケランジェロのシスティナ礼拝堂の絵を見ても、チョコレE.T.の世界。
ツン、ツン。
雫石鉄也さんへ (矢菱虎犇)
2012-10-16 04:25:26
読書をあまりしないボクですけど、今目の前には図書館で借りた『日本以外全部沈没〜パニック短編集』の文庫本が。
お〜なんたる偶然!というか、感化されてたりして。

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