
監督サム・メンデス
ケヴィン・スペイシー(Lester Burnham)
アネット・ベニング(Carolyn Burnham)
ソーラ・バーチ(Jane Burnham)
ウェス・ベントレー(Ricky Fitts)
ミーナ・スヴァーリ(Angela Hayes)
郊外の新興住宅地に住む広告マンのレスターは不動産ブローカーの妻キャロリンと高校生の娘ジェーンの3人暮らし。見栄っ張りな妻と反抗期にある娘とは話もできず、死んだような毎日を送るレスターにある日変化が。会社からリストラ宣告を受け、さらにチアガールであるジェーンの友人の美少女アンジェラに恋をしたのだ。そんな折り、隣家に元海兵大佐のフィッツ一家が越してきた。
★★★★☆
観たいと思いつつ、ほったらかしていた映画の一本。現代のアメリカのごく普通の家庭や、それをとりまく環境を、ちょっと極端に描いてみたら、ほ〜らこんなにブラックでしょう?という毒のある雰囲気が、なんともコーエン監督っぽくて面白かった。父親ケヴィン・スペイシーが娘の同級生に恋心を抱いたのをきっかけに、エロい妄想を抱いたり肉体改造をしたり、さらに抑圧していた自分を思いきり解放していく。妻アネット・ベニングもまた不動産の仕事がうまくいかず不倫に走って欲望を満足させる。ティーンの娘もまた、両親に不満を抱き、特に父親に憎しみさえ抱き、隣家の男の子に「父を殺して」とまで口走る。肝心の父親の女神さえ、美しさを武器にしている風で、実は壊れそうな自分を武装するために大胆な言葉を吐いているだけなのが露顕するし。登場人物たちの多くが本当の自分を抑圧し殺して「普通」を成り立たせていたのに、自己解放して本当に生き始めた途端に、積み上げられてきた「家庭」が崩壊していく様が実にアイロニカル。そしてラスト、その主要人物たちすべてにケヴィン・スペイシーを殺してもおかしくない状況の中、彼の後ろに誰のかわからない銃口が向けられる。少なくとも彼自身は誰が頭を撃ち抜いたのか、わからないままに絶命するわけで。やっぱりこの映画は、映画史に残る作品だ。時代と社会を見事に活写した映画だという点もそうだし、アメリカ映画史の中で、時代を切り取って見せたひとつの技法としても。













皮肉たっぷりな映画でしたね。
ケビン・スペイシーのアクの強さがハマっていたように思います。