映画『顔』

2012年01月03日 | 映画の感想

 

藤山直美 (吉村正子)
佐藤浩市 (池田彰)
豊川悦司 (中上洋行)
大楠道代 (中上律子)
國村隼 (狩山健太)
牧瀬里穂 (吉村由香里)
渡辺美佐子 (吉村常子)
十八代目中村勘三郎 (山本俊郎)
岸部一徳 (花田英一)
内田春菊 (喫茶店の女)
早乙女愛 (狩山咲子)

逃亡生活の中で、生きる意欲を見つけ出していく中年女性の姿を描く人間喜劇。監督は「愚か者 傷だらけの天使」の阪本順治。宇野イサムによる原案を基に、阪本監督と宇野自身が共同で脚本を執筆。撮影を「ポルノスター」の笠松則通が担当している。主演は、「櫂」の藤山直美。2000年度本誌日本映画ベストテン第1位。2000年7月8日大分・別府松竹ブルーバードにて先行上映。

1995年1月。幼い頃から家に引きこもっている正子は、母親が営むクリーニング店の二階で洋服のかけはぎの仕事をしながらひっそりと暮らしていた。ところが、そんな彼女の生活が母親の急死で一変する。通夜の晩、正子は仲の悪かった妹・由香里をはずみで殺害。香典袋を手に、35年間閉じこもっていた家を飛び出した。突然の大地震も手伝って逃亡に成功した正子は、離れて暮らす父親の行方を探してやって来た大阪を経て、やがて別府へ流れ着く。そこで、親切な中年女性・律子に拾われた彼女は、律子の店でホステスとして働くことになるが、その仕事はそれまで内向的だった彼女の内面を変えていった・・・

★★★★★

これは拾いモノ!見る人によっては、地味なサスペンス劇場ドラマ以下かもしれないけれど。15年間の逃亡生活の末、時効寸前に逮捕された『松山ホステス殺人事件』の犯人女性を下敷きにして逃避行を描いた映画といえば近いかもしれない。まず主演の藤山直美がいい。ボクの世代だと藤山寛美の面影がチラつくし、コミカルなドラマのイメージがつきまとうけれど、存在感が半端じゃない。妻夫木聡が鬱屈したモテない『悪人』を演じた映画があったけれど、髪を染めて屈折した目の演技は評価できても、やっぱりイケメンはイケメンだった。藤山直美はその逆。自宅二階でひっそりと人を避けて生活する、不気味なくらいの、ひきこもり処女オバハンが、妹を殺して逃避行を続けながら「生き」始める。昆虫や爬虫類が脱皮を繰り返して成長するように、整形するわけでもなく、ガニ股歩きのオバハンなのに、どんどん顔が輝いて、魅力が増していくのを演技と演出でやってのける。新しい経験の場所に降り立ったときの目をやられる光、「熱い!体が熱い!」という呻き。行き当たりばったりに訪れる事態に翻弄されつつ、経験を繰り返すたびに脱皮していく「顔」!そしてラストの、そう来たか、と吹いてしまう面白さ。2000年頃、映画賞を総嘗めにした映画らしい。知らなくて損していた。そしてそして、この映画にも、なんと佐藤浩市が!!(笑)

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