人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「作曲家・加藤昌則クラシック入門講座~第1回『室内楽』」を聞く / 新国立劇場研修所公演,ガッツァニーガ「ドン・ジョバンニ」のチケットを取る / 天声人語「蜜蜂と遠雷」を取り上げる

2017年05月27日 07時50分48秒 | 日記

27日(土).昨日の朝日朝刊「天声人語」は,直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸の小説「蜜蜂と遠雷」を取り上げていました 超訳すると

「小説の舞台は架空の地方都市,芳ケ江市で開かれる国際ピアノコンクール それに挑む若手ピアニストたちの成長を描いている モデルになったのは『浜松国際ピアノコンクール』で,主人公のひとりで彗星のごとく登場した16歳の少年のモデルは,14年前に浜松を沸かせた無名のポーランド人ラファウ・ブレハッチだった 書類審査で落とされながら,予選から勝ち進んで最高位に輝いた 同コンクールが『アジア最高水準』という評価が定まったのは審査委員長に就いた中村紘子さんの尽力が大きい 国際コンクールは次々に生まれる.出場者や審査員が自国に偏っていたり,特色を打ち出せなかったりすると長くは続かない 演奏者間はもちろん,大会相互の競争も熾烈であると知る 浜松国際(3年に1度開催)は来年11月に第10回の節目を迎える.ショパン,チャイコフスキーなど世界最高峰の舞台と肩を並べる日が来ないものか

私はまだ「蜜蜂と遠雷」を読んでいませんが,是非とも読みたい作品です 早く文庫化しないものか,と大きな期待を寄せています

ということで,わが家に来てから今日で969日目を迎え,トランプ米政権との関係をめぐる「ロシア疑惑」で,複数の米メディアは25日,トランプ氏の長女の夫 ジャレット・クシュナー大統領上級顧問が,米連邦捜査局(FBI)による捜査線上に浮上していると伝えた というニュースを報道で見て感想を述べるモコタロです

 

       

          大統領上級顧問は 疑惑を受けない顧問センスが必要だと思うんだけど 

 

                       

 

昨日,夕食に「豚肉のスペアリブ」「生野菜サラダ」「ホウレン草のお浸し」「冷奴」を作りました  「豚肉~」は分厚いので中まで火が通るのに時間がかかりました 「冷奴」にはメカブと削り節が載せてあります

 

       

 

                       

 

昨日,新国立劇場オペラ研修所公演:G.ガッツァニーガ作曲「ドン・ジョバンニ」のチケットを会員先行販売で取りました 新国立劇場小ホールで6月30日(金),7月1日(土),同2日(日)の3回上演されますが,コンサートの予定の入っていない1日午後2時開演の部を選びました G.ガッツァニーガ(1743-1818)はモーツアルト(1756-1791)とほぼ同じ時代に生きたイタリアの作曲家です ストーリーはまさにモーツアルトの「ドン・ジョバンニ」と同じらしいのですが,今から楽しみです

 

       

 

       

 

                       

 

25日(木)の午前11時から「東京藝大モーニング・コンサート」を,午後7時から「作曲家・加藤昌則クラシック入門講座~クラシックのとびら第1回『室内楽』」を聴きましたが,今日は文京シビック小ホールで開かれた「クラシックのとびら」について書きます

 

       

 

文京シビックホールでは「響きの森クラシックシリーズ」で何度か東京フィルの演奏を聴きましたが,小ホールは初めてです 2階の奧にありますが,階段状の講演会場と言った感じのホールです.開演時間の午後7時にはクラシック愛好家やその予備軍が80~90人位 集まりました 自由席なのでセンターブロック19列目の右通路側に座りました

レジュメらしきペーパーが配られましたが,書かれていたのは,

開門!クラシックのとびら

第1回室内楽 ~ 難しそう!?実は究極の音楽空間 ~

〇室内楽は「聴かせるため」ではなく,「弾いて楽しむため」にある!?

〇室内楽は一期一会!

〇弦楽四重奏は作曲家の真価が試される!

の5行だけです お話はスクリーンにDVDの映像を映し出してそれを解説する形で進められました

加藤氏は最初に「室内楽」について,「通常2人以上で演奏する楽曲を指し,普通 指揮者はいない.もともと少人数のサロン的な場所で演奏された曲だが,明確な定義はない」と解説,「室内楽の一形態としての弦楽四重奏曲が音楽史上 一番最初に書かれたのはスカルラッティの『2つのヴァイオリンとヴィオラとチェロのためのソナタ』だと言われている」と説明しました

その後,クラウディオ・アバドが組織した「オーケストラ・モーツアルト」によるJ.S.バッハ「ブランデンブルク協奏曲第6番」から第1楽章の演奏をDVDで上映,この曲の特徴としてヴァイオリンがなくヴィオラが中心となって演奏されることを説明したうえで,「指揮者がいないため演奏者はお互いに目と目で合図をしながら間合いを取って演奏している これは全員が曲全体を把握しているので可能になる.全員が楽し気に演奏しているところも室内楽演奏のポイントである」と説明しました

次に,ザビネ・マイヤーのクラリネット独奏,ハーゲン弦楽四重奏団による演奏でモーツアルト「クラリネット五重奏曲」第1楽章の演奏をDVDで上映し,「クラリネットはモーツアルトの時代に出現した楽器である モーツアルトの生まれたザルツブルクにはなかったが,ウィーンに行くとあった.早速モーツアルトは交響曲第31番を作曲し,その中でクラリネットを使った 彼はクラリネットの名手シュタードラーと出会い,彼のためにこの五重奏曲などを作曲した ところで,この曲の出だしは単純な旋律である(と言ってピアノで和音を演奏する).高音部の2音と低音部の2音とで和音を作っているが,お互いに歩み寄るように音が近づいていく.これは天才でしか出来ない」と説明しました

そして会場から「ピアノに触ってみたい人」を募り,申し出た高齢男性にピアノの高音部のドの音を弾かせ,加藤氏がそれにメロディーを載せて連弾する実験をやりました この実験により,二人の音楽作りの間合いの取り方の大切さが把握できました

次に,シューベルトの「アルペジオ―ネ・ソナタ」の第1楽章冒頭を,最初にロストロポーヴィチのチェロ,ベンジャミン・ブリテンのピアノによる演奏で紹介し,次に同じロストロのチェロ,アンドラーシュ・シフのピアノによる演奏を紹介し,聴き比べをしました 加藤氏は,会場に向かって「どちらが良いと思うか?」と問いかけましたが,挙手は半々に分かれました 私は面倒なので棄権しました 聴き比べると,ブリテンの演奏は加藤氏の指摘の通り,かなりテンポを変えて思い入れたっぷりに演奏しているのに対し,シフの方はテンポは変えずスッキリと演奏しています 加藤氏は,この聴き比べによって,伴奏者により曲に対する印象が変わることを示しました

次に個性と個性のぶつかり合いの演奏の典型的な例として,ユーディ・メニューインのヴァイオリン,グレン・グールドのピアノによるバッハの「ソナタ第4番」の第1楽章の演奏をDVDで紹介しました これが非常に面白い演奏で,メニューインが直立不動に近い演奏なのに対し,グールドは身体を大きく揺らして自分の世界に浸りきっています 加藤氏は「これ以上見ているとメニューインが気の毒になるばかりなので」と言ってDVDを止めました

次にスタープレイヤーの揃った室内楽アンサンブルの例として,イツァーク・パールマンのヴァイオリン,ジャクリーヌ・デュプレのチェロ,ダニエル・バレンボイムのピアノ,ズービン・メータのコントラバス(!),他1名によるシューベルトの「ピアノ五重奏曲”鱒”」第1楽章の演奏をDVDで紹介しました その後,「ピアノ五重奏曲は弦楽四重奏曲にピアノを追加すればいいが,ピアノ四重奏曲はヴァイオリンが一人抜けなければならないので誰が抜けるかで問題になる.したがって,この形態の曲は極めて少ない この形態で特に素晴らしい曲としてシューマン『ピアノ四重奏曲』がある」として同曲の第4楽章を樫本大進のヴァイオリン他による白熱の演奏をDVDで紹介しました

次に作曲者にとって室内楽はどうなのか,について解説しました 「ベートーヴェンをはじめ,当時はパトロン自身が演奏するために作曲を依頼するのが通常のスタイルだったので,パトロンがヴィオラが得意ならヴィオラのパートを演奏しやすいように作曲していた したがって作品としては演奏しやすい曲想になっている」として,ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第3番(ベートーヴェンが最初に作曲した弦楽四重奏曲)の第1楽章をDVDで紹介しました 次いで,「ベートーヴェンは次第にプロの弦楽四重奏団が演奏し,聴衆に聴かせるための曲を書くようになっていった」として,弦楽四重奏曲第9番(ラズモフスキー第3番)最終楽章をアルバン・ベルク・クァルテットによる演奏のDVDで紹介しました 確かに,素人の演奏家では技術的に無理な曲想です

次いで,晩年に至り音符が少なくなった一方で,少ない音符に多くの世界を入れ込んだ内向的な音楽の例として,同じベートーヴェンの弦楽四重奏曲第16番の第3楽章をDVDで紹介しました 穏やかで天国的な美しさです

最後に,いろいろな室内楽の演奏形態として,シュトックハウゼンの「ヘリコプター・クァルテット」(演奏者は一人一人別々のヘリコプターに乗って楽器を演奏する),リゲティの「ホルン三重奏曲」(この形態はそれまでブラームスしかなかった),ジャン・フランセの「恋人たちの時間(ピアノ,フルート,オーボエ,クラリネット,ホルン,ファゴットの六重奏曲)」(この形態はプーランクの六重奏曲に触発された)をDVDで紹介しました

90分のレクチャーを聞き終わって,加藤氏はいろいろな形の室内楽の演奏をDVDで紹介することによって,一つでも気に入る曲があれば,それをきっかけにクラシック音楽をより身近に感じてもらえれば良いという姿勢なのだな,と思いました

次回の第2回は9月14日(木)午後7時からです.テーマは「ソロ」です 楽しみです

 

       

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