人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

遠藤周作 原作 「沈黙」 と「海と毒薬」 を観る~早稲田松竹 / 今日はモーツアルトの誕生日~内田光子の演奏でピアノ・ソナタを聴こう!

2017年01月27日 08時03分17秒 | 日記

27日(金).わが家に来てから今日で850日目を迎え,ニューヨーク株式市場のダウ工業株平均終値が 史上初めて2万ドルの大台を突破し20068.51ドルとなった というニュースを見て 感想を述べるモコタロです

 

          

                            トランプ政権の政策への期待感は 失望感に転換しないか?

 

  閑話休題  

 

今日はモーツアルトの誕生日です 1756年1月27日生まれなので,今年は生誕261年になります 誕生日を記念して今日はモーツアルトの曲を聴きたいと思います あまりにも聴きたい曲が多すぎて迷うのですが,最終的には内田光子のピアノ独奏によるピアノ・ソナタ集(5枚組)を選びました

 

          

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日,早稲田松竹で映画「沈黙」と「海と毒薬」の2本立てを観ました 「沈黙」は,遠藤周作の同名小説を篠田正浩が1971年に映画化,原作者の遠藤が篠田監督とともに脚色を担当した大作(カラー・130分)です

 

          

 

厳しいキリシタン弾圧が行われていた17世紀の長崎に,2人のポルトガル人宣教師が密かに入国した.20年前に渡来し捕らえられた恩師フェレイラの行方を探すのが目的だった その宣教師とは,キチジローに案内され隠れ切支丹の村にかくまわれたガルベとロドリゴだった.しかし,キチジローは金欲しさにロドリゴを役人に売り渡してしまう ロドリゴは牢の中で 若い夫婦の拷問を見せられ,夫の命を救うため妻が踏み絵をするのを目の当たりにする 一方,ガルベは水刑で命を落とした信者の後を追い,自ら命を絶ってしまう 数日後,ロドリゴの目の前に,侍装束を身にまとった かつての恩師フェレイラが現れる 彼は隠れ切支丹の村人を救うためにはロドリゴが”転ぶ”(踏み絵をする)必要があると説得にやってきたのだった

この映画は,隠れ切支丹の村人たちが役人の拷問にあっても神は救ってくれないという「神の沈黙」をテーマにしていますが,命に引き換えてもキリスト教を捨てない(踏み絵をしない)という強い信仰心はどこからくるのでしょうか   命あっての宗教ではないのか,と無神論者の私は思います 自分の命を守るためにロドリゴを役人に”売った”キチジローを責めることが出来るのか? もし自分が彼の立場に置かれた時,命を捨てても神を信じることが出来るのか? この作品はそういう重い課題をわれわれに突き付けています

ところで,この映画ではテーマ音楽をはじめ武満徹が音楽を書いています テーマ音楽は,美しいメロディーが流れていたかと思うと,途中で不協和音が邪魔するような音楽で,日本への異教の進出を象徴しているかのようです  「沈黙」は作曲家・松村禎三の作曲により新国立劇場で上演されていますが,私は映画よりもオペラの方を先に観ました

マーティン・スコセッシ監督による「沈黙」がロードショー公開されましたが,71年の篠田監督作品と観比べてみるのも興味深いと思います

 

  最後の,閑話休題  

 

「海と毒薬」は,太平洋戦争末期に実際に起こった米軍捕虜に対する生体解剖実験を描いた遠藤周作の同名小説を熊井啓監督が1986年に製作した作品(モノクロ・123分)です

 

          

 

日本の敗戦が濃厚になった昭和20年5月,九州のF市にも毎晩のように米軍機による空襲が繰り返されていた 医学部の研究生,勝呂(奥田瑛二)と戸田(渡辺謙)の二人は物資も薬品も揃わない状況下で,教授陣の出世争いに巻き込まれながら 半ば投げやりな毎日を送っていた   そんなある日,二人は教授たちの元に呼び出された.それは,B29の捕虜8名を使った生体解剖実験を手伝えというものだった  二人は実験に立ち会うことになるが,戸田が「日本の医学のために役立つ」と割り切っているのに対し,勝呂は「これは殺人ではないか」と吹っ切れない状態のまま立ち会うことになる 実験が終わると捕虜は死亡した.彼らは実験と称して殺人を犯したのだった

生体解剖実験は,人間が生きたままの状態で,両肺をどの程度摘出したら死亡するかといったことを試すもので,いわば死ぬのが最初から分かっている「人体実験」です 「人間の良心」とか「人間の尊厳」を考えさせられる映画です

この映画では,病院の大部屋を勝呂が訪ねるシーンで,ベートーヴェンの交響曲第6番”田園”の第1楽章が流れていました 第2次世界大戦中に”敵国音楽”が・・・と一瞬考えましたが,当時は日本とドイツは同盟関係にあったから問題ないのか,と思い直しました 全体の音楽は松村禎三が担当しています

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