人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

METライブビューイング:ベッリーニ「ノルマ」を観る~ラドヴァノフスキーのノルマ,ディドナートのアダルジーザ,カレーヤのポッリオーネにブラボー! / 二期会「ノルマ」のチケットを取る

2017年11月22日 08時07分23秒 | 日記

22日(水).わが家に来てから今日で1148日目を迎え,トランプ米大統領が20日,北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定すると発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                    ミサイル実験を繰り返す北朝鮮はテロ支援国家よりテロ国家と呼んだ方がよくね?

 

                                           

 

昨日,夕食に「ハッシュドビーフ」と「生野菜サラダ」を作りました 8人前作りましたが,一晩で無くなりました めっきり寒くなりました.シチューとかカレーとか,ハッシュドビーフとか,温かい料理が食べたい季節です

 

     

 

                                           

 

昨日,新宿ピカデリーで「METライブビューイング2017-2018」第1作:ベッリーニ「ノルマ」を観ました これは今年10月7日にニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です 出演は,ノルマ=ソンドラ・ラドヴァノフスキー(ソプラノ),アダルジーザ=ジョイス・ディドナート(メゾソプラノ),ポッリオーネ=ジョセフ・カレーヤ(テノール),オロヴェーゾ=マシュー・ローズ(バス)ほか,管弦楽・合唱=メトロポリタン歌劇場管弦楽団・同合唱団,指揮=カルロ・リッツィ,演出=デイヴィッド・マクヴィカーです

 

     

 

舞台は紀元前のローマ帝国の支配下にあるガリア地方(現在のフランス).ドルイド教徒たちはローマと戦うことを願っており,ドルイド教徒の長であるオロヴェーゾの娘・巫女ノルマが神託を告げるのを待ちわびている しかしノルマは,密かにローマの将軍ポッリオーネとの間に2人の子どもをもうけており,彼の心が離れてたことを悩んでいる ポッリオーネは,若い巫女のアダルジーザに心を移していた.ポッリオーネから共にローマに行こうと誘われたアダルジーザは悩み,ノルマに相談にやってくる.しかし,巫女が恋愛をすることは禁じられている.相手がポッリオーネとは知らないノルマはアダルジーザを励ますが,そこにポッリオーネが登場する アダルジーザは二人の関係を知って苦しみ,ノルマは激怒する(以上第1幕)

ノルマは2人の息子を殺して自害しようとするが,どうしても出来ない アダルジーザがやってきて,自分は身を引き,ノルマとよりを戻すようポッリオーネを説得すると語る しかし,ポッリオーネがそれを拒否したと知り,ノルマは怒りのあまり聖なるドラを3回打ち鳴らして人々を集め,ローマに宣戦布告する そこに捕らえられたポッリオーネが引っ立てられてくる.ノルマは人々を下がらせ2人きりになると 彼に「アダルジーザを諦めれば命は助ける」と言うが,彼は拒否する そこで,ノルマは「裏切り者の女が分かった」と人々を集め,「それは自分だ」と告白する.そして,息子たちを父・オロヴェーゾに託すと,改心したポッリオーネとともに火刑台へ登っていく(以上第2幕)

 

     

 

イタリア出身の指揮者カルロ・リッツィがオーケストラ・ピットに入り,序曲の演奏に入ります これほどドラマティックで緊張感漲る序曲も珍しいでしょう オペラの序曲の中では最も好きな曲の一つです

幕が開くと,舞台は原始的な自然が支配する森が再現されています.中央には聖なる樫の大木が威厳をもって聳えています ノルマの父・オロヴェーゾと人々の合唱が終わると,いよいよノルマの登場です ノルマが一番最初に歌うのが,この役を80回以上歌っているマリア・カラスをして「すべてのアリアの中で最も難しい」と言わしめた「Casta Diva(清らかな女神)」です フルートによる緩やかなメロディーが先行して演奏されますが,これを聴いて不覚にも涙が出てきました アメリカ出身のソプラノ,ラドヴァノフスキーは慎重に歌に入りますが,ものすごい緊張感が伝わってきます.低音から高音までゆったりしたテンポで 息の長い旋律を歌い上げなければならないのですが,ラドヴァノフスキーは声を微妙にコントロールしながら見事に歌い上げました 言うまでもなく,満場の拍手とブラボーが送られました ラドヴァノフスキーはこのシーンに限らず,抜群のコントロールでアリア,デュエット,三重唱を歌いこなし,最後まで輝きを失いませんでした また,一昨年の「ロベルト・デヴェリュー」の時も感じたのですが,この人は顔の表情でも演技ができる人だとつくづく思いました

アダルジーザを歌ったアメリカ出身のジョイス・デイドナートは,今やMETを代表するベルカント・オペラの第一人者に登り詰めた感がありますが,歌唱力・演技力ともに抜群のパフォーマンスを見せるメゾソプラノです

第1幕フィナーレでは,ノルマとポッリオーネの関係を知って苦しむアダルジーザ,彼女を強引に連れ去ろうとするポッリオーネ(ジョセフ・カレーヤ),彼の不実に激怒するノルマによる三重唱が歌われますが,このオペラの白眉です それぞれの心理状態を見事に表した三重唱でした

幕間のインタビューでラドヴァノフスキーは スーザン・フィリップスの質問に答え,「ノルマは確かに神に仕える巫女ですが,私としては2人の子どもの母親であるという人間的な側面を前面に出して歌い 演じたいと思います」と述べていますが,まさにそのような役作りが垣間見られました

第2幕で一番好きなのは,アダルジーザが「自分は身を引き,ポッリオーネをノルマの元に戻るよう説得する」として,ノルマと女同士の友情を確かめ合う二重唱です ディドナートの歌うアダルジーザは,単なる弱い女性ではなく,自分の意志で神に仕えることを再度決意する強い女性を演じ歌っています

ポッリオーネを歌ったマルタ島出身のジョセフ・カレーヤは,最初は傲慢で優柔不断なダメ男を歌い演じていましたが,最後では改心した まっとうな男を歌い演じ,伸びのあるテノールと相まって その変わり身は見事でした

スコットランド出身のデイヴィッド・マクヴィカーによる新演出は,紀元前の古代の雰囲気を醸し出した自然な舞台作りで好感が持てました

カルロ・リッツィ指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団による演奏は,終始緊張感を途切れさせることなく,しっかりと歌手陣をサポートし,時に自らカンタービレを歌い上げていました

このライブビューイング「ノルマ」は,休憩・歌手等へのインタビュー等を含めて3時間27分です 東銀座の東劇ほかで24日(金)まで上映中されます

このライブビューイングを観るに当たって,マリア・カラスがノルマを歌ったCD(トリオ・セラフィン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団,1954年録音)で予習しておきました

 

     

 

                     

 

映画の帰りに伊勢丹会館地下のプレイガイドで来年3月17日(土)午後5時から開かれる東京二期会の「ノルマ」のチケットを購入してきました 17日と18日のダブル・キャストですが,17日のキャストは,ノルマ=大村博美,アダルジーザ=小泉咏子,ポリオ―ネ=城宏憲,オロヴェーゾ=妻屋秀和,リッカルド・フリッツァ指揮東京フィル,演出=菊池裕美子です

会場が悪名高いオーチャードホールなので,今まで買うか買うまいか悩んでいたのですが,今回METライブビューイングを観て,やっぱり生で観たいと思い,決心しました

 

     

     

コメント
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