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[情報] IBM、AWS、Googleなどに対抗しワトソンの一部機能を無料化

2017-10-27 17:45:17 | 業界動向情報
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[情報] IBM、AWS、Googleなどに対抗しワトソンの一部機能を無料化
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IBMはワトソンの基本6機能を11月~無償提供に切り替えるそうです。AIを活用した各種サービスというと、以前なら先行者としての知名度があったワトソンですが、今やGoogle、AWS、Azureなどのメガプロバイダ方が、これができると明確に打ち出していることもあり存在感を出している気がします。

ワトソンは、高そう、正体不明という印象の方が強いのではないでしょうか。
そんな状況に危機感を持ったか、IBMはワトソンの基本機能を無償化し、中小企業での利活用の拡大と売上向上の呼び水にしたいようです。




  米IBM、AI「ワトソン」無料に アマゾンに対抗
  2017/10/26 18:24日本経済新聞 電子版
  https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22747480W7A021C1MM8000/
  
  
  米IBM、「ワトソン」無料 会話・翻訳など6機能 AI使う開発促す
  2017/10/27付日本経済新聞 朝刊
  https://www.nikkei.com/article/DGKKZO22776470X21C17A0TI1000/
  


記事によれば、無償化対象の6つの基本機能は
  ・会話
  ・翻訳
  ・文章を基にした性格分析
  ・対話を通じた意思決定支援
  ・文章を基に感情や社交性を判断など
と書かれており、6つ目は明らかにされていない。

おそらく★の機能が無償化の対象なのだろう。

https://www.ibm.com/watson/jp-ja/developercloud/services-catalog.html
によれば、ワトソンのAPIは以下のとおり。
Conversation 会話系
  Conversation (会話) ★
  エンドユーザとの会話フローを自動化
Language言語系
  Language Translator (言語変換) ★
    コンテンツのテキストを別の言語にリアルタイムに翻訳
  Natural Language Classifier (自然言語分類)
    自然言語の意図を解釈し関連度合いを信頼度レベル付けして分類
  Personality Insights (性格分析) ★
    テキストから筆者のパーソナリティ(ビッグ、ファイブ、価値、
    ニーズ)の3つの特徴を推測
  Tone Analyzer (感情分析)★
    テキストに現れるトーンや感情を分析
  Retrieve and Rank (検索およびランク付け)
    機械学習機能を活用し、情報検索精度を向上
Vision 画像系
  Visual Recognition (画像認識)
    画像に写った物体・情景・顔など様々なものを分析・認識
Discovery 知識探索系
  Discovery (探索)★
    大量のデータを検索すると共に、適切な意思決定を支援
  Natural Language Understanding (テキスト分析)
    自然言語によるテキスト分析により、概念、エンティティ、
    キーワードなどのメタデータを抽出
  Discovery News (ニュース)
    世界各地のニュース記事を保持している事前作成済み参照専用
    コレクション
  Knowledge Studio
    業界や分野ごとの言語の使われ方の微妙な違いまでワトソンに
    学習させるアプリ
  Document Conversion (文書変換)
    文書をほかのAPIで使用できる形式に変換
Speech音声系
  Speech to Text (音声認識)
    音声からテキストを書き起こし


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すごいじゃあないか!ホームズぅ‼ ますます減益するんじゃあないか?
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ワトソンを無償化してIBMは儲かるのでしょうか? 儲けの糸口になるのでしょうか?
そうはならない気がします。
日経の記事によれば、
  ワトソンの導入費は少なくとも数百万…
無償の次の階段がそんなに高いと、無償でいいやになり、「ワトソン栄えて国(IBM)滅ぶ」ということになるのかもしれません。


IBMがワトソンを無償化するのは、次のステップへの時間稼ぎかもしれません。 しかし、次の手が奏功するまでの間、無償ワトソンが呼び水になって、経営を支えてくれるのだろうか?

  2017/09/11 10:00
  ワトソンで苦戦のIBMが狙う「AIでの反撃」 MITに260億円を出資
  https://forbesjapan.com/articles/detail/17661
  
には以下のように書かれています。

  「今回の提携で、ディープラーニングを超える新たなアルゴリズムの
   発見に向けた基礎研究を開始する」とMITのエンジニアリング部門
   学部長のAnantha P. Chandrakasanは述べた。

  研究チームが特に注力するのは、人間による監視や手作業によるデー
  タのタグづけ無しで実行可能なAIアルゴリズムのトレーニングだ。
  現状のディープラーニングのトレーニングには、人間の目視による確
  認が必須で、個々のデータにラベルづけを行う必要がある。
  例えば車の画像データがあれば、これは車だと教えてやる必要があるのだ。


AIを学習させる「手間」と「ネタ」が必要だということであり、顧客はAI使う前に育てるところに時間がかかる。 この問題に優位性を持つのはいまやGoogleでしょう。 彼らは検索エンジンの最王手であり、多量の検索ワードとWebサイトの文字、画像情報を持っています。 さらに、G-Suiteというサービスを通じて文書や写真といった多量の情報もユーザから預かっています。 これらを使ってAIを調教できるのが Google の他にない、たぐいまれな優位性と言えるでしょう。

ちなみに、上記記事には以下のようにも書かれています。
  IBMは今、全社をあげてクラウドやAI部門の建て直しに取り掛かって
  いる。ワトソンには巨額の投資を行ったものの、IBMは21四半期連続
  の減収という厳しい事態に直面している。
  今年7月発表の第2四半期決算でIBMは、Cognitive Solutions部門
  の売上が前年度比2.5%マイナスの46億ドルになったと発表した。


これからはサービスの時代と言ってハードウェアメーカを辞めたIBMだが、基盤が無ければサービスは動かない。 AWSやGoogleはIaaSという仮想ハードウェアのメーカーであり、彼らのサービスの拡販は即ちかれらの仮想ハードウェアの拡販になる。

捨てたものは、もう帰ってこない。IBMは大きな過ちをしたのだろう。



関連情報
  [情報] AWSのAIサービス群 Rekognition, Polly, Lex
  http://blog.goo.ne.jp/tonton_ponpon

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