野口敏夫プライベートブログ

私の周りで起こった出来事や日頃思ったことなど個人的で気ままなブログとなっています。

終戦記念日に思う

2017-08-16 14:03:24 | 随想

 今年も終戦記念日がやってきた。思えば今から72年前の昭和20年8月15日の正午、私は他の仲間とともに集団疎開先の秩父の某寺本堂でラジオから流れる玉音放送を直立不動の姿勢で聞いていた。天皇のお言葉は録音なので聞き取りにくいうえ、語りが文語調なので当時まだ9歳の私には理解しがたいものであったが、周りで聞いていた先生方が途中からすすり泣き始めたので、これはただならぬことと悟ったのを覚えている。
   集団疎開は、東京での空襲の被害を避けるため、昭和19年から始まった制度で、学童を先生とともに田舎に一時移動させるものであったが、私はまだ低学年であったので当初その対象とならず、両親とともに東京に残れることを喜んでいたのだが、おかげで20年3月10日未明の東京大空襲に遭遇する羽目になった。幸いにも近辺に映画館の跡地があり、その地下室が避難場所として指定されていて、前夜
の空襲警報発令とともに、そこに駆け込んだので、その一画では人的被害はまぬかれたが、被害地全体では死者10万にも及ぶ文字通り史上最大の大空襲であった。地下に籠っている間も、間断なく降り注ぐ焼夷弾の炸裂する音が凄まじく、生きた心地がしなかった。ある幼児が「かぁちゃん、怖いよう、お家に帰ろうよ」と言うのを「あのね、お家は焼けてしまってもうないのよ」と母親がなだめていたことを思い出す。警戒警報が解けて外へ出た時、一面の焼野原になっていた惨状はまさに地獄絵図そのものであった。
 戦争はそれ自体が犯罪である。しかるに安倍首相は、先の大戦の発端が日本のアジア侵攻によるものであったことを未だ認めていない。

                    以上


 

 

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