『とのさん、 重湯はねー もうちょっと先だね』
術後二日目 回診に来た先生が言いました。
術前にもらった標準スケジュールだと この日から重湯だったはずなんだけどなー…。
『あのねぇ、 この ドレーンから出てる廃液の色ちょっと見てみて。
ちょっとくすんでるでしょう?
これ ちょっと曲者なんだよね。 あのね、 普通はもっと ほんとに。 澄んだきれいな液になる . . . 本文を読む
『とのさん、 とのさんおわりましたよー。』
頭の上でそんな声がして。
目を開けたら麻酔医の先生が覗き込んでました。
…そういえばとの 今日手術で。
さっき手術台の上に乗っかったばっかりだったよねー。
この先生 女性で たぶんとのより5,6歳年下で。
ぱきぱきしててはっきりものをいうけど 患者の気持ちをわかってくれる
配慮の細かい方だったなー &hell . . . 本文を読む
とことこ歩いてエレベータに乗り
4階のオペ室フロアに到着です。
とのの行ってた病院、 4階がオペ室だらけで。
待合室のほかはエレベータホールまでしか付き添いが入れません。
それで。 見送りの身内とはそこでお別れ。
看護婦さんと一緒にその先に進みます。
まず 患者の待合室へ。
ごく普通にいすが沢山並べられていて。
手術を待ってる患者さんが何人か座ってる。
なんか変な . . . 本文を読む
いよいよ。
手術の当日9月1日を迎えたとのです。
実は入院するまで。
自分の手術がどのくらい時間かかるか知らなくってさ。
主治医の先生に聞いたら。
あ、 うんあのねー、 4時間だよ。
麻酔切れるのまで入れると6時間ぐらいかなー。
ばっさりおなか切っちゃう手術なら2時間ですむんだけど
こちょこちょ細かいことやるから4時間。
9時開始だからね 1時ごろまでかかるよー。
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いよいよオペ前日というとき。
夜になって担当の先生が様子を見にやってきてくれました。
『とのさん、 いよいよだねー。 入院してから ちゃんと眠れてる?』
との 入院してから なぜか色々楽しくて 結構普通に眠れてたんだけど
そのときは前日だったので、 さすがにちょっと緊張しそうで。
『今夜だけは やっぱり緊張して眠れないかも~。』なんて答えてたんです。
そしたらその先生。
『あ、 今夜 . . . 本文を読む
との 自分の病室から手術室までは。
テレビでよくやってるみたいに ベッドごと運ばれていくんだと思ってました。
病室で麻酔打ってもらって そのまま寝た頃にオペ室につく
そんな手順だった人の話を聞いてたので。
ところが。
よく考えてみりゃ、 とのなんて手術で切ったり貼ったりするまでは
どこもぴんぴんしてて元気な人間なので。
自分で普通に歩いてオペ室前までいき。
待合室 . . . 本文を読む
とのです。
との、 めちゃくちゃ気が小さいんですわ。
そりゃもう。
のみの心臓 っていうか、 ミトコンドリアの心臓ぐらい。
だからさ。
今度の手術は めっちゃ緊張しました。
初めてのことだらけだし。
手術の前の日に、 オペ室見学ツアー なんかがあって。
生々しいのをみてしまったし。
そして。
発見。
人間 ほんとに緊張すると 汗 . . . 本文を読む
生まれて初めての入院だったので
何もかもが初めての体験だったんだけど。
その中でも印象に残ってるのは 手。
ひとの手のことです。
術後HCUにはいったとき。
足全体がしびれきっていて 体を動かすことが出来なかったとの。
すべての世話は 看護師さんがしてくれました。
術後の一晩は 本当に長かったし
わがままを言うのではなかったけど 申し訳ないほど何度も . . . 本文を読む