書名 男おひとりさま道
著者 上野 千鶴子
発行社 法研
発行年 2009年11月1日
頁数 271頁
価格 1,400円+税
・「患者になる」ということは、自分の弱さを引き受けて、誰かに「助けてくれ」とSOSを発信するのと同じ。
・齢をとるにつれて、人間は、「こわれもの」だという感覚が身にしみてきた。
・「おくりびと」映画のクライマックスは、納棺師を職業にした主人公が、自分を捨てた父の遺体と対面した時に、握ったその手から石文(石に自分の思いを托して贈ること、その石)が、ぽろりとこぼれるのを発見するシーンだ。そうか、そうだったのか。自分勝手なヤツと呪いつづけた父親は、自分を捨てたあとも、死の瞬間まで息子の自分を忘れたことがなかったのか・・・死者との和解が、この一瞬に成り立つ。
・死の準備期間に、和解すべき人たちとは、和解しておくことだ。
許せないと思う相手を許し、許してもらえないと思う相手から許してもらうことだ。
・「いまのうちに会っておきたい人がいたら、遠慮せずに言ってちょうだい。私の知らない愛人でも恋人でも、あなたが会いたいと思う人は、呼んであげるから」
・穏やかで幸せな老後を送っている男おひとりさまの共通点は、妻がいなくても女性の友人が多いことだ。最後はカネ持ちより人持ち、それも男性は異性の友人を、女性は同性の友人を持つことが秘訣のようだ。