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新年最初はPEN-Fからの巻

2017年01月04日 21時56分29秒 | ブログ

今年のお正月休みは短くて、4日から仕事始めの企業が多いようですね。では、こちらも作業を始めましょうか。新年最初はPEN-Fですが#1374XXと初期型ですね。その割にはコンディションは悪くはないとは思うのですが、古いので汚れがはげしいです。

トップカバーは開けられていますが、完全な分解は受けていません。では、分解をして行きます。

 

初期型の巻上げ爪を抑えるスプリングは板バネですが、すぐにコイルスプリングに設計変更されます。板バネは耐久性と接触部の摩耗の問題があったからでしょう。で、初期型の板バネを固定する板バネ抑え(ネジ)ですが、この頃は強い緩み止めが塗布されていて、M1.7のネジとしては頭(スリ割)が大きく、不用意に緩めようとすると簡単にねじ切ってしまう確率が高いのです。この個体も簡単には緩みそうもありませんよ。しかし、ホコリの混入がすごいですね。

慎重にトルクを掛けて無事緩めることに成功しました。

 

 

汚れは激しいですが、特に不具合の部分はないようです。どんどん分解をして行きます。

 

 初期型ですが、あまり使用されていないユニットで、程度は良いですね。ブレーキの利き具合を点検しますが、こちらも少し弱いですが初期型としては珍しく利いていますね。今回はこのまま再使用とします。

 

すべて洗浄のうえ注油をして行きます。テンション軸を取り付けます。

 

 

このバネは知らない間に飛ばしてしまうことがあるので注意です。巻き止め機構は変更を受けていく部分です。

 

各部品を洗浄磨き出しのうえ組み立てて行きます。

 

 

底部もこのようにきれいになっています。

 

 

 年始回りもあって、中々作業が進みません。前板関係を組みます。洗浄、注油をしたミラーユニットを取り付けます。

 

PEN-Fの初期型としては珍しくプリズムの腐食がありません。多くの個体には黒点の腐食が発生しています。

 

シャッターボタンを押すと左端のレバーがリンケージを押して右側のレバーがシャッターを走らせます。しかし、リンケージに長さの調整をする部分が無く、ストロークが短い場合にはリンケージの先端部分を潰して長くするという原始的な方法を採ります。これでは量産に適さないため、後期型では以後のFTと同様の調整機構付きに変更になります。

シャッターのテンションは変更していませんが、分解前より巻き上げが軽くなりました。これでメカ部分は終了で、光学系を取り付けて完成させます。

 

 全反射ミラーは見にくい腐食はありませんが、反射率は低下していますので新品と交換します。

 

接眼枠の取付の片方が折れています。今回は交換せず接着で対応しておきますので、アクセサリーの取付はしないでくださいね。また、表面の傷が目立ちますので、研磨をしておきます。

 

ふぅ、最後に来て中々終わらない個体です。裏蓋を見るとへこんでいますね。この程度では外側のシボ革からは分からないのです。もう一度分離して、できるだけ修正をしておきます。

 

やっと完成しましたね。しかし、レンズマウントのロックがやけに緩くてレンズの回転と一緒に回ってしまいます。よくよく見ると、マウント面が取付けネジ部で曲がっていて平滑ではありません。一度分解をされているようです。

 

定盤に当ててみると、取付けネジ部でくの字形に変形しています。これは本体との平滑を確認せずに取り付けた場合に起きます。(シボ革の挟み込みなど)

 

マウントのロックが緩いのは3つのバネを故意に緩めたためです。取付けネジのスリ割が笑っています。工場では、このような組立はしません。マウントの平滑を修正してから、バネの強さをオリジナルに戻して組みます。

 

トップカバーの色入れが抜けています。特にFの花文字は金色ですので、塗料の顔料(真鍮粉)が酸化をして緑青に変化をしています。これも入れ直しておきます。

 

新年最初の個体は、素性は悪くはないのですが、細かなところに問題が多かったですね。しかし、巻上げも軽快でシャッターの調子も良好な好ましい個体となりました。

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/

 

 

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