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歪曲された海女のイメージ

2009-11-05 | 映画・ロケ地訪問
ソフィア・ローレン主演の「島の女」が公開された1957年、この海女の映画に影響を受けたのかどうかは知らないが、日本でも「海女の戦慄」という映画が製作・公開されている。配給元が低予算エログロ路線で知られる新東宝映画なので内容は推して知るべしで、悪漢が沈没した旧日本海軍の駆潜艇に残る財宝を海女を誘拐して引き上げようと企てる...という筋立てに、どこか「島の女」を換骨奪胎したような印象を感じる。


「海女の戦慄」 海女と言われないと判らない派手な水着

東宝から独立した初期の新東宝映画は地味な文芸映画の配給が多く客を呼べず経営状況が悪化したが、弁士出身の大蔵貢社長が招聘され、1956年から新路線の映画が作られ始めた。中でも女優を看板にしたお色気路線が好評で、アナタハン島事件を題材にしたスリラー「女真珠王の復讐」にも主演して日本映画で初めて吹替えなしの全裸シーン(後姿)を見せた「グラマー女優」前田通子が、「海女の戦慄」にも海女役で主演している。肉体派女優ソフィア・ローレンの海女に対抗したのか、タイトルバックで全裸で胸を隠して登場するシーンが話題を呼んだらしい。今ならCMにでもありそうなものだけど、当時はセンセーショナルだったのだろう。映画自体は評判が良かったとはとても思えない内容だが、この映画をきっかけとして題名に「海女」を冠したキワモノ映画が続々と作られることになる。以下に「海女」映画を時系列に並べてみた。ロケ地が海になるせいか、やはり公開は夏期に集中している。

1957/07 「海女の戦慄」新東宝 監督・志村敏夫 キャスト・前田通子,三ツ矢歌子,太田博之
1958/07 「人喰海女」新東宝 監督・小野田嘉幹 キャスト・三原葉子,三ツ矢歌子,宇津井健
1958/08 「海女の岩礁」日活 監督・森永健次郎 キャスト・筑波久子,香月美奈子,二谷英明 
1959/07 「海女の化物屋敷」新東宝 監督・曲谷守平 キャスト・三原葉子,菅原文太 
1960/07 「怪談海女幽霊」新東宝 監督・加戸野五郎 キャスト・明智十三郎,万里昌代
1963/01 「海女の怪真珠」大蔵 監督・小林悟 キャスト・梅若正二,泉京子,扇町京子
1965/06 「ちんころ海女っこ」松竹 監督・前田陽一 キャスト・中村晃子,ホキ徳田,加藤正



60年代半ばまでの「海女」映画は、意外にも出演俳優に有名どころが多い。新東宝お得意の「怪談」モノとの合体などにも妙に興味を惹かれる。

1974/08 「性艶みだら海女」関東ムービー 監督・関孝二 キャスト・泉ユリ,小島麻里
1975/09 「(秘)海女レポート 淫絶」日活 監督・近藤幸彦 キャスト・立花りえ,樋口マキ
1976/07 「色情海女 乱れ壺」日活 監督・遠藤三郎 キャスト・八城夏子,堂下かづき
1977/07 「夜這い海女」日活 監督・藤浦敦 キャスト・梓ようこ,中島葵
1978/07 「淫絶海女 うずく」日活 監督・林功 キャスト・八城夏子,青木奈美
1979/07 「潮吹き海女」にっかつ 監督・白鳥信一 キャスト・日向明子,飛鳥裕子
1980/07 「若後家海女 うずく」にっかつ 監督・藤浦敦 キャスト・佐々木美子,麻吹淳子
1981/06 「色情海女 ふんどし祭り」にっかつ 監督・藤浦敦 キャスト・安西エリ,江崎和代
1982/07 「くいこみ海女 乱れ貝」にっかつ 監督・藤浦敦 キャスト・渡辺良子,藤ひろ子
1985/07 「絶倫海女 しまり貝」にっかつ 監督・藤浦敦 キャスト・清里めぐみ,長野真大

その後十年という間を空けて甦った「海女」映画は、題名からして日活のポルノ路線の映画であろう。これらの映画とともに日本における海女のイメージは、より刺激的で淫靡なものへと歪曲されていったと思われる。最近までテレビで、海女のなり手が少ないと関係者の嘆くシーンをよく目にしたが、理由がわかるような気がする。
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