物語のつづき 物語52.
自分の街であるシュラバースティに
ブッダをご招待することができる!
スダッタは、喜び勇んで数十キロの道のりを
帰って行きました。
途中で出会う人々にスダッタは、
「やがて、ブッダがこの道をお通りになるだろう。
その時に、あなたがたもぜひ、
ブッダをご供養申し上げるといい」
と勧めます。
このスダッタの功績は、
自分が徳を積もうとするだけでなく、
多くの人々に、
生きている間に聖者に対する奉仕をすることによって、
多くの幸福の種を蒔かせたことでしょう。
仏教では、善根功徳を積むということ、
すなわち、
善なる行いの積み重ねが、
後の果報につながるという
幸せの原理があります。
すべては因縁によって生じていきますから、
善なる原因は、
後の善なる結果へと
いつか必ず実を結ぶのです。
ブッダご在世中の同時代に生き合わせ、
実際にお会いすることが
どれだけ難しいことか、そういうことを
スダッタはよく理解していたのでしょう。
さて、
スダッタは、シュラバースティに戻りますと、
ブッダに長くこの地に滞在していただきたいと
考えます。
すなわち、
精舎(僧団の寄宿舎)の建設を思いつきます。
宿舎があれば、
マガダ国に居るブッダが、
このコーサラにも滞在していただけるに
違いないと思ったのです。
そこで、スダッタは、
なるべく閑静で修行に適した場所で、
それでいて、町からそう遠く離れていない、
適当な場所を探します。
コーサラ国王の太子である
ジェータの所有である
ジェータ林が非常にそれに適していると
思ったスダッタは、
さっそく、太子にその土地を譲ってほしい!と
もちかけます。
しかし、
ジェータ太子は、
「絶対にこの土地は売らない。
たとえ、この土地全体に
黄金を敷き詰めようとも
わたしは売らないであろう」
と言います。
ブッダをお迎えしたいという情熱にかられる
スダッタは、
なんと、本当に黄金をその土地に敷き詰め始めました。
そのあまりにも熱心な様子と、
深い信仰の精神に感服した太子は、
「わかった、わかった。
もういい。この土地をそなたに
譲ろう。
しかし、入り口のところだけは、
わたしに残してくれまいか?
わたしもぜひ、そのブッダに
自ら寄進申し上げたいのだ」
このように申しましたので、
スダッタは、そのとおりに致しました。
こうして、このジェータ林があった土地に、
精舎が完成いたしますが、
ここが、かの有名な、
祇園精舎というところです。
平家物語の最初にある
「祇園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり」という
有名なくだりにも登場するくらいです。
さて、
スダッタの招待を受け、
ブッダはマガダ国を出て、北方に向かわれました。
旅は数十日を要したようでありましたが、
スダッタがいろんな人に呼び掛けていましたので、
始めてお通りになるブッダを、
信仰する人が少なくありませんでした。
至る所で、歓迎を受け、
スダッタの待つ
シュラバースティの街に
到着されます。
このあたりが
コーサラ地方への縁でありますが、
結局は、ここの国王までもが
やはり、ブッダに帰依することになります。
つづく
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自分の街であるシュラバースティに
ブッダをご招待することができる!
スダッタは、喜び勇んで数十キロの道のりを
帰って行きました。
途中で出会う人々にスダッタは、
「やがて、ブッダがこの道をお通りになるだろう。
その時に、あなたがたもぜひ、
ブッダをご供養申し上げるといい」
と勧めます。
このスダッタの功績は、
自分が徳を積もうとするだけでなく、
多くの人々に、
生きている間に聖者に対する奉仕をすることによって、
多くの幸福の種を蒔かせたことでしょう。
仏教では、善根功徳を積むということ、
すなわち、
善なる行いの積み重ねが、
後の果報につながるという
幸せの原理があります。
すべては因縁によって生じていきますから、
善なる原因は、
後の善なる結果へと
いつか必ず実を結ぶのです。
ブッダご在世中の同時代に生き合わせ、
実際にお会いすることが
どれだけ難しいことか、そういうことを
スダッタはよく理解していたのでしょう。
さて、
スダッタは、シュラバースティに戻りますと、
ブッダに長くこの地に滞在していただきたいと
考えます。
すなわち、
精舎(僧団の寄宿舎)の建設を思いつきます。
宿舎があれば、
マガダ国に居るブッダが、
このコーサラにも滞在していただけるに
違いないと思ったのです。
そこで、スダッタは、
なるべく閑静で修行に適した場所で、
それでいて、町からそう遠く離れていない、
適当な場所を探します。
コーサラ国王の太子である
ジェータの所有である
ジェータ林が非常にそれに適していると
思ったスダッタは、
さっそく、太子にその土地を譲ってほしい!と
もちかけます。
しかし、
ジェータ太子は、
「絶対にこの土地は売らない。
たとえ、この土地全体に
黄金を敷き詰めようとも
わたしは売らないであろう」
と言います。
ブッダをお迎えしたいという情熱にかられる
スダッタは、
なんと、本当に黄金をその土地に敷き詰め始めました。
そのあまりにも熱心な様子と、
深い信仰の精神に感服した太子は、
「わかった、わかった。
もういい。この土地をそなたに
譲ろう。
しかし、入り口のところだけは、
わたしに残してくれまいか?
わたしもぜひ、そのブッダに
自ら寄進申し上げたいのだ」
このように申しましたので、
スダッタは、そのとおりに致しました。
こうして、このジェータ林があった土地に、
精舎が完成いたしますが、
ここが、かの有名な、
祇園精舎というところです。
平家物語の最初にある
「祇園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり」という
有名なくだりにも登場するくらいです。
さて、
スダッタの招待を受け、
ブッダはマガダ国を出て、北方に向かわれました。
旅は数十日を要したようでありましたが、
スダッタがいろんな人に呼び掛けていましたので、
始めてお通りになるブッダを、
信仰する人が少なくありませんでした。
至る所で、歓迎を受け、
スダッタの待つ
シュラバースティの街に
到着されます。
このあたりが
コーサラ地方への縁でありますが、
結局は、ここの国王までもが
やはり、ブッダに帰依することになります。
つづく
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