明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1394)浜岡原発は再稼働させないだけでなく廃炉にして早く安全化すべきだ!(牧之原市、静岡市でお話しします)

2017年06月30日 23時30分00秒 | 明日に向けて(130...

守田です。(20170630 23:30)

 
明日より静岡県に行ってきます。1日牧之原市、2日静岡市でお話しします。お近くの方、ぜひお越し下さい。
さてその静岡県では6月25日に知事選の投開票が行われ、現職の川勝平太氏が三選を果たしましたが、27日にその新知事が浜岡原発再稼働について「今後四年間に中電から同意を求められても同意しない」との意向を明らかにしました。
何はともあれ浜岡原発再稼働反対を表明された知事の姿勢に拍手を送りたいと思います。中日新聞の記事を示しておきます。
 
川勝知事 浜岡再稼働の不同意明言
中日新聞 2017年6月28日
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20170628/CK2017062802000100.html
 
しかしただ再稼働させないだけでは足りません。廃炉を決定するとともに危険な燃料プールから核燃料を降ろしてより安全な管理に移行することを進める必要があります。
これは全国の原発で言えることですが、とくに浜岡原発の廃炉化と安全化を急ぐべき理由は、ここが南海トラフ地震の被災予想地域に位置しているからです。とてつもない危険性があります。
 
静岡の両市でもぜひお話ししたいですが、私たちは迫り来る南海トラフ地震の恐ろしさをきちんと把握し、備えておかなければなりません。
この地震はいつかやってくることが確実視されている地震です。それもマグニチュード8クラスの地震が起きる確率が、今後30年以内で60~70%、10年以内だと20%程度、20年以内で40~50%。 50年以内だと90%程度以上と予測されています。
ともあれ「何時かは壊滅的なことが起こる」と考えて、何重にも構えておく必要があるのです。そのための重要な一歩が、浜岡原発をできるだけ安全な状態にしておくことです。再稼働など論外。それより燃料プールの核燃料を早く安全な状態にしなければ。

「明日に向けて」では(1381)で、岩波新書『南海トラフ地震』の書評の形で少しだけこの災害に触れましたが、今回はもう少し浜岡原発との関係でこの地震のことを見ておきたいと思います。
南海トラフ地震の恐ろしさは一つに震源域が極めて長いことがあります。静岡県沖の駿河湾から四国沖、九州の近くまで続いている。これがいっぺんに動くと太平洋沿岸部が何百キロにもわたって被災してしまう可能性があります。
この際、東日本大震災との顕著な差があります。地震の起こりうる「トラフ」がより沿岸に近いところにあるため、一度、大地震が起こると、東日本大震災よりはるかに早く津波が押し寄せてくるのです。
最短が予測される駿河湾では3分とも言われています。四国の徳島沿岸部で20数分です。このため地震が起こってからの逃げ出す余裕がはるかに少ない。
 
社会的にも大きな差異があります。被災予測地域が長く、人口密集地帯が多いため、きわめて被災者が多くなってしまうことです。
被災した側と助ける側の人口比でみてみると、東日本大震災では、被災者980万人を残りの1億1700万人が助ける関係になりました。割合で言うと1対12でした。
これに対して南海トラフ地震の想定被災者は3500万人。これをまだ傷の癒えていない東北の人々も含めた9200万人が助けなければならないのです。2対5の割合です。大変なことです。

どうしても火事も発生するでしょうし、土砂災害も併発するでしょう。あの東日本大震災のときとて、各地に陸の孤島が現出し、なかなか助けが届かない地域があったわけで、南海トラフ地震はこれを大きく上回る可能性があります。
より長期の停電も起こるでしょうし、物資の停滞や遅配も起こるでしょう。各被災地は、当面は助けが来ないことを覚悟し、自力で命を長らえなければならないでしょう。
そんな時に浜岡原発が致命的な被災をして危機に陥ってしまったらどうなるでしょうか?当然にも福島原発事故のときよりも圧倒的に少ない人員と機材で対応しなければならなくなるでしょう。事故の悪化を防げる可能性も圧倒的に少ないのです。
しかもそれで大量の放射能が飛び出してきてしまった場合、人々の逃げる力もかなり弱まっているでしょう。だからそんなリスク、今のうちに「とっとと」なくしてしまう以外ないのです!これは国防上の第一要件です。

単純な道理ですが、南海トラフ地震は避けることができません。私たちはまだまだ自然の猛威に対して大変非力です。しかし原発は廃炉にしてしまうことができるのです。
燃料棒の処理はやっかいでなかなか完全な安全化はできませんが、しかし原発サイトの燃料プールにいれてあるよりはよりましな管理の仕方はありえます。

いやそれだけではない。南海トラフ地震に対して、備えを厚くすることは他にも幾らでもできます。中でも重要なのは自衛隊の災害救助隊への改編を急ぐことです!
イージス艦なんかいらない!ジェット戦闘機もいらない!戦車もミサイルも長距離砲もいりません。そんなもの、災害に対して何の役にも立ちやしない。
そうではなくて、隊員に命の守り方、助け方、救い方の教え、救助訓練を繰り返し、その上で災害対策に特化した特殊車両を増やし、現代科学技術の粋を尽くしていざというときに備えるのです。

いや東日本大震災でだって、熊本地震でだって、すでに「いざ」という時は何度も来ているのです。あのときに自衛隊が災害救助隊に再編されていたら、もっとたくさんの人を救えたでしょう。
何も自衛隊でなくたっていい。国や地方行政の予算をもっと災害対策に振っていれば、それでもより多くの人が助けられたでしょう。もっともっとやっておくべきことはあったはずです。
それを考えた時に、本当にいまは東京オリンピックなんてやっている場合ではないのです。それよりももっと真剣に災害対策を進めないといけない。
そもそも福島の現場だってまだ事故収束していないのです。膨大な被災者がこの国をさまよっているのです。なにより被曝防護をもっとしっかりと進めなくてはいけない。

私たちは福島原発事故の教訓からも、自然災害の猛威の中からも、このことにこそ覚醒しなくてはいけません。
地球的規模の気候変動すらある中で、自然災害にも人工災害にも対処し、備え続けるためにこそ、最大の資源を投入しなくてはなりません。それがなくて「国防」など成り立ちようがありません。

さてその南海トラフ地震について、私たちは和歌山県最南端の潮岬を「分水嶺」にしばしば二つに分かれて襲来したことを知っておく必要があります。
この地震は記録の残る西暦684年の白鳳地震以降、およそ100〜200年おきに大きな揺れが繰り返されて来ましたが、その場合、東と西が同時に動く場合もあれば、1日から2年ぐらいの間で双方が動く場合もあり、さらにどちらかだけにとどまったこともあります。
しかも地殻の大きな変動が起こるため、揺り戻す形での地殻変動である余効変動という動きもあり、このときは直下型の大きな地震が起こっています。

近年では江戸時代末期、1854年12月23日に安政東海地震が起こり、翌日24日に安政南海地震が起こっています。それぞれ潮岬の東と西が1日おいて動いたのです。
さらに太平洋戦争末期の1944年12月7日に昭和東海地震が起こり、それから2年経った1946年12月21日に昭和南海地震が起きています。
この昭和の東南海地震の間の1945年1月13日に余効変動としての三河地震が起きています。このとき現在の蒲郡市にある宗徳寺では本堂の隣にあったお堂に続く裏山が1.5メートルも隆起してしまいました。今も本堂とお堂の高低差をみることができます。
これらから学んでおくべきことは、南海トラフ地震はいっぺんに破局的に動くこともあれば、東と西に分かれ、その間に直下型の地震も伴って襲ってくることもありうることです。

これら幾つかのパターンを予測し、例えば片方が動いたら、もう片方は少なくとも数年間はあらかじめ避難できる人は避難しておくとか、危険なものはなんでも停止しておくとか、危ないものの蓄積をしないとか、さまざまな対処が考えられます。
最低でも片方が動いたならば、その近くに自衛隊を災害救助隊に改編して駐屯させておくとよいでしょう。その間に余効変動がありうることにも十分な警戒をしつつです。
とにかくこの時期は、被災しうる人口をできるだけ少なくしておくこと、反対に助けられる側の人口をできるだけ多くし、助けるための手段を増やしておくことが必要です。

これらを考えるならば、つまり南海トラフ地震による被災の巨大さ、被災人口の多さを考えるならば、とにかく早く浜岡原発はなくしてしまわなくてはいけない。
そもそも原発をなくしてすら、昭和の南海トラフ地震と比較したときに、石油コンビナートを始め、一度、壊れたら大災害に発展する現代構築物が無数にあります。
私たちはこれらの点も含めて、「浜岡原発を再稼働させないのは当たり前。早く廃炉にして安全化させよう」と声を上げていく必要があります。

続く

*****
 
原子力防災学習会
原発から50キロの兵庫県篠山市はどのように問題意識を共有していったのか?
 
講師 守田敏也氏
7月1日(土) 13:30〜15:00
会場 牧之原市さざんか
入場 無料・申し込み不要
15:15より懇親会を行います。参加費500円
 
主催:浜岡原発を考える牧之原市民の会
連絡:柴本08052957196 山崎0548522187
後援:牧之原市
 
*****
 
『原発からの命の守り方』 
~福島の教訓から学び、明日の暮らしにつなげる一歩へ~ 
守田敏也さん講演会 

日時:7月2日(日)13:00~16:00 
場所:静岡市労政会館(3 F )ロッキーセンター 
講師:守田敏也さん
参加費:当日1,000円 前売り800円 学生500円 
チケットは下記賛同団体まで、賛同団体はFBページに随時追加していきます。
キッズスペースあり(要予約) 
連絡先 :09092479731 (山田) 09039546563 (小笠原) 

主催:静岡市「守田敏也講演会」実行委員会 
賛同団体:保険医協会・自治労連・静岡YWCA・311を忘れない in 静岡・原発なくす会静岡・再稼働反対アクション@静岡・広域避難を考える県東部実行委員会 

FBページ 静岡市『守田敏也講演会』実行委員会 
https://www.facebook.com/morita.toshiya.kouenkai.shizuoka/
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