明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1123)福島原発事故からつかむべきこと(後藤政志&守田敏也対談から)-1

2015年08月18日 17時00分00秒 | 明日に向けて(1101~1200)

守田です。(20150818 17:00)

8月7日から14日まで講演ツアーに行ってきました。
まず7日に兵庫県篠山市原子力災害対策検討委員会に参加し、その後に特急と新幹線を乗り継いで名古屋に。一泊して翌朝、バスで飯田市向かい、伊那大島駅でピックアップしてもらって大鹿村に到着。「お山の上でどんじゃらホイ」で発言しました。
その日の夜は大鹿村や松本に移住している福島原発事故避難者の方や、保養キャンプを担っている方などが集っての座談会のコーディネートも務めました。

10日にお祭りに参加していた群馬ツアーの主催者、阿左美あすかさんが車に乗せて下さり、一路、群馬県玉村町へ。夜は堀越啓仁さんのお宅に泊めていただきました。
その後11日玉村、高崎、12日榛名山麓の榛東村、渋川市と講演し、13日に桐生市のレンガ蔵でたくさんの出店者も迎えて午前、午後と2回講演。とてもたくさんの方と交流し、とても充実した時間を過ごせました。
群馬ツアーについてはまた後日、報告をアップしたいと思います。

その後、14日に東京に出て品川で尊敬する元東芝格納容器設計者、後藤政志さんにお会いし、ユースト上での対談を行いました。
後藤さんから、今後、原発の危険性、再稼働の無謀性などを広げていくためにコラボしていこうと呼びかけていただいてのことです。とても光栄です。
今回は初めにということで30分ほど対談し、後藤さんと知り合った馴れ初め?や、僕が後藤さんの何に注目してハイライトして来ようとしてきたのか、それを後藤さんがどう感じられたのか、また今後、こうした見解をいかに広げるのかなどお話しました。
せっかくですのでこの場に文字起こしを含めて紹介しておきます。ぜひご覧下さい。なお撮影は後藤さんの主催するAPASTに参加している澤口佳代さんが行ってくださいました。

30分の書き起こしですが長くなるので何回かいに分けて掲載します。タイトルは僕が独断で付けました。

*****

 福島原発事故からつかむべきこと
 2015年8月14日 後藤政志&守田敏也 対談 東京品川にて
 https://www.youtube.com/watch?v=TKJNkgNOgaI&feature=youtu.be

1、格納容器にベントがあることが根本的矛盾だ

後藤
みなさん。こんにちは。後藤政志です。
今日は大変素晴らしいゲストをお呼びしています。ご存知の方も多いと思いますが、フリーのライターの守田敏也さんです。
実は守田さんは、群馬の方で3日間講演されたそうで、その帰りに東京を通られるということでぜひ寄ってくださいと声をかけさせていただきました。
今日はどうもありがとうございます。

守田
ありがとうございます。

後藤
守田さんと私が知り合ったのはどこからでしたっけ?

守田
2011年の福島原発事故があったとき、もともと私には「原発事故があったら政府は絶対に人を逃がしてくれないだろう」という強い確信がありました。
そのためもし自分に近い原発だったら自分が逃げる。もし自分から遠い原発だったら人々に危険を伝えると心に決めていたのですね。それで福島原発事故のときに、僕はこれは人々に危険だという情報を出さなければいけないと思いました。
ただそのときに、リアリティをもって原発がどのような状態になっているのかということをつかまなくてはいけないし、僕自身も知りたかったわけです。
そのときに後藤さんが原子力資料情報室で次々と会見をしていただいて、その内容が一番的確に刻々と起こる事態を把握していらっしゃるなと思って、これを一番に伝えなくてはいけないと思って次々と文字起こしをしてブログにも載せさせていただきました。
その後に京都の同志社大学でエントロピー学会があった時に、僕はぜひお会いしたいと思って参加して、それで初めてお会いしたのです。

後藤
私も思い出すのは、確かに311の直後は私も必死でですね、私の分かっていることは全部話をしたい、だけども難しいのは、どれだけの被害だから逃げるべきか、その辺になってくると価値観が入ってくるので非常に悩んだのですね。
私自身は技術屋なので、技術的に分かる範囲のことをできるだけ正確に出して、あとはみなさんに判断していただくというスタンスでした。

守田
私もあの時は「逃げろ」と言っても一方で救助隊が津波の被害に対して入って行くときでしたから、相当悩みましたね。悩みましたけれどもやはり破局的な爆発になる可能性もあると思ったので、やはりそれは伝えなくてはいけないと思いました。

後藤
あの時のことで思い出すのは、テレビであるとか、一般に出ている報道があまりにひどすぎました。意図的に隠しているというよりは分かってないという感じがしましたね。
テレビに出てくる専門家も、もちろん分かってらっしゃる方もいるのだろうけど、かなりの人が分かってない感じがしたのですね。
これは今は大分常識化しましたけれども、結局、ああいうことは肩書で語っても仕方がない。中身の問題ですね。私だって同じで、あるところは分かるけれどもあるところは分からない。
格納容器とかハードのところは分かるけれども、ちょっと外れたら分からない。当然なんですけどね。そういうごく当たり前のことが情報として出てくるかどうかが大切だと思いましたね。

守田
あの時、それまでに原発に反対してきた多くの方も話されました。もちろんそういう方は原子炉の基本的な危険性ということはきちんと訴えられていて、僕などもすごく学ばさせていただきました。
でもやはり自らが設計したわけではないので、リアリティを持ってどう進行しているかということを分からないのは当然だと思うのですね。
なのであのとき、後藤さんの発言は、多くの方が起こっている事態を冷静に捉えながら、自分の行動の指針を打ち立てる上で役に立ったと思うのですね。

後藤
そうおっしゃっていただけると嬉しいのですけれども、守田さんがおっしゃったようにその後にずっとブログとかで私の書いたものも随分、書き起こして下さいました。
それを見させていただいて、なかなか自分で話したことを文章にして読むことは少ないですから、それがあって随分助かったのですね。もう一度自分で読んで、「あ、ここは違うな。もっとこうした方が良い」とか咀嚼できるのですね。
その時に私が感心したのは、実は他にもそういうことをしてくださった方はいるのです。しかしそう言っては何ですけれども中身のレベルが違うのです。
守田さんが捉えて出した内容と言うのは、僕が一番、訴えたいところをずっとなぞってくださった。それで僕は一度守田さんとお会いした方がいいなと思ったのです。

守田
嬉しいです。

後藤
同じことを語っても、例えば技術のことをしたとしても、リアリティとおっしゃいましたが、本当にそれが大事なのですけれども、リアリティを持って語った、でもそれがボツなものであれば、原子力が何であるかと言う本質に迫れないと思うのですね。
僕がそれがどこまでできているのかは分かりませんけれども、気持ちの中ではずっとそこを追いかけてきたと思うのです。そのときに守田さんが安全の基本とかそういうところをすごく追いかけて下さったのですごく嬉しかったのです。
一番の理解者だと思っています。

守田
それはとても嬉しいです。光栄です。
僕が内容のことで一番、伝えなくてはいけないと思ったのは「ベント」のことですね。多くのその時の論調は「ベントはちゃんとやれたのか」みたいなものでした。基本はそうなっていました。
あるいは今でも「ベントはちゃんとつけたのか」みたいな話になっていることに対して、後藤さんは「ベントは格納容器の自殺行為である」「放射能を閉じ込めるための格納容器を守るためにそこに穴をあけるというのは抜本的矛盾だ」
「ベントがあること自身がプラントとしてダメなんだ」とおっしゃられました。今でもそうなんですがそこをマスコミがなかなかちゃんと書いてくれない。

後藤
今も川内原発の再稼働の問題があって、鹿児島県の伊藤知事がおっしゃっていました。「世界に冠たる規制をしていて、福島のような事故は起こらないし、仮に起こったとしても出てくる放射能は福島の1000分の1だ」と、そうおっしゃったのです。

守田
「命の問題は起こらない」ともおっしゃいましたね。

後藤
そうなんです。1000分の1というのは何なのかなあと思ったのですが、あれは多分、格納容器が壊れないことが前提なのですね。格納容器が壊れると桁が違うし、福島どころじゃすまないのですね。
つまり「そういうことはありえない」とおっしゃっているわけですね。私はそこが一番納得がいかない。なぜかというとまさにそれがベントの話なのです。
格納容器というのは何があってもどこまでいっても、最後はその中に放射能を閉じ込めて収束する、それ以上は圧力や温度が上がらない状態があるのだったら良いのです。認めます、そういうことも。
ですけどほおっておくと確実にいくんですよ。(守田注、いくとは格納容器が壊れること)全部、時間の問題で。うまくいくかもしれないけれどもダメな時はいっちゃうのですね。加圧水型でも(格納容器が)大きくても同じなのです。
そういうときに「格納容器があるから」という発想は成り立たない。でもチェルノブイリの時にも言ってましたよね。「日本の原発には格納容器があるから」と、とんでもないことを。
爆発が起こった時には格納容器があろうとなかろうと吹っ飛んでしまうわけですから。そういう非科学的で工学的にも間違っていることをみんな言っていたのです。その中における格納容器でありベントの問題なのです。

続く

 

 

 

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