東海小学校で「学校・家庭・地域を結ぶ集会」がありました。
演題は「よき学び手を育てる」で、講師は、前・十文字学園女子大学教授の松木正子さん。
国語の先生で、国語教科書の編集委員を務められています。
「私、難しい話はしません」の言葉で始まった1時間半の講演は、本当にわかりやすく胸に浸みました。
松木さんは小学校時代に7回も転校し、その度に成績の評価が変わることに、子どもながらにヘンだなって思っていたんだそうです。
自分は昨日も今日も変わらないのに、東京の学校では評価が3、地方に引っ越せば5になる。成績評価は周りの子どもによって変わるって、おかしいよねって。
松木さんがおっしゃる「よき学び手」とは、
①他人の評価を気にせず、課題そのものに夢中になる子ども。
これは勉強は人と比べてどうこう言うものではなく、自分が何をしたいのか何ができるかを考えることが大切で、主体的に学ぶ力をもつことが重要ってこと。
②自分に適した課題を選んで課題に没頭し、なにかができたり分かったりした時に自分の成長をよろこぶ
ここで重要なのは一緒に喜んでくれる人(親)の存在。一人で勉強するよりも、居間で親とやりとりしながら勉強するほうが深い学びになって良いんだそうです。
③興味関心が高く、物事に前向きに取り組もうとする
人(親)に認められることによって自己肯定感をもち、やる気になれ、自らもっと学ぼうと思えるということ。
こんなことを、ご自身の子ども時代や教員生活の経験から、いろんなエピソードを交えて子どもの気持ちに添ったお話を聞かせてもらいました。
国語はあらゆる教科の基礎になるもので、学びを支える「ことば」について、こんな問題が出されました。
以下の文章には誤りが10か所あります。探してください。
「北朝鮮は核基地の視察で団連と合意した。安全保証のうえで多いなる伸展であるが、ヨルダンではイスラエルの専領地をめぐってパレスチナ人とユダヤ入殖者の磨擦が断えないようだ」
10か所、みつかりましたか?
「北朝鮮は核施設の査察で国連と合意した。安全保障のうえで大いなる進展であるが、ヨルダンではイスラエルの占領地をめぐってパレスチナ人とユダヤ入植者の摩擦が絶えないようだ」
授業で漢字を10回書く練習の意味はどこにあるのか?と苦言を呈し、意味を理解して適切に使えるように学ばせることが重要だと、国語の先生ならではの言葉でした。
教育は私たち大人が子どもにできる最大のプレゼントとおっしゃる松木さんの講演は、子どもの頃の気持ちを思い出させてくれ、子どもの目線に合わせた教育を考えさせられました。