47都道府県温泉巡り+旅の都々逸

ぶらりと訪れた街角で詠んだ旅の都々逸を中心に、ライフワークである各都道府県の温泉制覇なんかも気の向くまま紹介します。

騎士の心に思いを馳せて 空へ黙って立つ風車(スペイン/コンスエグラ)

2010-08-26 01:18:11 | 旅の都々逸(世界)
 スペインの道路の案内板は日本の表示と同じ表記で、それほど違和感は感じません。もちろんスペイン語ですが…ただ、ずいぶん先の目的地が乗っているため、どちら方向に向かっているのかを常に気にしている必要があります。知人に運転させ、助手席であぐらをかいていようと思ったのですが、ナビはかなり重要です。これだけ道に迷うのにカーナビも付けてないしまた、左ハンドル、右車線に加えて、スペインにはロータリーがあります。ロータリーでは中に入っている車が常に優先されます。最初は戸惑ってぐるぐる何周もしてしまいましたが、慣れてみると日本の信号よりわかりやすいシステムでした。

 驚いたのは高速のほぼ無料化!これは日本も見習ってほしいなぁ…。市街地を離れるとほかの車と同じく100㎞以上の流れに乗って、快適なドライブとなりました。

 思ったより迷わず、お昼前にはコンスエグラの町に到着しました。遠くの丘の上に数基の風車が見えると鼓動が高まりました。麓の村を抜けて車で坂道を登っていくと、アラブ人が建てた砦と11基の風車がぐんぐん近づきます。

 すでに使われておらず、動かないように鎖でつながれている風車は、見上げるほど高くまさに巨人のようで、近づけば近づくほど圧倒される迫力です。風車には二つほど中に入れるものがあって、観光案内所や土産屋が併設されていました。土産屋で絵はがきとコーラ(150円もした)を購入。そのまま丘の突端の風車まで歩きます。
 
 ドン・キホーテは批判精神に富んだ作品で、風車に突進する有名なシーンはスペインを象徴する騎士姿のドン・キホーテがオランダを象徴する風車に負けるという、オランダ独立の将来を暗示するメタファーだとする説もあるそうです。子どものころ読んだ時には現実と妄想の区別がつかなくなった主人公が織りなす珍道中、と思っていたのですが、改めて読み返すと年老いてからも夢や希望、正義を胸に遍歴の旅を続ける姿に胸が熱くなります。

 見下ろすと、乾いた土色の大地に赤い屋根の家々が立っています。それはまるでかつて見た油絵のようで、どこを切り取っても絵になります。身体に吹き付ける熱風も、この広々としたラ・マンチャ(La Mancha)の平原を渡ってきたものだと思うとそれらをすべて身体に刻みつけたいような気になります。静寂と熱風と、青すぎる空。風に乗って、旅路へ出るドン・キホーテがラ・マンチャへの別れを告げる声がどこからか聞こえてくる気がしました。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素敵な街 (Rei)
2010-09-04 18:23:12
こんにちはtomomashさん。
コンズエラもトレドも素敵な街ですね。
スペインはtomomashさんは2度目なんですね。
私は行った事がないのでtomomashさんの写真や文章をみていると行ってみたくなります。
闘牛もみれましたか?
きれいな風車 (やま)
2010-09-07 11:36:41
有名な風車の話の舞台ってここだったんですね…青い空に癒されます♪
再びの国 (tomomash)
2010-09-07 14:07:07
Reiさん
 同じ国に行くということは滅多にないのですが、最初に行った時の思い出があまりにもよかったので行ってみました。ヨーロッパの町並みと人々の陽気な気質、そして青い空!は本当にいいですよ。いつかぜひ行ってみてください
闘牛も何とかみられましたよ。今後それについてもアップする予定?です(笑)
 コメントありがとうございました。

やまさん
 実はコンスエグラはドン・キホーテの舞台になった町ではない(モデルの町はカンポ・デ・クリプターナと言われています)のですが、人も少ないし、何よりあまり観光地化されていないところがよかったです♪

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