萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか純文学小説×写真×文学閑話

文学閑話:紅葉波×万葉集

2016-12-07 23:00:24 | 文学閑話万葉集
言の葉まがふ



文学閑話:紅葉波×万葉集

安し惹きの 山下光る 毛美知葉の ちりのまがひ波 今日にもあるかも 阿倍継麻呂
あしひきの やましたひかる もみちばの ちりのまがひは けふにもあるかも あべのつぐまろ

安らがせ僕の足ひきとめる、あの山のもと輝く紅葉、
色づいた葉は散り乱れる波に、今日なのだと聞いたけどそうかもしれない?
僕を安らがせる君の頬も紅らんで惹きとめる、君の言葉に乱されて僕は塵みたいに心ひるがえす、そんな今日かもしれない。



『万葉集』第十五巻、遣新羅使が対馬に泊まったとき詠まれた歌です。
新羅は現在の朝鮮半島北部にあった国で、そこへ遣わされる外交官が「遣新羅使」になります。



原文「安之比奇能 山下比可流 毛美知葉能 知里能麻河比波 計布仁聞安流香母」

三句目「毛美知葉」は「もみぢば」と読み、色が変化した秋の葉を意味します。
モミジといえば現在では「紅葉」赤いカエデを言いますが、当時は植物種別もありませんでした。
万葉集でモミジは「黄葉」と表記されることが多いですが、黄色のみではなく赤色や橙色など全てです。
四句目「知里ちり」は「散り」と「塵」、「麻河比まがひ」は「乱い」と「紛い」の掛詞になります。

ちなみに「惹きの 山下光る 毛美知葉」はR18を詠んでいます、なのでココには書きません、笑
そんなワケで相聞歌=恋歌に訳してみました。


撮影地:森@神奈川県

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