萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか純文学小説×写真×文学閑話

写真訳詩:森の星霜×Shakespeare

2016-12-09 22:47:11 | 文学閑話翻訳詩
四季、三年



写真訳詩:森の星霜×Shakespeare

Three winters cold
Have from the forests shook three summers’ pride,
Three beauteous springs to yellow autumn turned

三つの凍える冬たちが
森から三つの夏の驕った美をゆらがせ奪い、
三つの美しい春を黄金の秋へ廻らせる

【引用詩文:William Shakespeare「Shakespeare's Sonnet 104」抜粋&自訳】


撮影地:山梨県、埼玉県


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第85話 春鎮 act.10-another,side story「陽はまた昇る」

2016-12-09 22:27:42 | 陽はまた昇るanother,side story
孤独の航跡
harushizume―周太24歳3下旬



第85話 春鎮 act.10-another,side story「陽はまた昇る」

選ばれなかった愛情、その居場所はどこにある?

「…菫さん、英二は知っているんですか?今お話ししてくれたこと、」

語られた過去に願いたい、どうか知らないならそのままで。
けれど哀しい予測のまま青紫の瞳が言った。

「知らないとしても気づいているでしょう、賢い、鋭い子ですから…だから家を出たのだと思います、」

穏やかな声、でも深い哀しみ疼く。
その優しい瞳は静かに微笑んだ。

「父親にも夫にも選ばれなくても母親になれるひともいます、でも、お母さんを知らない美貴子さんは…どうしたら良かったのでしょう?」

菫色の眼ざしに海が染まる。
ちいさなテーブルむかいあう窓、周太はそっと踏みこんだ。

「あの…英二のお母さんのお母さんは、亡くなられて?」
「そうです、ずっと昔に、」

静かなアルトが応えてくれる。
紅茶やわらかな馥郁の先、過去を見た声は続けてくれた。

「美貴子さんが生まれるとき亡くなられたのです…英輔さんもお葬式に参列されています、お仕事でのお知り合いでした、」

半世紀の過去が紅茶に薫る。
あの女性が生きてきた、その原点が語られる。

「美貴子さんには13歳上のお兄さまがいます、そういうお母さまに美貴子さんは当時として高齢出産です…お産は今よりも命懸けの時代でした、」

生まれた瞬間が死別、それはどんな感情を生むの?

『事故に遭った、ですって?怪我した、ですって?…英二がなぜ、そんなことになるのよ?』

去年三月の声、あの声ずっと最初から。
彼女が生まれた最初からたぶん、彼女は叫んでいた。

“生まれるとき亡くなられました”

自分が生まれる、そのために母親の命を消してしまった。
そんな現実どれだけ彼女は叫んだのだろう?

『なぜ、そんなことになるのよ?』

なぜ?

ずっと叫んでいた彼女の声、あれは五十年の聲。
そんな彼女の願いまた響く、雪の夜の病院の片隅に凍えた声。

『普通に可愛いお嫁さんと結婚して、可愛い孫を見せてほしいの。それのどこが悪いのよ?』

普通に、そう願うあなたは何ひとつ悪くない。

「…だからなんですね、」

想いこぼれて声になる、すこし近づく。
あの凍えた瞳すこし見つめられる、そんな想いに語る声が響く。

「…鷲田さまは再婚されませんでした、美貴子さんは乳母の女性と家宰の男性が育てたのです、鷲田さまも溺愛されて…でも母親にはなれません、」

美貴子の父親が再婚しなかったのは、亡くした妻への想いだろうか?

“溺愛されて”

妻の忘れ形見を溺愛する、そんな人間らしい温度も彼にはある。
それなのに彼はなぜ娘に投げてしまったのだろう、あの言葉を?

『理想の後継者をつくれる、』

産褥に母を亡くした娘、その娘の産後すぐ言ってしまった言葉。
あの言葉すらなければ違ったかもしれない?そんな今にアルトが紡ぐ。

「母親という存在にふれないで美貴子さんは育ったのです、父親の鷲田さまもお忙しくて…親がなにか解からなくても、責められるでしょうか?」

五十年ずっと、ずっと彼女は解からなかった。
そんな時間に生まれた現実へ静かな声は言った。

「そういう美貴子さんなのです、英二さんを愛せなくてもしかたないのかもしれません、でも…私は哀しいのです、」

やわらかなアルトに一滴、紫ふかい瞳あふれる。
白皙ゆるやかに伝わり皺なぞらせて、静かに微笑んだ。

「英二さんは美しくて優秀です、司法試験も学生のとき受かっているんですよ?でも…優れているからこそ残酷です、」

潮騒が聴こえる、君の海に。

「…ざんこく、」

言われたまま声になる、君の貌に。
最後に逢えた笑顔は雪の病室、傷だらけだった貌にアルトが重なる。

「優秀だからこそ人の弱さも痛みも理解しきれないのです、美貴子さんと傷つけあって、そのたびまた…もう素顔の一部です、」

君の素顔、それが「残酷」なの?

そうかもしれない、だって君は美しくて高潔で、高潔なぶんだけ激情も大きい。
優秀だからこそ誇らかに高らかに君は臨んで、それでも見過ごせない記憶こぼれた。

「でも英二は人を救うんです、命懸けで笑って、」

そんな君だから、忘れられない。

「山の英二は本当にきれいに笑うんです、他人の命も自分の命も喜んで笑うんです、山のぜんぶに、」

山を駆ける君を見た、あれを素顔じゃないなんて自分には言えない。
だって見てしまった、肚底まっすぐ立って笑って、泣いても笑って立ちあがる君の傷。

「ざんこくって、英二は残酷なひとだって僕も思います、でも山の英二は本当にきれいなんです、命懸けで誰かを救って笑う英二が山にいます、」

君の残酷さなんて知っている、だって何度もう泣いたろう?
この体どこにも刻みこまれた君の記憶、その傷いくつも軋んで泣きたくなる。

それでも忘れられない、山で笑った君の瞳。

『周太、星すごいだろ?』

紺青色あざやかな山の夜、銀色の星より声が光った。
君の声あざやかに誇らかに輝いて透った、あの煌めき声になる。

「英二は山で生きているんです、ほんとうに笑って泣いています、僕を救ってくれたから僕は知ってるんです、」

初対面は、きらいだった。

『ふーん。じゃ、同期になるんだ、』

あの冷たい瞳が嫌いだった、でも底ふかく君がいた。
そうして警察学校に過ごした時間、なつかしい隣の温もり瞳に燈る。

「僕は知っています、まじめで負けず嫌いで、なきむしで優しい…英二の素顔です、」

想い熱になる、瞳こぼれて頬つたう。
ゆるやかな熱の航跡に君が響く、この窓から今は遠くても。

『空で繋がって俺は、いつも周太の隣にいるよ?』

奥多摩の山頂に笑った君の声、あの瞳ふかく澄んで眩しくて。
あの笑顔どうしても護りたい、ただ願い瞳まっすぐ見つめた。

「教えてください菫さん、英二は鷲田さんの養子になったんですよね?それは英二の進路がどうなることなんですか?」

この答もう聴いてきた、その裏付けしてもらうだけ。
ふたたび聴くだろう現実に心臓が敲きだす、それでも視線まっすぐ言った。

「どうしたら英二を自由にできますか?山で生きてほしいんです、だから僕は、」

だから僕は、君が笑ってくれるなら厭わない。
だって好きだ、あの頬の傷痕に笑った君が。

『最高峰の竜の爪痕だよ、山に生きる御守なんだ、』

あの誇らかな瞳きらめくならそれでいい。
だから僕は、

「だから僕はそのためなら後悔しません、逢えなくなっても、」

君の笑顔が好き、だから君は君を棄てないで?

『俺は、最高峰から世界を見つめたい、』

君の自由に君は生き続けて、あの笑顔は失わないで?

※校正中

(to be continued)

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お知らせ掲示板2016.12.9夜

2016-12-09 22:27:17 | 掲示板&目次
ご閲覧ありがとうございます、すこしでも楽しんで頂けたら嬉しいです。
この9月でブログ開設5周年&「side story」の連載も5年を迎えました、読んで下さる方あって続けられたなって本音です。
で、9月24日現在で閲覧数2,288,932PV/訪問者数457,699IP お蔭様で210万/40万を超えました。

先日こんな記事をUPしました→「あらためて無断転載お断り」
ここを読んでくれるのはありがたいけれど、勝手に使われることはお断りです。

【メッセージ2016.12.9夜】

眠いです、、さっき寝落ちしたくらい、笑

another, side story 第85話「春鎮 act.10」UPしました、読み直したら校了です。
Aesculapius「Minerva42」また加筆します。

Aesculapius「Minerva41」読み直して校了、
another, side story 第85話「春鎮 act.8・9」校了。

Aesculapius「Minerva40」+第85話「春鎮 act.9」校了、side story第58話「暮春17」読み直して校了。
Favonius「少年時譚、夏の杜 act.41」読み直し校了、夏休みターンなんとか年内に終えたいとこですが、笑
サイドバーのカテゴリー「side story」+「Aesculapius 杜嶺の医神」+「 Favonius‐Aesculapius side K2」よりどうぞ。

取り急ぎ、智

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メールでのコメントはこちらまでお寄せくださいtomoei420@gmail.com

【ページの見方】カテゴリーで各話まとめて閲覧できます。
 二次小説は「side story」「another, side story」はドラマ陽はまた昇る続篇、宮田と湯原その後を連載中です。
 オリジナル「Aesculapius」の設定&登場人物を二次小説「ss」と「a,ss」にも使っています、二つの違いを比較して読むのもおススメです。
 他、連載中の「Favonius少年時譚」「Savant」はオリジナル「Aesculapius」のサイドストーリーになります。
 Lost article「天津風」は「Aesculapius」主人公・雅樹の兄が「side story」のサイドストーリーとして主役しています。

【目次】本編「Aesculapius」と二次「side story」に分けてあります、ちょっと目次も長くなってきたので。

読者ボタンなるものが出来たそうです
プロフィール欄の写真下にボタンがあります、励ましにでも押してくれたら嬉しいです、笑
ワガママにお付き合いくださって、バナー押してくださる方達へ
忙しい時も時間作って描き続けられるのは、あなたのお蔭が大きいなあと心から感謝です。
そのお返しにって感じで1日の掲載件数を増やしてきました、楽しんで頂けたら嬉しいです。
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手数ちょっと多いですが小説ほか面白かったら押してください、笑

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■「side story」ドラマ・陽はまた昇るの続編&補完小説―追捕編を連載中です
 ドラマ本篇の設定・エピソードに準拠して、宮田英二と湯原周太の今後を純文学で書いていきます。
 ※ドラマ設定に準拠+現実の現場を書いています、その為にリアルとの違いもあります
 ※その後の宮田と湯原の成長を二人の関係=警察官と人間的成長の鍵にしています

■「Aesculapius」山に生きる青年医師・吉村雅樹を描く純文学小説、オリジナルです。
 2011年9月から連載の「side story」はコレの二次作品でもあります。
 不定期掲載「morceau」は予告編的掌小説です、「side story」の二人も同じで違うカンジになってます。

  【資料出典】『人の子よーある医師の自分史』吉野住雄:青梅警察署嘱託警察医
         『ある警察医20年の足跡』大西雄二:宮崎北警察署警察医
         『死体検案ハンドブック改訂3版』的場梁次・近藤稔和編集
         『死刑囚の記録』加賀乙彦:東京拘置所精神科医官
         「死体検案時における射創の検査」青木康博:岩手医科大学医学部法医学講座
         「死体検案の現状 警察医の憂鬱」早川 睦:千葉大学大学院医学研究院法医学教室 
         「法医学の最近の話題~司法解剖の増加と近未来」大野曜吉:日本医科大学法医学教室
         「我が国の検死制度― 現状と課題」中根憲一:行政法務調査室
         『山岳救助隊日誌』金邦夫:警視庁青梅署山岳救助隊副隊長手記
         『遭難者を救助せよ―富山県警山岳警備隊』細川勝:富山県警山岳警備隊員実録
         『レスキュー最前線 長野県警察山岳遭難救助隊』長野県警山岳遭難救助隊編
         『ドキュメント気象遭難』『ドキュメント滑落遭難』羽根田治:遭難事故実録
         『ファーストエイド・ブック』悳秀彦:日赤救急法指導員・米国赤十字救急救護CPR指導員
         『登山の運動生理学百科』山本正嘉:国立鹿屋体育大学助教授
         『図解特殊警察』毛利元貞:警察方面コンサルタント資料
         『警視庁・特殊部隊の真実』伊藤鋼一
         『森のバランス 植物と土壌の相互作用』清野嘉之ほか共著・森林立地学会編
         『ギリシア・ローマ名言集』柳沼重剛編・岩波文庫
         『奥多摩の民衆芸能と山』渡邊唯夫
  【参考資料】現場OBブログ、現場公式サイト、「山と渓谷」「岳人」「山と高原地図」シリーズ他

  <注意書または設定説明> 初来訪の方ご留意ください
  ※現場手記がベースな為、遺体・事故・犯罪・低層暗部などリアルの辛いシーンも時折あります。
  ※ランキングカテゴリにBLも登録していますが実在の同性愛を基にする為シビア&家族や周囲との対話が主になります。
  (趣旨は2012.10.18「時限付日記:マイノリティを書くのなら」ご参照ください)
 ※著作権法令のため無断での転載・剽窃等ご遠慮ください、小説・コラム・写真いずれも事前のご相談をお願いします。(詳細最下欄ご参照下さい)

■カテゴリー
 サイドバーの「カテゴリー」をクリックすると、そのキャラクタ―視点で繋げて読めるので解かり易いかもしれません。
1)掲示板&目次 
2)解説:背景設定 ―実際の現場についての解説や、リアルと創作の相違。
3)解説:人物設定 ―キャラクター紹介や物語設定など。
4)解説:用語知識 
5)解説:山岳点景 ―舞台になる山の風景ほか
6)文学閑話散文系 ―小説から学術書まで、文学に関する徒然書き
7)文学閑話韻文系 ―作中の引用詩をメインに和歌、漢詩、+α
  文学閑話万葉集 ―『万葉集』の自訳&解説
  文学閑話外国詩 ―西洋詩+自訳&解説、ワーズワースなど英国詩メイン・ロンサールやランボオ他フランス詩も。
8)創作短篇 ―さらっと読める読切短編です。2014.04.08「一滴の戴冠―The thread of Life, Ariadne」ほか
9)Aesculapius ―山の青年医師・吉村雅樹の物語
10)Introduction of Aesculapius―本編「Aesculapius」の序章、雅樹と光一の視点が交互に描かれます。
11)side k2,Aesculapius ―吉村雅樹20歳の視点
12)Favonius‐Aesculapius side K2 ―吉村光一の視点、12歳~
13)Introduction of Favonius‐Aesculapius ―光一5歳の物語+光一8歳「Lettre de la memoire」
14)Aesculapius S.P
15)short scene talk ―本篇「Aesculapius杜嶺の医神」の幕間短編、会話分だけで気軽に読めます。
16)Aesculapius ext ―特別編、クリスマス三部作など
17)side K2 ―side story版・国村光一の視点、23歳と5歳
18)Savant ―英文学を学ぶ湯原馨と仏文学を学ぶ田嶋紀之、山ヤの文学生ふたりの物語
19)P.S 花園より、想い束ねて―side story版・由希の視点、花屋の店主になっています。
20)Lost article ―書籍編集から研修医になった吉村雅人の物語。
21)Eventually Comes True ―英二の姉・英理と関根の物語、恋愛と家族の物語
22)side S.P extra ―特別編、クリスマス三部作など
23)morceau ―連載中の小説「Aesculapius」の掌小説&予告短篇、さらっと読めます。「side story」と同じで違う二人も登場。
24)陽はまた昇るside story ―宮田英二の視点、第10話からドラマ以降な為ほぼオリジナルになります。
25)dead of night 陽はまた昇る ―宮田英二の短編 
26)陽はまた昇るanother,side story ―湯原周太の視点、第10話からドラマ以降な為ほぼオリジナルになります。
27)short scene talk SS ―「side story」の幕間短編、会話分だけで気軽に読めます
28)陽はまた昇るP.S ―閑話休題「P.S,side story」警察学校・初任科教養時代のエピソード&他の人物の視点での物語
29)明日香の風に歌聞かせ ―『万葉集』引用歌をベースにした掌小説、宮田・湯原の未来日記もあります。
30)創作・現代 追憶は青く
31)雑談 ―「雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚」など
32)写真彩々 

■目次
このトップページの数ページ後(直近UPターンの後)になります、まだ編集中ですが随時整備いたします。
イメージイラストも有。ストーリーを戻って読むなどご参考になれば嬉しいです。

<ちょっと覗いてみるなら>雰囲気解りやすい各話を下記ピックアップしてみました
『Aesculapius』
 第1章「Manaslu act.13」2013.11.11 医学と生死に向きあう想い
 第1章「Manaslu act.16-18」2013.11.15 生命倫理、試験管児と同性婚の現実
 第1章「Manaslu act.22」2013.11.25 山岳遭難の遺族と想い
 第5章「Chiron act.13-15」初めて警察医として死体検案に臨む現実

『Savant』
 Vol.1「Impression 知の明眸 act.6」2013.10.06 初めてライバルに出逢った文学生の想い
 Vol.2「Attempt 峻嶮の恭 act.6」2013.11.19 英文学&ワーズワスと母に抱く願いと夢
  
『side story』
 第11話「奥津城1~2」2011.09.29-30 宮田サイド
    初めての死体見分に向合う宮田、縊死自殺遺体と尊厳の対峙(注意※警察現場リアルシーン有)
 第15話「山懐1~3」2011.10.15-18 宮田サイド
    敬愛する山ヤの死に向合う宮田(注意※警察現場リアルシーン)山ヤの警察官として生きる信条を固めるターンです
第67話「陽向」2013.07.18、21、23、25、27、31、08.02 湯原サイド 入隊テストを明後日に控えた一日
   大学での無言の別離と「recherche」への想い、青木樹医の語る祖父の芳蹟と田嶋教授と父の過去、父の論文集。
第64話「富嶽」2013.04.08、10、11、14、15、20、05.14、13 宮田サイド
   山岳救助隊副隊長・後藤との富士登山、後藤の病状と宮田の想い
第63話「残証」2013.03.24、28-30、04.01、02 湯原サイド 【引用文:Edward Hallett Carr『What Is History?』】
   銃器レンジャーの先輩・箭野との対話から美代と手塚との進路への対話。祖父・晉を知る田嶋教授との出会い
 第X話「冬三夜―Bonheur de l'ange」2012.12.27-30 クリスマスイヴをめぐる山岳地域の現実と夢の物語。
 第42話「雪陵」2012.05.02-10 クライマーなら避けて通れない「慰霊登山」をめぐる祈りと覚悟の物語。
 第41話「久春」2012.04.27 同性愛である現実と家族・家の問題、その分岐点で親が子を想う真実
 第40話「冷厳」2012.04.12-13、18-19 山岳救助隊の厳しい現場、公人としての立場との葛藤
 第40話「凛厳」2012.04.15-17 山岳救助隊の家族が抱く覚悟、同性愛をめぐる対峙
 2012.01.16‐21「高峰」…冬富士の荘厳と峻厳な「魔の山」、山ヤで山岳救助隊員の誇りと友情と恋愛
 2011.12.01-04+07「山霜1~5」…山岳救助隊の現場と山ヤ(職人気質のクライマー)の誇りと友情(注意※現場リアルシーン有)

※全ての原稿・資料・写真等の著作権は著者・作成者に帰属します、 無断での使用および配布は禁止します。創作・二次とも無断での転載・剽窃等はご遠慮願います。
すみません、心底嫌な思いをして閉鎖も考えた経験からこの一文を掲載しています。連載を始めたばかりの頃で衝撃でした、笑
犯罪被害だと法的手段の案も出てWEB公開に嫌気もさしましたが、毎日楽しみに読んで下さる方からメール頂いたので公開を続けています。
連載中の小説はドラマ続篇もありますが人物設定・住居背景など資料や現場を調べて構成した90%以上オリジナルです、無断使用はご遠慮ください。
文章を書く以上「書き手の最低限のマナー」は書き手のプライドです、軽いノリで剽窃を正当化する方もありますが大怪我の問責事項です、最近の話題にもご存知だとは思いますが。もし遣いたいと思ってくださる方いらしたら事前のご相談お願いします。

HNを変えてもサイトを隠しても隠す以上は恥さらしだって自覚がある、解ってる癖に恥さらしっぱなしはホントミットモナイヤツだなと。ミットモナイ奴に自分の書いたモン勝手されんのホント不愉快、真似されるだけイイんだよとも言われたけどお断りです、笑
どんなに下手でもオリジナルの文章は言葉から力があるけど、盗作や剽窃など他人のモン盗んだ文章は性根から歪みます。
だから自分の作品からは剽窃真似っこお断り、遣いたい時はご相談お願いします。

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師走八日、常盤山櫨子―Brynhildr

2016-12-08 22:32:02 | 創作短篇:日花物語
一瞬の永遠
12月8日の誕生花



師走八日、常盤山櫨子―Brynhildr

呼吸が凍る、寒さに、それから君。

「…それ、どういうこと?」

問いかけた唇に靄が白い。
息くゆらすごと凍える森、赤い登山ジャケットふりかえる。

「今、言ったまんまだけど?」

なんでもないこと。

そんな声と瞳が笑っている。
赤い肩ごし君は笑う、けれど私は笑えない。

「言ったまんまって…なんでそんなとこ行くの?」

なんで君、いつも君はそうだ。

なんでもない貌して笑って行く、でも私は違うのに?
それなのに赤い背中ひらり雪を舞って、いつもの家路に笑った。

「行きたいから行くんだよ、いつも言ってんだろ?」
「行きたいからって、危ないんでしょ冬は?」

言い返して雪が舞う、深々ふかく静寂つもる。
さくり雪ふむ君の脚、そのトレース明るい瞳が笑いだす。

「アブナイから準備シッカリいつも登ってるよ、去年もその前も俺、そうしてたろ?」

いつも登ってる、そうだ君はいつもそう。
そんな「いつも」のたび想う本音、雪に舞った。

「そうしても、なんで…そんなことしなくちゃいけないの?」

そんなこと、の理由もう何度も訊いている。
もう何度も話してくれた、わかっている、それでも雪の横顔が笑った。

「すげー世界が見られるからだよ、で、生きてよかったなあって想えるんだ、」

君が笑う、誇らかに雪に舞う。

『すげーきれいだったぞ!』

幼い君も笑っていた、あのころと君は変わらない。
あのまま大きくなってしまった青年に本音こぼれた。

「生きてよかったなあって…それで危ない目に遭ったらどうするのよ?」
「危なそうなら行かねーし俺、無理しないよ?」

朗らかなトーン言い返す、その声も記憶より低い響き。
いつのまにか大きくなった幼馴染の雪の道、見あげて掌さしだした。

「だったら、無理しないブレーキあげる、」

受けとってくれるだろうか、君?

こんなふう何かあげること何度めだろう、もう数えきれない。
数えきれない時間の共有者は雪さくり、たちどまり受けとってくれた。

「お守りか、ありがとな?」

赤い錦袋、ふわり笑顔ほころぶ。
ほら君はいつもこうだ、そんな貌するから怒りきれない。

怒りきれない、その本音いつになったら言えるのだろう?

―ずるい、こっちばっかりいつも、

ずるいこんなの、隣で育ったのに不公平だ。
不公平なスピード募りゆく想い、こっちばかり独り想うだけで。
こんな本音もう気づいて時間どれくらい?想い見つめる雪、けれど君が笑った。

「俺さ、撮る時よくオマエのこと想いだすよ?」

なんて言ったの、今?

「…なんで?」

つい訊き返す、もういちど聴かせてよ?
願い雪つもる道、明るい瞳からり笑った。

「なんでだろな?見せたいなって想うんだよ、で、シャッター押してる、」

どうしよう、なんだろう頬が熱くなる。

「ん…見せたいなって、わたしになんで?」

尋ねて単語ごと熱のぼせる、頬ふわり熱い。
熱くて逆上せて額とくとく鼓動する雪、白い吐息が笑う。

「きれいなモン見せたいだろ?」

雪ふる森ふるさと白い道、真紅まぶしい肩に雪が舞う。


常盤山櫨子:トキワサンザシ、ピラカンサスの赤色種でヨーロッパ東南部原産。花言葉「燃ゆる想い、快活、慈悲、愛嬌、防衛、美しさはあなたの魅力」

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雑居雑談:或る日、好きなもの

2016-12-08 19:55:00 | 雑談
悪戯坊主がふみふみしているのは、元・ニットパーカーです。
ちび猫だった悪戯坊主@初めてのお留守番のとき、身代わりに与えて以来のお気に入り。
で、猫のふみふみ=子猫が母乳を吸う仕草の名残り=あまえる仕草を毎日ずーーーっとしているわけで。



が、先日=晴天だった休みに悪戯坊主の隙を狙って略奪→洗濯し、
その洗濯機に「あーーんっ」と細いカワイイ声で泣かれたりもし、笑
太陽に乾して無事すっきりキレイになったところで返したら、即・ふみふみ開始して、

で、しばらくこんなカンジ↓に乗っかって見張っている悪戯坊主でした。笑



小説UP準備中しつつも風邪ひきそう?なのでトリアエズ悪戯坊主日記を、笑

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