萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか純文学小説×写真×文学閑話

花木点景:夏の白、蝶も花も

2016-07-29 19:38:01 | 写真:花木点景


花木点景:夏の白、蝶も花も

夏の山野草、四葉鵯草ヨツバヒヨドリ。
見なれたはずのモンシロチョウも霧けぶる山に幽玄です。

撮影地:三頭山@東京都奥多摩

のちほど小説UPしますが・取り急ぎ写真まで、笑
霧×花と蝶ちょっと和んだら↓
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山岳点景:野辺の夕暮

2016-07-28 23:50:19 | 写真:山岳点景
光陰、朱色×モノトーン



山岳点景:野辺の夕暮

黄昏の川縁で。

撮影地:犬蓼イヌタデの花@埼玉県秩父


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花木点景:夏道の青

2016-07-28 23:39:00 | 写真:花木点景
目の涼風



花木点景:夏道の青

暑中の道、涼む青いグラデーション。


撮影地:萼紫陽花ガクアジサイ@山梨県小菅村

真夏の青ちょっと和んだら↓
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文月二十八日、露草― nostalgic song

2016-07-28 08:00:29 | 創作短篇:日花物語
歌声の晨
7月28日の誕生花



文月二十八日、露草― nostalgic song

霧の底、歌が湧く。

「…あら?」

白紗こめる道の先、遠く近く低い声。
唸るよう低いクセ澄んで透ってくる、街路樹かすむ朝に昇りゆく。
前ゆく茶色の尻尾すら白くかすむ、いつもの朝の散歩、けれど白く籠める霧の道を歌が来る。

この歌どこかで?

「謡?かな…」

つぶやいて唇そっと霧ふれる。
やわらかな湿度が衿もと濡らす、歩きなれた靴も浸みてゆく。

そして歌声が近づく。

…暁ごとの閼伽の水、月も心や澄ますらん…

朗々ふかく低く響く、このトーンは謡曲だろう?
だって記憶の底ゆすられる。

『ごめん、遠距離恋愛とか無理なんだ、』

ほら記憶の声も低い。
あの声に一喜一憂していた過去、その幸福も涙も今は遠い。

…月もかたぶく軒端の草 忘れて過ぎしいにしへを しのぶ顔にていつまでか…

ほら、歌声まで「いにしへ」だなんて?

「ふふっ、」

つい笑って鼓動が軽い、だってなんだか若返る。
もう遠くなってしまった初恋の夢、その光が霧の歌にちりばめる。

…待つことなくてながらへん、げになにごとも思ひ出の、

ほら「思い出」なんて唄われてしまった。
ほんとうに想い映しだす霧の声、霧の道、現実どこか今のすべて消えてゆく。
あるはずの家並も白いカーテンに融けて、街路樹も淡い道すっと銀髪きらめいた。

「人には残る世の中かな、」

声、至近距離。そして銀髪と黒い瞳。

「…っ、」

息がつまる、こんな間近まで気づかなかった?
それほど霧は濃かったろうか、途惑い見つめた瞳も瞬いた。

「これは…失礼しました、」

黒い瞳ゆっくり瞬く、その睫が白い。
けれど濃やかに長くて、そっと揺すられた昔の声が言った。

「違っていたら失礼、藍子さんではありませんか?」

どうしてその名前?

「…いいえ、でもどんな字を書きますか?」

否定しながら訊いてしまう、だって心臓が敲く。
なにか兆す霧の道、白い睫の瞳そっと微笑んだ。

「藍色の藍に子供の子です、でも人違いに決まっていました、失礼、」

微笑やわらかに会釈する、その声やっぱり懐かしい。
たしかに「人違い」で、けれど懐かしくて尋ねた。

「あの、どうして人違いに決まってるんですか?」

人違い、そうに決まっている。
だって自分は「藍子」じゃない、けれど人違いじゃないかもしれない?
ただ縋りたい想いに深い声が微笑んだ。

「あなたはまだ若い、私の知っている藍子さんは六十過ぎですから、」

人違い、でも。

「…わたしが知っている藍子も、六十すぎています、」

息詰まる、それでも声に出来た。
この意味どうか届いてほしい、願う真中で白い睫またたいた。

「違っていたら失礼、あなたは藍子さんのお嬢さんですか?」

ほらそうだ、でも心臓が疼く。

―やっぱりそう、ね?

だって今さら知ってどうなるの?
だって遅すぎやしないか、それでも知ってしまう?

「…わたしは、」

声押しだす、でも途惑いに心臓ふくらむ。
不安が潰す、心臓が鼓膜を敲く、だって拒絶されたらどうするの?

―そうよ、家族があるだろうに今さら…もめるだけ、ね?

鼓動そっと呑みくだす、言葉もう消してゆく。
だって真実を知る、それが全ての終わりかもしれない?

―知って疎まれるくらいなら、ね…。

それなら知らないままでいい、だって知らなければ夢も愛も信じられる。
そんな想いただ微笑んで、けれど深い低い声は微笑んだ。

「よく似ている、藍子さんだと想いました、」

ほら、心臓を掴まれる。

「…、」

こんなこと言われたら期待してしまう、でも呑みくだす。
告げない方がいい真実、真実はそのまま夢でいい。
けれど懐かしい声は微笑んだ。

「藍子さんはお元気でしょうか?お逢いしたいのですが、ご迷惑になりますか?」

ああ、夢が現実になる?

「…どうして逢いたいんですか?」

ほら声がでた、この質問ずっとしたかった。
願い佇んだ霧の朝、ずっと写真だった顔が現実に微笑んだ。

「私の初恋だからです。白状してしまうと、この町を歩けば会えるかと帰ってきました、」

おかあさん、今、聴いた?

「藍子さんは夏の朝、露草を見に散歩するの好きでしょう?だからあなたを見た時どきっとしました、昔の藍子さんそのままで、」

つむぐ深い低い声、ほんのすこし照れている。
だって白い睫そっと笑った、この瞳も声も知らないのに懐かしい。

「こんなふうにまた逢えたなら運命だと想いました、こんなことお嬢さんに恥ずかしいですが、」

おかあさん、今の聴こえた?

「…もういいかな?」

唇のなか呟いて、とん、膝に温もりふれる。
三角耳かしげる瞳つぶらに見つめて、愛犬の鼻そっと撫でながら訊いた。

「恥ずかしいのは、なぜですか?」

なぜ?

まずそれを教えて、そうじゃなきゃ真実が言えない。
その理由次第で決められる、願うまま声が微笑んだ。

「片想いは恥ずかしいでしょう?こんな齢になっても未練がましいなんて、若い人にはどう見えますか?」

片想い、未練がましい?そんなの全部こっちこそだ。

こっちこそ全部ずっと想っていた、忘れられなかった待っていた。
ずっと諦められなかった想い、憧れていた瞬間、そうして訪れた今に笑いかけた。

「すぐそこが家なんです、今、お寄りになりませんか?朝だと庭の露草がきれいなんです、」

どうか家にきて、そして諦められなかった名前で呼ばせて?
そうして言わせてほしい、ずっと言ってみたかった名前で唯ひとつ言葉を。

【引用詩文:謡曲「井筒」】


撮影地:露草@東京都奥多摩
露草:ツユクサ、異称「ツキクサ月草・鴨跖草、藍花、蛍草」学名 Commelina communis 、
花言葉「懐かしい関係、尊敬、変わらぬ想い、恋の心変わり、密かな恋、小夜曲」

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第8章 Minerva 智慧の盾 act.22-Aesculapius 杜嶺の医神

2016-07-27 23:01:08 | Aesculapius 杜嶺の医神
L’affronter horisontalememt 平行線の途次
雅樹28歳・光一13歳8月下旬



第8章 Minerva 智慧の盾 act.22-Aesculapius 杜嶺の医神

ほら、離れてもわかる君の声。

「のーぞむっ、コレこのあいだ言ってた本だね、」

その本どれだろう?

「…、」

かわいい声が応える、でも聞き取れない。
階段ぱたぱた足音3つ、すぐソプラノが笑う。

「それって光ちゃん、このあいだ…」

聴き慣れた声、でも聞き取れない。
続き何を言っているのだろう?解からないまま声また増える。

「おーい、光一ちょっとこれ…」
「幸衛なになに?」

ぱたぱたっ、スリッパ駆けて遠くなる。
走ったらダメだと言ったのにな?困りながら扉ぱたん鳴って呼ばれた。

「おまたせしました、吉村先生は紅茶の冷たいのお好きでしょうか?」

からん、涼やかな氷の音に笑顔が優しい。
黒髪ゆるやかに束ねた女主人に雅樹はソファを立った。

「お気遣いすみません、玄関先で失礼するつもりでしたが、」
「それはダメです、楽しみにしていたのにって主人に叱られます、」

やわらかなアルト笑ってくれる。
その瞳が黒目がちで、よく似ていて頭下げた。

「美代までお世話になってすみません、希くんにもご迷惑ではありませんか?」

この母親そっくりの瞳した少年はどう想っているだろう?
心配とむきあう応接間、華奢な夫人はふわり笑った。

「希は喜んでますよ、迷惑だなんてどうして?」


※加筆校正中

(to be continued)

【引用詩文:Rene Char「Feuillets d’Hypnos」より】

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