能率技師のメモ帳 中小企業診断士&社会保険労務士のワクワク広島ライフ

マネジメント理論を世のため人のために役立てるために・・・経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

ライフシフト 100年時代の人生戦略 働き続けることのデキるキャリア開発でワークをシフトしていく技術

2016年11月12日 | 本と雑誌

こんな生き方をしてはいけない!

卒業後すぐに就職し、ずっと同じ会社で働こうとする。

永続する企業を目標にし、全てを仕事に捧げる。

休日をレクリエーション(娯楽)にあてる。

けっこう、ショッキングなコピーです。

人が、100歳まで生きる時代の人生戦略、キャリア戦力を説いた本が売れています。

 

ライフシフト 100年時代の人生戦略

リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著

東洋経済新報社 1800円+税

前著「ワークシフト」がベストセラーになったリンダ・グラットンさんの新刊。

グラットンさんは、ロンドンビジネススクール教授。人材論、組織論の世界的権威です。

 

LIFE SHIFT ライフシフト」では、人生100年時代を、どう生きていくかについて提言。

従来のような、教育・仕事・引退モデルでは、100歳までの時間を乗り越えられないことを指摘しています。

教育を受ける期間・・・仕事をする期間・・・引退した後の期間・・・

20数歳で学校を卒業し、就職・・・60数歳で定年、リタイア・・・そういう人生計画は、今からの長寿時代では成立しないだろうと主張します。

 

同書の序文では、日本を「幸せの国」と位置付けていますが、同時に、日本の直面する課題を指摘します。

 

4050代の人は、働き始めた時、60代で引退するつもりだったろう。

しかし、あなたの職業人生は、少なくともあと25年続く可能性が高い。

しかも、これから訪れようとしているのは、スキルの価値が瞬く間に変わる時代だ。

そういう時代には、手持ちのスキルでよしとせず、新しいスキルの習得に力を注がなくてはならない。

 

本当に、そのとおりだと思います。

さらには、テクノロジーの進化は、働き方をも一新させます。

AI、ロボット、ビッグデータ、ドローン、シンギュラリティ・・・。

コンピュータに出来る、代替できる定型業務は、どんどん駆逐されていくことになるでしょう。

そのためには、著者の言う「レクリエーション(娯楽)ではなく、リ・クリエーション(再創造)」。

時間があれば、その一部を自分のスキル開発のために当てなければならない時代になりました。

そして、働き続ける・・・。

 

日本でも、急速な少子高齢化により、年金の支給額は減額されていくでしょうし、支給開始年齢も68歳とか70歳になる可能性もあります。

とすれば、70歳や75歳までは働き続けなければならないということになるでしょう。

 

ライフシフト・・・人生計画に対する考え方を変えていかなければならない時代に入ったと同書は指摘します。

 

目次

序章 100年ライフ

第1章 長い生涯 長寿という贈り物

第2章 過去の資金計画 教育・仕事・引退モデルの崩壊

第3章 雇用の未来 機械化・AI後の働き方

第4章 見えない資産 お金で換算できないもの

第5章 新しいシナリオ 可能性を広げる

 

第6章 新しいステージ 選択肢の多様化

第7章 新しいお金の考え方 必要な資金をどう得るか

第8章 新しい時間の使い方 自分のリ・クリエーションへ

第9章 未来の人間関係 私生活はこう変わる

終章 変革への課題

 

同書のコアは、第4章の、「見えない資産」。

お金で換算できない3つの資産をセルフマネジメントすることの重要性を説きます。

 

1 生産性資産・・・スキルと知識、仲間、評判

2 活力資産・・・健康、自己再生の友人関係

3 変身資産・・・自分についての知識、多様性に富んだネットワーク、新しい経験に対して開かれた姿勢

 

特に大切なのは、「変身資産」。

いかにフレキシブルに対応し、変わり続けるエネルギーを持ち続けられるか?ということだと思います。

チャールズ・ダーウィンの言葉・・・

「強いものが生き残るのではない。賢いものが生き残るのではない。環境に適応できるものが生き残るのだ。」

人生100年時代・・・健康やお金は、もちろん大切です。

そして、その上に、働き続けることのできるスキル、知識、専門性、モチベーションをいかにメンテナンス、バージョンアップし続けるかということだと思います。

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