ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

ゆかたに靴…

2011-08-03 20:15:16 | 着物・古布

 

ちょっと蒸し暑かったんですが、着ました。

手抜きで、手近にあった古いほうのデジカメのセルフで撮ったら、なんかおかしい…。

6枚中4枚が全くピントが合わず、そのうち1枚はフラッシュがたけてませんでした。

あらら、デジカメが夏バテかね?

 

 

先日、ある男性のブログで「お祭りの日に女性の浴衣姿が多く見られて」という記事がありました。

「しかし」と続いていて「靴をはいている人が…」と。

写真も載っていました。確かにゆかたに「靴」でした。

靴といってもいわゆる「リゾート用のサンダル」、たとえば昔のジュート巻きみたいな感じの色合いで、

足首にバンドのついてるのとか…でもやっぱ、そりゃ「くつ」…です。

 

ついこの前まで「ミュール」というのがはやってました。今もあるのでしょうが、なんか下火ですかしら。

私はあのミュールほど中途半端で危ないものはないと、そんな気がしています。

どんなにキレイな装飾がしてあっても、靴なのかサンダル(いわゆる「つっかけ」という意味の)なのか、

形もどっちつかずだし、立っているだけなら足もきれいに見えますが、いざ歩くとペタンペタンとだらしない。

カカトを包んだり、足首に固定したりするものがないのにヒールが高いですから、

コケやすいし、コケたらケガ、ですね。

それでも、ゆかたにミュール…は当たり前のように履かれてたように思いますが、ついに靴ですか。やれやれ…。

 

結局あとどれくらいかわかりませんが、いつかゆかたに靴でも当たり前になっていくのでしょうね。

こういう文化というものは「ファッション」という名前で、若い人たちが作っていくものです。

私はいつもいいますが、変わっていくことは当たり前なのです。

ただ、それはいろんな積み重ねの上に、更に積み重なることによって変わらないと、

なんでもいいわになって、本来のものがわからなくなってしまうと思います。

 

昔のことばっかし古いのよ、とか伝統とかなんとかうるさいこといわなくたって、好きにすればいいじゃないと

そんなことを言われるかもしれませんが、私はそれでも「守るべきものはある」と思うのです。

実は洋服だって、ずっと守るべきことは守られてきています。

まして洋服はずっと絶えることなく積み重ねられての変化という、当たり前の筋道をちゃんと通っています。

だからいくらファッションはかわる、流行はどんどん生まれる、といっても、

スーツの下にTシャツでネクタイはありえないし、水着にハイヒールはミス・コンだけでしょう。

「それに合うもの」というベースは、普遍的なものだと思いますし、大事だと思います。

 着物というものが忘れられたとき、ついでにゲタも忘れられていきました。

子供のころ、ほとんど洋服の暮らしでも、家に帰ればゲタも履いたし、

勝手口の土間には、庭に出たりするためにいつも歯のちびたゲタがありました。

そんな光景も今はありません。

ゲタが敬遠されるのは、慣れないと鼻緒ズレができて痛かったり、歩きにくいからでしょう。

確かに、ゲタという履物には「履き方」があって「歩き方」があります。

子供のころから履いているものにとっては、ゲタを履けば、下駄の履き方歩き方に自然となるので、

別に何も困らないのですが、今まで履いたことのない場合は、たぶんとんでもない履物…ではないでしょうか。

靴のように、足全体を包み込むことで安定を保っているものと違って、

ゲタは自分の足の指で鼻緒をはさむことで安定を保ちます。

初めて履くと、頼りないので、指をしっかり鼻緒のおくまで突っ込んでしまい、前つぼきっちりまで行ってしまう。

靴のように全体が足についてきてくれないから、へんなところに力が入る…。

ゲタも草履も、ちょいとつっかけて…くらいでいいわけですし、慣れればつっかけてもだらだら引きずらずに歩けます。

最近は靴に似せて、足の裏のカーブにあわせ、ちょっとカカトの高いゲタも今はありますが、

実はゲタの先が下がっていると、足がそのまま前にずれて、結局は鼻緒を強くはさむことになってしまいます。

だから初心者ほど、ゲタは平らなものの方がいいのです。

ゆかたにレース足袋を履く、というオシャレがあります。ひたすら暑苦しいだけだと、私は思いますが、

鼻緒ズレ防止にはいいのかもしれません。でも、足袋を履くなら、余計にゲタは平らでないと滑ります。

 

もろもろのめんどくささや、「痛み」を防ぐためには、靴…が一番なのでしょう。

たとえカカトが10センチあろうと、履きなれていますからねぇ。

普段ゲタをはかない限り「鼻緒のついた履物」になれることはなく、夏祭りの数日だけになってしまう。

結局は「積み重ね」がないから、今都合のいい新しいものがニュー・ファッションとして認められてしまうのですね。

今後、みんながそうなって違和感がなくなったら、若い人の「茶髪、てんこ盛りヘア、ひじきのせたような眼ぇ黒々メイク、

デコ爪、黒地にバラ柄の浴衣、レースの飾り衿、キンキララメにふわふわリボンつきの帯、

ジャラジャラ帯び飾りにそして『くつ』…」 というのが定番になっていくのでしょうか。ヤダ…。

 

幼稚園などの夏祭りでは、浴衣を着せても、ゲタは危ないので…と、

ベルトのついたサンダルやスニーカーなど 指定されたりするそうです。悲しいですねぇ。

実はゲタと言うのは健康にとてもいい履物なのですよ。

一時期「土踏まずのない子供たち」が問題になりました。最近は子供の外反母趾や、足の変形も多いそうです。

足にあった靴を履かせないから…というのが原因らしいですが、

なーに、下駄履かせて一年暮らしたら「健康な足」になりまっせ。

 

おまけ写真…いつこんなうちわ買ったんだっけ…

 

           

 


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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (とんぼ)
2011-08-08 03:45:06
惠様

鶴ヶ峰…えっえっなになに?
ありがとうございます (惠)
2011-08-07 23:27:12
鶴ヶ峰・・・懐かしいなぁ・・・

何故? と 聞かないでね
Unknown (とんぼ)
2011-08-05 12:42:53
惠様

ゲタ一足のことでとは思いますが…。
鶴ヶ峰にあります。区役所手前の左。
駅から歩いて5分…かからないかな。
鼻緒変えずに前つぼの部分だけ替えることもできますよ。
いや、昔はやったんだけど…。
履物屋さん (惠)
2011-08-05 11:50:44
近くにありません が
結び目が短いから無理だと言われるのが厭なので
自分でするには・・・裏に何かを差し込めば
とは考えていたのですが

いつもの事ながら 考えるだけで実行出来ず(実行せず)です
Unknown (とんぼ)
2011-08-05 00:23:35
惠様

履物やさんが近くにあれば、締めなおしてもらえると思います。
自分でもできますよ。裏側の花みたいな金具はずして、
前つぼにを引っ張っている部分を締めなおす…。
結び目が解けなければ、何か細いキレをまくとかして
鼻緒が上に引っ張られないようにすればいいのです。
と、言うのは簡単なんですけどね。
鼻緒 (惠)
2011-08-04 23:56:28
好んで履いていた下駄が履き難くなりました。
鼻緒が緩んで 指が鼻緒の先まで入ってしまう様に
なってしまったからなのですが
ついている鼻緒が気に入っているので
替えたくないんです
こちらこそ (とんぼ)
2011-08-04 23:32:55
たらちゃん様

はじめまして、コメントありがとうございます。

いやぁなんか自分でも「見慣れていく」のが怖いです。
京都で…そんなおかたに出会ったら、私「やめんかぁ~!」って、
こっちがやまんばになって追いかけたりして。

自由に楽しむのはいいと思います。若いうちの特権っていう部分もありますからねぇ。
ただ、ホンモノのよさってのを知ってから遊んでほしいなぁと
いつも思うのです。
まだまだごく普通のステキな浴衣お嬢さんもいますから、
ちょっとほっとしている部分もあるんですが…。
はじめまして (たらちゃん)
2011-08-04 21:28:52
こんばんは(^_^)
とんぼさんの着物蘊蓄話が面白くて、過去記事から読み進めて最近やっと追いつきました。
ドラマ「JIN-仁-」を観て以来着物の魅力を再認識!京都きものジャックに参加したりしてます。
浴衣に靴は確かにおかしいですけど、それでもマシな方だと思います。
私は昔、やまんばメイク(死語?)にミニ浴衣、上げ底サンダルという出で立ちのギャル(死語?)を
見たことがあります。しかも京都でですよ~!回りの人が恐れ戦いて避けて通ってました。
去年は浅草で盛り髪花魁を沢山見ました。今年は浴衣の着方自体は普通ですね。
あそこまで酷くなければ多少おかしくても、まぁ良いかな?なんて思ってしまうんですよね。
長々と失礼しました。m(__)m
Unknown (とんぼ)
2011-08-04 13:32:29
あひる様

もうすぐ2歳ですか、早いですねぇ。
ゲタは要するにハダシで歩いているのと同じですね。
そのとき足の裏を保護する板を指で運んでる…という感じでしょうか。
先日、健康シューズのCMで、目をつぶってまっすぐ歩かせると、かなり左右にずれる…。
そういう人の足をキカイに乗せて「圧のかかっている画像」をみると、
指に全く体重が乗っていないんですね。
鼻緒を指で挟むのは、指にしっかり力がかかるってことですから、
つまりは「一番当たり前」の歩き方になるわけです。

いやー、アスファルトはゲタ減りますよね。
ゴムは無粋ですが、ついてないと、あっという間にゲタが草履になります?!
Unknown (あひる)
2011-08-04 13:21:14
傾斜の付いた下駄は歩きづらいですね。
もらいもので持っていますが、あまり出番がありません・・・
靴を履いているときのような歩き方になるので、以前は洋服をたまに着るときに履いていましたが、最近は洋服も着なくなりました。

カランコロン歩きたいですね~
アスファルトの上だと、あっという間に磨り減ってしまうのが悩みです。
減らさないように静かに歩いています^^;

もうすぐ2歳になる子に半年ぐらい下駄を履かせています。
時々「健康に良いのよねー」と褒められますが、どう健康に良いのかいまいちわかっていないです(笑
ただ、多少足がはみ出ていても履いていられるので、靴ほどサイズに神経質にならなくて済むところは、ズボラな親に合っています^^;
Unknown (とんぼ)
2011-08-04 01:17:13
ちあき様

ゲタの履き方は、言葉での説明はなかなか難しいのですよね。
元々「素足」というのは、靴でも靴擦れができますでしょ。
ゲタも長時間はいていたら、私だって赤くなるくらいのことはあります。
これは、生活や暮らし方が変わったこともあるのです。
元々ゲタって近所まわり程度で履くものですから、
それで何キロも歩くことは少ないわけです。
それが今はどこかの花火大会や縁日で、電車やバスに乗ったりで、
遠くまで行ってたくさん歩きますでしょ。
履くほうも大変だなと思っています。

足の親指と二番目の指で鼻緒をきゅっとはさむとき、
前つぼまで鉛筆の太さ一本分くらい開けるんです。
つまり指の根元で挟むのではなく、指の横の部分ではさむんですね。
こうすると足を上げるとゲタはブラブラします。
この状態で歩くとき、まずはズルダラ引きずるんですよ。
ゲタは言葉で形容すると「カランコロン」って言いますね。あれはこの状態です。
そうすると足が前に進みます。
足の指二本に、いつも意識しなくてもちゃんと力が入るようになってくると、
この状態で引きずらなくても、下駄を前に運ぶことが
できるようになるんです。
これはもう慣れしかありませんし、毎日続けないとなんですよね。
子供のころからはいてると、自然と足が勝手に覚えてくれるんですが…。
Unknown (とんぼ)
2011-08-04 01:01:24
陽花様

ファッションという耳に心地よい言葉で、
新しいものが生まれるのはかまわないんですが、
古いものを全く知らない、素人しないというのは、
ほんとにもったいないんですよね。
もっと日常的に「和」でいてほしいものと思います。
Unknown (ちあき)
2011-08-03 23:53:04
指をしっかり鼻緒のおくまで突っ込んで、かつ、レース足袋使用の履き方をしています。今日はちと耳が痛いです・・・。
前つぼを指ではさむ、ということは知っていますが、そうすると足が前にいかなくて・・・。
なんて、慣れていないことを言い訳にしてはいけませんね。
Unknown (陽花)
2011-08-03 22:11:00
昔は親や近所のおばちゃんを見て
手本にしていたように思いますが、
今はまわりにそういう人が少ないから、
雑誌がお手本になっているのかも
しれませんね。
違和感も感じずファッションだから・・と
思っておられるのかもしれませんが、
変えてほしくないところありますね。

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