「メジャーの打法」~ブログ編

野球、ゴルフを中心とするスポーツ動作論
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H・ベル

2009年08月31日 | 投法
 今年からSDのクローザーになった。

 先日の'this week in baseball'で、任天堂のWiiを使ってシェイプアップした話をやっていた。しかし、もっと興味深いのはかれの投球フォームだ。M・ムシーナを思わせるこの奇天烈な格好はどうだ。これを見て、「ここを直せばよくなる」などという人間は自分の性癖の方を先に直したほうがいい。普通の投法とは動作原理がまったくちがうと考えるべきなのだ。アーム式ともちがう。

 おそらく、右足の蹴りをそのまま右肩の突き出しに伝えているのではないか? つまり、打撃で言えばB型で、腕の振りを除けば、投球でありながら『突き型』なのだ。両足の反力や、左腰のブロック(壁)などによる腰から肩にかけての回旋を使わない。

 サンタナも原理は共通ではないか? 彼については、アーム式と書いた覚えがある。腕の振りはアーム式と同じだろう。しかし、身のこなしが普通のアーム式とはちがい過ぎる。
 日本ではこんな投手見たことないと思われるかもしれないが、工藤(阪神)福士(広島)(4:15頃)あたりは似ていた。現役にもひとりやふたりいるのではないか?


 投球フォームについて考えると途方にくれる。ちょっと収拾がつかない。個性がひとつの長所、武器となるという投球動作の特殊性から来るのかもしれない。ヘンなフォームからヘンな球を投げられれば、打者は困惑する。
 こういう投球動作に対して「だいたい同じ」でかたづけるFeltnerのような認識もどうかと思う。この多様性にしり込みせず立ち向かう勇気と忍耐が必要だろう。一見奇異に思えるフォームも、他のスポーツ動作のなかに様式の共通性を見出すことにより、少なくともエネルギー発生様式としてはアリだ―ということを確認できるばあいもある。ベルの投法はそのいい例だ。



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