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今日の筆洗

2017年01月25日 | Weblog

 米映画「ゴッドファーザー」(フランシス・コッポラ監督、一九七二年)は配役で意見が対立した。特に主役ドン・コルレオーネの息子でやがてマフィア一家を率いるマイケル役▼監督は舞台で一人の若者を見かけ、彼こそと直感したが、映画会社は無名に近い若手に難色を示した。結局、撮影日が迫り、監督の意見が通ったが、ファンは監督に感謝するか。この若者が名演技を見せたアル・パチーノである▼この配役ももめた。「仁義なき戦い」(深作欣二監督、七三年)。主役は菅原文太さんだが、脚本の笠原和夫さんは当初、別の俳優の起用を求めた。亡くなった松方弘樹さんである▼主役には実在モデルがいる。笠原さんは、松方さんの方がその人物に「面(ツラ)も合うし、柄が合う」と主張した。結局、かなわず、松方さんは脇に回ったが、その経緯を当時の松方さんは知っていたのか、この役で迫真の演技を見せる▼「あんた神輿(みこし)やないの。神輿が勝手に歩けるいうんなら、歩いてみいや、おう」と組長にすごんだかと思えば、別の場面では殺される恐怖に「待てえ、ワシを撃つのを待ってくれえ」と恥ずかしいほどに取り乱す▼義理人情の古い任侠(にんきょう)映画に対し作品が投げた人間の生々しさやみっともなさ。松方さんはそれを背負い、見事に表現した。七十四歳は早いが、また、あの映画でお会いできる。名優の特権である。

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