情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

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犯罪に強い社会の実現のための新たな行動計画案にパブコメを!Ⅱ

2008-11-23 19:23:14 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 2,3日前に書いたとおり、現在、「犯罪に強い社会の実現のための新たな行動計画(仮称)」(案)に対する意見の募集(パブリックコメント) http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hanzai/pc/081117koudou.html が行われているが、その期限はなんと11月28日午後5時だ。国民生活に密接に関連することについて、意見を募る期間が非常に短いことに問題あることも指摘した。

ただし、問題だぁ、って言っていても仕方ないので、みんなでなにがしかのコメントを送る必要がある。その参考にしてもらえれば、と思って少し書いてみたい。こんなことも問題だっていうアイデアをもらえればありがたい。
 
 行動計画案自体は、こちらにある。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hanzai/pc/plan_resist-crime2008.pdf

全部で39頁もあるにもかかわらず、目次がないという嫌がらせぶりだ。目次代わりに構成だけを最後に紹介するので、行動計画案にあたる場合の参考にしてほしい。


全体を通しての感想は、警察に市民が協力をさせられていくんだなぁ、警察自体も組織強化されるんだなぁ、という感じだ。

たとえば、2/39のところにある、

【② 個人の住まいへの防犯カメラ等の普及促進
犯罪から平穏な生活を守るため、個人住宅等における防犯カメラ、犯罪に強い性能を有する製品の普及に向けた地方公共団体による自主防犯活動に対する支援方策について検討する。】
ってのは、分かりやすい。警察側はプライバシーを根拠に情報を出さなくなっている一方で、市民を利用してプライバシーを侵害するような情報をかき集める…。


さらに、38/39のところにある、

【③ 自動車ナンバー自動読取システムの一層の整備活用
盗難自動車の発見や自動車を利用した重要犯罪の捜査に高い効果を発揮する自動車ナンバー自動読取システムの整備活用を一層推進するとともに、手配車両以外の車両が捜査の対象とされないようにするため、ナンバープレートの盗難に遭った被害者からナンバープレートの再交付申請がなされた場合には同一の登録番号の交付を行わないよう適切に対応する。】

ていうのもひどい。

Nシステムのことだが、いったいどういうように写真をとっているかも明らかにされていない。顔は写らないというが、そんなことは分からないし、そもそも速度違反を測定するオービスの制限速度を低めに設定すれば、顔写真もばっちりだ。警察がこのようなシステムをどのように使っているか、われわれはまったく知らされていない。

まぁ、治安強化のための計画だから、そのような構成となっていることは仕方ないことだが、警察が市民まで巻き込んで強化されるのであれば、当然、警察が不当に市民の権利を侵害することがないようにする対策がより必要になる。

現実に、麻生邸を見学しようとして転び公妨で逮捕されるようなこと(①)が起きているし、志布志事件や富山人違い事件などの著名な事件だけでなく、弁護士は身近に警察の不当な捜査ぶりを実感している(②)。

①麻生邸を見学しようとして逮捕された3人が無実であることを示す一部始終~3つのビデオ (http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/2753bef34e857f6276766d7665e11501)

②またまた、警察の不当捜査が発覚…本当にもう証拠開示させるしかないよ(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/2c5f2af349b594e4420d93805e93cc9b)

少なくとも、警察という巨大かつ強力な組織が握る情報を市民にも開示をすることで、不当な捜査や人権侵害をしたり、必要な捜査をさぼることを防ぐことが必要だ。

たとえば、海外では、捜査段階から警察情報を少なくとも弁護人に開示するところが多いが、日本は、起訴されるまでは開示されないし、都合の悪いものは最後まで出てこない。





 上の表は裁判員制度を検討する際に使われた資料の一部だが、左から、ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデン、デンマークという順番で、捜査段階での情報公開の実態が紹介されている。

 日本では、逮捕された人から、この逮捕は間違いだ、警察が誤解しているはずだ、どういう情報に基づいているか、確認してほしいって弁護士が頼まれても、「起訴されるまでは警察側の情報は出てこないんです。しかも、ごく一部しか出てこないんです」と説明するしかない。

 こんなことで北朝鮮を批判できるだろうか…。

 
 この行動計画案はそういう視点に欠けている。
 
 この項は続けたい…。


◆ ◆ ◆

第1 身近な犯罪に強い社会の構築
1 防犯ボランティア活動等の促進
① 防犯ボランティア団体に対する支援等の充実
② 地方公共団体による自主防犯活動に対する支援の充実
③ 的確な犯罪情報・地域安全情報の提供
④ 企業等による自主的な犯罪抑止対策の促進

2 犯罪に強いまちづくりの推進
① 官民協働による犯罪の発生しにくいまちづくりの推進
② 個人の住まいへの防犯カメラ等の普及促進
③ 道路周辺の映像を表示するサービスに係る防犯対策等の検討
④ 学校における防犯活動の推進
⑤ 安全・安心な子どもの居場所づくり
⑥ 「子ども110番の家」に対する支援
⑦ 地域警察活動の強化
⑧ 重要無線通信妨害対策の推進


◆何か、市民が警察に協力をさせられていくことになるような感じがする…。以下は、項目を中分類までの紹介にとどめる。

3 振り込め詐欺対策の強化
4 消費者の目線に立った生活経済事犯への対策の強化
5 子どもと女性の安全を守るための施策の推進
6 自動車盗等身近な窃盗事犯への対策の推進
7 犯罪被害者の保護

第2 犯罪者を生まない社会の構築
1 少年の健全育成と孤立した若者等の社会参加の促進
2 刑務所出所者等の再犯防止

第3 国際化への対応
1 水際対策
2 新たな在留管理制度による不法滞在者等を生まない社会の構築
3 多文化共生を可能とする社会基盤の整備
4 国際組織犯罪対策

第4 犯罪組織等反社会的勢力への対策
1 暴力団対策等
2 マネー・ローンダリング対策
3 銃器対策の推進
4 薬物対策の推進
5 組織的に敢行される各種事犯への対策

第5 安全なサイバー空間の構築
1 違法・有害情報対策
2 違法・有害情報を排除するための自主的な取組への支援
3 サイバー犯罪対策の推進

第6 テロの脅威等への対処
1 テロに強い社会の構築
2 水際対策の強化
3 テロの手段を封じ込める対策の強化
4 情報収集機能とカウンターインテリジェンス機能の強化
5 重要施設等の警戒警備及び対処能力の強化
6 サイバーテロ対策・サイバーインテリジェンス対策
7 大量破壊兵器の拡散等国境を越える脅威に対する対策の強化
8 北朝鮮による日本人拉ら致容疑事案等への対応

◆以下は、警察の巨大化策。以上のことを行うには、これくらいは警察を大きくしてくれないとってことなので、小項目まで紹介する。

第7 治安再生のための基盤整備
1 人的・物的基盤の強化
① 地方警察官等の増員
② 治安関係職員の増員
③ 保護司活動の基盤整備
④ 現場執行力の強化に向けた教育の推進
⑤ 関係機関間における人事交流の促進
⑥ 留置施設の整備と留置業務の効率化の推進
⑦ 治安関係施設等の整備
⑧ 現場執行力の強化に向けた装備資機材等の整備
⑨ 警察の現場執行力の強化に向けた技術の活用
⑩ 警察の情報基盤の強化
⑪ 治安関係機関の通信システムの高度化
⑫ 各種調査研究等の実施

2 犯罪の追跡可能性の確保、証拠収集方法の拡充
① 犯罪の痕跡の確実な記録と迅速かつ的確な犯罪捜査への協力確保
② 国民からの情報提供の促進
③ 自動車ナンバー自動読取システムの一層の整備活用
④ 客観的な証拠の収集方法の整備強化
⑤ 犯罪捜査活動の密行性の強化
⑥ 死因究明体制の強化
⑦ 科学捜査力の充実・強化
⑧ 社会・経済情勢の変化に応じた有効な捜査手法等の導入・活用の検討
⑨ 犯罪の発生原因等の総合的分析の推進

3 裁判への的確な対応
① 裁判員裁判への的確な対応
② 迅速で充実した公判審理の実現





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犯収法の実質的拡大適用が進行中 (渡辺昭孝)
2008-11-24 15:45:34
週に数回NPJをチェックして、ヤメ蚊さんのブログもときどき読ませていただいております。特にゲートキーパー法問題の記事は参考になりました。

パブコメへの意見提出の参考になるかどうかはわかりませんが、
「2 マネー・ローンダリング対策
② 犯罪収益移転防止法の履行に係る特定事業者への指導監督の強化
⑤ FATF相互審査を踏まえたマネー・ローンダリング等対策の強化」

について、ぜひ、お伝えしたいことがございますので、コメントをさせていただきます。

去る10月30日のFATF相互審査の報告もされ、犯収法の再改正が危惧される状況となっておりますが、実は、司法書士の業務に関しては、法改正を待たずして、すでに、自主的に法律の適用範囲を実質的に拡張する効果を生じる、「会則改正」が進められているのです。 

司法書士の場合、犯罪収益移転防止法の対象となるのは、①宅地建物の売買②会社等の設立・合併等③二百万円を超える財産の管理処分、に関する業務等です。従来から司法書士による登記手続等の受任時には、「なりすまし」を防ぐため必要に応じ確認がなされてきましたが、同法対象業務については、法定の本人確認と確認記録作成、七年間の保管が義務とされました。
 ところが、日本司法書士会連合会(日司連)は、同法施行にあわせ、同法の対象業務及び保管期間を超えて、「相談を除く全ての業務」について本人確認とともに「本人確認記録作成」と「十年保管」を義務とする会則改正を各司法書士会に指導したのです。この結果、全国五十の司法書士会のうち約八割でそのように会則が改正されています。
 これは、いわば、「窓口での振込は一円でも本人確認の上、記録を十年保管」と、銀行協会が自主的に規定を定めてしまうようなものです。
 会則は市民に直接適用されるわけではありませんが、司法書士に対し「義務」となれば、反射的作用として、市民の「すべての依頼」について「本人確認記録」が作成され、「十年」保管されてしまいます。しかも、それらの、法定外の本人確認記録も、(大変問題のある)犯収法17条に基づき令状なしに警察の立入調査が行われれば、調査対象とされる恐れがあります。日司連によって、犯罪収益移転防止法の適用範囲が、実質的に拡大される効果が生じることになるのです。

 日司連による自主的な犯収法の実質的拡大適用については、良識ある司法書士からは批判がされています(下記参考)が、日司連は、この本人確認記録作成を、司法書士の権限拡大の機会につなげたいと考えており、司法書士の多数は、無関心または知らんぷりしている状況であり、内部での議論だけでは、問題の解決に至らない恐れがあります。
 
なお、この「会則改正」が、司法書士会の監督省庁であり、外国人の指紋押捺制度を導入し、共謀罪も導入を進めている法務省の意向を反映したものであるのかどうかは不明です。が、「会則改正」には法務大臣の認可が司法書士法で定められており、本来、法的に問題のある会則改正に対しては不認可とする権限があるにもかかわらず、今般の会則改正に対しては、全くスルーパスで認可がなされています。

 ぜひ、良識ある弁護士さんなどから、広く批判の声を上げていただきたいと思います。

参考:私の友人の司法書士のブログ記事をご紹介します。
http://hirotahiroshi.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-7adf.html


(司法書士 埼玉県)

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