情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

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これではどの総理が来てもうまくいかなかっただろう〜民間事故調の報告書に実際に書かれていること

2012-03-04 22:56:58 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 前回のブログで、東電原発事故の処理において、官僚出身の官邸中枢スタッフが「これではどの総理が来てもうまくいかなかっただろう」とのコメントを引用したのは、民間事故調の報告書だ。マスメディアは、いかに菅首相の性格に問題があったか、という矮小化した問題をクローズアップしている。菅首相が細かい点まで自ら調べようとしたこと、周囲の人間に怒鳴り散らしたこと…。しかし、民間事故調の報告書を素直に読めば、なぜ、菅首相がそのような行動に出なければならなかったかが明確に書いてある。それは、官僚が情報を菅首相に上げなかったということだ。

 考えてほしい。レベル7の原発事故という未曽有の事態において、情報が来ないまま、国家としての方針を決定しなければならない場合、どういう精神状況になるかを…。そして、情報を自ら得ようとすることが不自然かどうかを…。

 民間事故調の報告書は、なぜ、菅首相がいらついたのかについて、99頁から119頁にかけて説明している。
 
 一つ目は、.泪縫絅▲襪料枋蠅不十分だったことと官邸側においてマニュアルに関する認識がなかったこと。

 ,砲弔い討牢盈週擇嗄鯊綫権の問題であり、菅政権固有の問題ではない。△砲弔い討蓮∧鷙霆颪蓮原発事故後15日に東電本店内に統合本部が設置されるまで、「菅首相に対して原子力災害時のマニュアルや関連法制の基本設計について事務的な説明はなされなかった」と述べている(100〜101頁)。
 いったい、担当の官僚は何をしていたのか?こういう時に政治家に必要なことを伝えるのが担当官僚だろう。


 二つ目は、東電及び保安院に対する官邸側の不信感が挙げられている。

 東電については、12日1時半にベントをするように指示を出したにもかかわらず、午後4時半になっても東電は実行できなかった。その理由を官邸が尋ねたところ、「わからない」という答えしか返ってこなかったことを挙げている(報告書102頁)。その後、菅首相が現場に乗り込むことになるが、私は、「わからない」という答えしか来なければ、銃殺にしたくなるくらいだし、自ら乗り込んで現場の状況を把握しようと思うのは当然のことだと思う。

 保安院については、官邸に詰めていた寺坂院長と平岡次長が積極的な情報提供をしなかったと報告書に書かれている(103頁)。また、保安院は、「東京電力から入手する現場情報を単に官邸に転送する機能を有するだけだった」とも指摘している(104頁)。この点ついて、もっと、辛辣に、表現しているところさえある。たとえば、387頁では、保安院は「東京電力に対しては、事故の進展を後追いする形で報告を上げさせる、いわば『御用聞き』以上の役割を果たすことができなかった」とされている。


 三つ目は、危機感の大きさ。これは当然のことだろう。特に、情報が十分に現場から上がってこない状況では、危機感はますまず大きくなり、菅首相ら官邸が焦るのも当然のことだ。


 四つ目として、ようやく、菅首相の個性に触れている。しかも、この部分については、肯定的な説明からなされている。

 「官邸スタッフの一人が、『震災対応でよかったところは、聞き直後に首相がぱっぱっぱっと判断を出していける、そういうキャラクターの総理だったこと』と述べるようにこうした菅首相のスタイルについて、行動力と決断力のあらわれとして肯定的に評価する関係者もいる。そして、細野補佐官は、菅首相がこうしたトップダウンスタイルで、12日早朝に自ら福島第一原発への視察を強行したことが、その後の官邸による現場関与が深まっていく原動力となったと述べる」(108〜109頁)

 続いて、菅首相が電源車の動向を細かく把握しようとしたこと、バッテリーがヘリコプターで運べるかどうかを聞いたことなどの描写がなされるが、私は、菅首相のような情報部族状態に置かれれば、そうするのは当然ではないか。

 
 五つ目として、官僚機構の説明のなさが改めて指摘されている。官邸に詰めていた寺坂院長と平岡次長について、「複数の官邸関係者が、『彼らから何か具体的な提案がでてきたことはなかった』」と評価していることが記載されている(113頁)。


 六つ目として、官邸側の専門家に対する不信感が上げられている。ここでは、原子力安全委員会の斑目委員長が水素爆発しないといった数時間後に2号機が水素爆発したことなどが指摘されている(115頁)。そして、再び、官僚の問題も指摘されている。保安院も東電も原子力安全委員会には情報を積極的に提供することがなかったというのだ(116頁)。

 
 七つ目として、指揮系統の乱れについて触れている。これは、主に、吉田所長が本店の判断とは違う判断をしたことが問題となっており、菅首相ら官邸のいらついた対応のこととは直接関係がない。

 以上だ。これを読んで、テレビ各局及びコメンテーターの菅首相に対する報道をまともだと思えるだろうか?日本語がまともに読める人だったら、問題は菅首相にあるのではなく、官僚にあることは容易に分かる。

報告書も394頁で「政府の危機管理機能も脆弱だった。最大の問題は、原災本部事務局が機能しなかったことである。その任を負うべき原子威力安全・保安院は危機対応の備えがなかった。原子力安全・保安院は、原災本部も現地本部もオフサイトセンターもいずれも運営、管理がまともにできなかった。官邸に置かれた危機管理センターや危機管理監も十分に機能したとは言えない。官邸中枢のスタッフ(官僚出身)の一人は『危機管理センターから原発事故に関して、こんな情報があります、と上に上げてきたものは一人もいなかった。政治主導の問題が言われるが、官僚劣化の方がもっとひどかった。裸で見たら、これではどの総理が来てもうまくいかなかっただろう』と回想している。」と指摘している。

テレビ各局及びコメンテーターの読解力に問題があるのだろうか。

 結局、マスメディアは、官僚をかばっている。政治家よりもずっとその地位を維持し、自分たちの利権に直接関係する官僚の方が怖いわけだ。しかも、このままいけば、官僚と仲良しの自民党政権に復帰する可能性が大きい…。


 こういうマスメディアにはこっちからもプレッシャーをかけるしかない。この記事をコピーした上、皆さんのコメントを書き込んで各局にファックスしてほしい。それだけでなく、無責任なコメントをした有識者に対しても、テレビ局付でFAXしたり、郵送したりしてほしい。

 事実に反する報道をして市民を騙そうとしても無駄だ、ということを教えようではないですか?

 一度市民が勝てば、マスメディアやコメンテーターも反省する。見逃せば、彼らは同じことを繰り返す。お願いです。彼らを反省させてください!



 
 



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アメリカ科学アカデミーの文献「BEIR-VII」(Biological Effects of Ionizing Radiation-VII、電離放射線の生物学的影響に関する第7報告)
http://archives.shiminkagaku.org/archives/radi-beir%20public%20new.pdf


◆東電本社の記者会見は、午前11時〜正午から始まる単独会見、午後5時ごろからの統合本部会見の2回となっている。インターネットで生中継と録画配信されている◆

 → ニコ生 http://live.nicovideo.jp/ 

   岩上さんのサイト http://ow.ly/4wCEr



◆東電会見に出席し続けている木野龍逸さんへの支援金の振込先口座は下記のとおりです。

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 口座名称は、木野龍逸支援の会(キノリュウイチシエンノカイ)


 なお、銀行からの場合、
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 にお願いします(できれば郵便局の振替でお願いします)。



◆以下参考◆


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Please HELP Okinawa. 75% of the American bases in JP is in the islands, only 0.6% of JP land. Relocate #Futenma base outside.

Marine in Futenma must go back to your country. There is no place where the base of Marine is acceptable in Japan.

Okinawa and a lot of Japanese oppose the transfer of the Futenma base to Henoko


At least180 MPs of ruling parties say NO to Futenma relocation within Okinawa. Check this http://bit.ly/9jQIW8



 ●今回の原発事故から、原子力村の実態、大手マスメディア経営陣がそれに取り込まれている実態が明らかとなりました。この実態を打破するための仕組みを紹介した拙著を紹介させていただきます。もし、このブログをお読みの方でまだ、これらの本に目を通されていない方は、最寄りの図書館にリクエストしてお読みください。外国でどのような対策が実行されているかがお分かりいただけると思います。今後、3・11の再来を防ぐための具体的な方法のいくつかだと確信しています。








★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて:Gilbert's Nuremberg Diary)
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