情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

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【共謀罪テスト】いま与党が準備している共謀罪関連法案と民主党丸飲み案との違い

2006-12-10 22:49:52 | 共謀罪
次に並べる二つは、与党が今国会で提出しようと虎視眈々と狙っている共謀罪関連法案と、前国会で与党が丸飲みしようとした民主党案だ。複雑な書き方になっているところもあり、ややわかりにくいが、いま、改めて比較してほしい。

一時は、下の方の丸飲み案でよいと言っていたのに、今国会では上の方のより適用範囲が広いものを成立させようとしている。どういうこっちゃい、という思いを込めて、再度、この2つを比較することにした。

どこが違うか、しっかりと比較してほしい。


■■与党準備法案引用開始■■
第六条の二
次の各号に掲げる罪(別表第三に掲げるものを除く:※)に当たる行為で,組織的な犯罪集団の活動(組織的犯罪集団(団体のうち,その結合関係の基礎としての共同の目的が死刑若しくは無期若しくは長期5年以上の懲役若しくは禁固の刑が定められている罪(別表第三に掲げるものを除く)又は別表第一(第一号を除く)に掲げる罪を実行することにある団体をいう。)の意思決定に基づく行為であって,その効果又はこれによる利益が当該組織的犯罪集団に帰属するものをいう。)として,当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行について,具体的謀議を行い、これを共謀した者は、その共謀をした者のいずれかによりその共謀に係る犯罪の実行に必要な準備その他の行為が行われた場合において,当該各号に定める刑に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。

一 死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪 五年以下の懲役又は禁錮

二 長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪 二年以下の懲役又は禁錮

2 前項各号に掲げる罪(別表第三に掲げるものを除く)に当たる行為で、第三条第二項に規定する目的で行われるものの遂行について具体的な謀議を行い、これを共謀した者も、前項と同様とする。

3 前二項の罪については,第一項に規定する準備その他の行為が行われたことを疑うに足りる相当な理由があるときに限り,刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により逮捕し,又は勾留することができる。

4 第一項及び第二項の規定の適用に当たっては,思想及び良心の自由並びに結社の自由その他日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に制限するようなことがあってはならず,かつ,労働組合その他の団体の正当な活動を制限するようなことがあってはならない。


付則
(1,2省略)
3 第三の規定による改正後の組織犯罪処罰法第六条の二第一項又は第二項に規定する共謀をした者がその共謀に係る犯罪を犯したときは,当該罪を定めた規定により処罰され,同条第一項又は第二項の規定によっては処罰されないことに留意しなければならない。



※:別表三は、「過失犯」「陰謀・共謀罪」など28の犯罪類型。過失犯の共謀罪、共謀罪の共謀罪は論理的におかしいため除外される。
■■引用終了■■




■■民主党案■■
第六条の二
次の各号に掲げる罪に当たる行為(国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約第三条2(a)から(d)までのいずれかの場合に係るものに限る。)(注1)で、組織的犯罪集団の活動(組織的犯罪集団(団体のうち,【その構成員の継続的な結合関係の基礎となっている根本の】目的が死刑若しくは無期若しくは長期五年を超える懲役若しくは禁固の刑が定められている罪又は別表第一第二号から第五号までに掲げる罪を実行することにある団体をいう。次項において同じ。)の意思決定に基づく行為であって,その効果又はこれによる利益が当該組織的犯罪集団に帰属するものをいう。第七条の二において同じ。)(注2)として,当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者は、その共謀をした者のいずれかがその共謀に係る犯罪の予備をした場合において(注3),当該各号に定める刑に処する。ただし、死刑又は無期の懲役若しくは禁固の刑が定められている罪については,実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

一 死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪 五年以下の懲役又は禁錮

二 長期五年を超え十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪 二年以下の懲役又は禁錮

2 前項各号に掲げる罪に当たる行為(国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約第三条2(a)から(d)までのいずれかの場合に係るものに限る。)(注1)で、組織的犯罪集団(注2)に不正権益(組織的犯罪集団の威力に基づく一定の地域又は分野における支配力であって,当該組織的犯罪集団の構成員による犯罪その他の不正な行為により当該組織的犯罪集団又はその構成員が継続的に利益を得ることを容易にすべきものをいう。以下この項において同じ。)を得させ,又は組織的犯罪集団の不正権益を維持し,若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を共謀した者も、前項と同様とする。

3 前二項の適用に当たっては,思想,信教,集会,結社,表現及び学問の自由並びに勤労者の団結し,及び団体行動をする権利その他日本国憲法の保障する国民の自由と権利を,不当に制限するようなことがあってはならず,かつ,労働組合その他の団体の正当な活動を制限するようなことがあってはならない。



注1:条約上でいうところの「性質上国際的な犯罪」にあたる場合に限って,処罰の対象とする。

国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(ここ←)第三条2(a)から(d)とは,

(a)二以上の国において行われる場合

(b)一の国において行われるものであるが、その準備、計画、指示又は統制の実質的な部分が他の国において行われる場合

(c)一の国において行われるものであるが、二以上の国において犯罪活動を行う組織的な犯罪集団が関与する場合

(d)一の国において行われるものであるが、他の国に実質的な影響を及ぼす場合

である。

注2:共謀罪については,条約でいうところの「組織的な犯罪集団が関与する」場合に限って処罰の対象とする。

注3:共謀罪の成立については,条約で認められているところのいわゆる「合意の内容を推進するための行為」を要件とする。

■■引用終了■■




【解答】
民主党案は、

①対象となる犯罪を懲役長期5年を超えるに限定すること(対象犯罪を600から300に半減すること)

②国際性のある団体に絞ること(犯罪の越境性を要件に盛り込むこと)

という二点で適用範囲を限定している。


この違いは大きい。与党は①②については条約を留保することはできず不可能と説明していた。ところが丸飲み案で、可能であることが分かった。それにもかかわらず、改悪したうえで、提案するのは許し難い。安倍政権は、本当に「嘘つき政権」だ。






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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