情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

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共謀罪でメディアは一網打尽だ!~信用毀損罪適用可能

2006-03-06 22:47:36 | 共謀罪
共謀罪について,近く,話をする機会があるので,改めて,刑法を眺めていたところ,何と,信用毀損罪「第233条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」について,「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」による加重規定があることを発見した。加重されると,「6年以下の懲役又は50万円以下の罰金」(3条1項7号※1)となり,共謀罪の適用範囲に入ってくるのだ!

改めて,現在提出予定の法案を見てみよう。

■■引用開始■■
次の各号に掲げる罪に当たる行為で、団体の活動(その共同の目的がこれらの罪又は別表第一に掲げる罪を実行することにある団体である場合に限る。)として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者は、その共謀をした者のいずれかにより共謀に係る犯罪の実行に資する行為が行われた場合において,当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
一 死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪 五年以下の懲役又は禁錮
二 長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪 二年以下の懲役又は禁錮
■■引用終了■■

ということは,ブラックジャーナリズムを生業とするものは,「虚偽の風説を流布し,人の信用を毀損する」犯罪を「団体の活動として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行わ」うことになることを予定しつつ,「団体の活動(その共同の目的がこれらの罪又は別表第一に掲げる罪を実行することにある団体である場合に限る。)として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者」にあたるために,記事を企画しただけで出版しなくても,組織犯罪処罰法で加重された信用毀損罪の共謀罪で逮捕され,刑に処せられることとなる。

では,ブラックジャーナリズムではないが,噂の真相なら,あるいは,鹿砦社ならどうなのか?鹿砦社なんて,言論弾圧されていても,大手メディアはほとんど取り上げず,ブラック扱いだ…。

大手なら大丈夫…そうだろうか?NHKが女性国際戦犯法廷を取り上げた番組の編集過程で政治家の介入があったことを指摘した朝日新聞は,ほとんど孤立無援だった。もちろん,良心的な記者もいたが,表現の自由に対する圧力がかけられていたにもかかわらず,あまりに,無関心だったというほかない。

自分たちは関係ない…そう思っていたら,新聞社やテレビ局の記者や編集者が組織犯罪処罰法で加重された信用毀損罪の共謀罪で逮捕されることになりかねない。

そんな馬鹿なって思うかも知れないが,そんな馬鹿なって放置するのではなく,そんな馬鹿なことが起きないような法律にする努力をすることが大切だ。あとであのとき立法化を止めていたらって思ってももう遅い。(議案経過



※1
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律
(組織的な殺人等)第3条 次の各号に掲げる罪に当たる行為が、団体の活動(団体の意思決定に基づく行為であって、その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう。以下同じ。)として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われたときは、その罪を犯した者は、当該各号に定める刑に処する。
1.刑法(明治40年法律第45号)第186条第1項(常習賭博)の罪
5年以下の懲役
2.刑法第186条第2項(賭博場開張等図利)の罪
3月以上7年以下の懲役
3.刑法第199条(殺人)の罪
死刑又は無期若しくは5年以上の懲役
4.刑法第220条(逮捕及び監禁)の罪
3月以上10年以下の懲役
5.刑法第223条第1項又は第2項(強要)の罪
5年以下の懲役
6.刑法第225条の2(身の代金目的略取等)の罪
無期又は5年以上の懲役
7.刑法第233条(信用毀損及び業務妨害)の罪
6年以下の懲役又は50万円以下の罰金
8.刑法第234条(威力業務妨害)の罪
5年以下の懲役又は50万円以下の罰金
9.刑法第246条(詐欺)の罪
1年以上の有期懲役
10.刑法第249条(恐喝)の罪
1年以上の有期懲役
11.刑法第260条前段(建造物等損壊)の罪
7年以下の懲役
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