情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

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これが絞首刑の実態だ~辞退できない受け止め役とカーテン越しの検察官立ち会い:東京新聞

2007-12-26 06:02:10 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 絞首刑は残虐な刑ではない~というのが日本政府の見解だが、それはカーテン越しに見た(?!)結果であることが、保坂展人議員らの視察の結果、明らかになった旨東京新聞が12月12日付特報面で伝えた。絞首刑の場合、体が飛び跳ねたりして正視に耐えないことがあるという噂を聞いたりする。それを見もしないで残虐ではないと結論づけること自体(正確には最高裁判例に乗っている)、自民党のもとでの政府が、本当に市民に対する義務を果たす気がまったくないってことの象徴のようにも思える。他方で、落ちてきた死刑囚を受け止める役を果たす人がいるが、その人は辞退することはできないのだという。嫌なところを「下々の者」に押しつけ、事実に直面しようともしないで判断する政府、もう政権交代しかないでしょう。

 冒頭の図は、保坂議員らのスケッチをもとに死刑場を再現した見取り図だ。一番気になったのは、左側の検察官、拘置所長らが執行に立ち会うバルコニーと死刑執行場所の間にカーテンが引いてあり、見えないようになっていることだ。しかもご丁寧にガラスまで張ってある。死刑執行の際の音も聞こえないのかもしれない。

 死刑執行の立ち会いについては、刑事訴訟法で規定されている。

【刑事訴訟法】
第四百七十七条  死刑は、検察官、検察事務官及び刑事施設の長又はその代理者の立会いの上、これを執行しなければならない。

 カーテン+ガラス越しでの見学が立ち会いと言えるのだろうか。検察官は自ら刑事訴訟法に違反しているのではないのか。それ以上に、見もしない検察官の報告を元に法務省はなぜ、絞首刑を残虐な刑ではないと断言できるのか…。

 実際には死刑の現場では、大変なことが起きている。

 大阪拘置所では、押しボタンを押すと死刑囚の立っている床が落ちて、首つり状態になるが、ボタンは全部で5個あるという。5人が一斉に押すことで殺したという気持ちを和らげるらしい。しかし、一度、5人のうちの1人がボタンを押すことができず、たまたまそのボタンが床の作動につながっていたため、死刑にとまどったことがあったという。このときの死刑囚の受けた苦しみは、まるで二度殺されるようなものだったろう。 

 また、体を受け止める役をするよう命令された人が、「これまで十人もやっている。孫もできる年です。もう辞退させて下さい」と懇願したが、断れなかったという。

 実際に死刑を執行した元刑務官は、「死刑は生命を奪う究極の刑。冤罪の可能性も否定できない。だが、終身刑を採用したら、ただでさえ刑務官が少ない中、どうなるのか。存廃議論の前に、現場の実情や問題点を知るべきだ。まずは刑場やどのように死刑が行われているかを情報開示すべきです」と語る。

 もっともなことである。しかし、日本の法律は、死刑の立ち会い後の報告書を「立ち会った」検察官に書くことすら求めていないのである。

【刑事訴訟法】
第四百七十八条  死刑の執行に立ち会つた検察事務官は、執行始末書を作り、検察官及び刑事施設の長又はその代理者とともに、これに署名押印しなければならない。

 …ここでも嫌なことは「下々の者」にやらすのか…。


※死刑に関する最高裁判例(昭和30年4月6日)の言及部分
【刑罰としての死刑は、その執行方法が人道上の見地から特に残虐性を有すると認められないかぎり、死刑そのものをもつて直ちに一般に憲法三六条にいわゆる残虐な刑罰に当るといえないという趣旨は、すでに当裁判所大法廷の判示するところである(昭和二二年(れ)第一一九号同二三年三月一二日判決)。そして現在各国において採用している死刑執行方法は、絞殺、斬殺、銃殺、電気殺、瓦斯殺等であるが、これらの比較考量において一長一短の批判があるけれども、現在わが国の採用している絞首方法が他の方法に比して特に人道上残虐であるとする理由は認められない。従つて絞首刑は憲法三六条に違反するとの論旨は理由がない。】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
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19 コメント

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Unknown (imacoco)
2007-12-26 09:25:06
記事の主旨から少し逸れますが、以前食肉工場、屠殺の現場を「見学」した人の話を聞いた事があります。牛は最期を悟り涙を流して泣くんだそうです。気の毒で見るに堪えない状況だと言っていました。鶏は、時折脱走して、首の無い姿で走っていたりするそう。



人間の死刑と動物の死刑。

鯨を殺すなと言いつつ、牛は食べて良し。

高級料亭でスキヤキを食べつつ、死刑推進。



ご都合主義、って云うんですよね…そういうの。

訂正 (imacoco)
2007-12-26 09:48:14
意味不明の事を書いてしまいました。正しくはスキヤキ云々ではなく「死刑廃止を訴える反面、動物を殺す事に無頓着なのは、矛盾していませんか…」と言う事です。
ワーキング・プア同様… (田仁)
2007-12-26 14:59:28
ワーキング・プアがツケを下へ下へと順送りにした結果であるのと同様、死刑執行も実に安易なんですね…?
法務省で一番高い給料を貰ってる法務大臣が、執行所にサインするだけではなくって、せめてボタンを一人で押すとか(体の受け止め迄は言わないにせよ)すればイイのに…?!
死刑制度は廃止すべきです (死刑制度に反対する一市民)
2007-12-26 23:04:19
12月12日の東京新聞の報道を見ても明らかなように絞首刑は残虐な刑罰であることは疑いの余地がないように思います。
また、絞首刑もさることながら死刑制度そのものが憲法36条に違反していると私は思います。
死刑制度の誤りは明白です。だから世界の流れは死刑廃止へと向っております。
12月18日、国連も死刑執行の停止を求める決議を圧倒的な賛成多数で可決しました。
日本も今すぐ死刑制度を廃止しすべきです。
絞首刑の凄まじさ (鳥居正宏)
2007-12-27 00:47:20
アムネスティ・インターナショナルを通じての又聞きの情報ですが(その情報の発信元は、日本の死刑執行官)、絞首刑の場合、受刑者の即死は、ほとんどありえないそうです。

絞首刑の場合、受刑者の体は、背骨が折れてしまうぐらいに反り返り、体中の穴からは体液・血液・糞尿が滴り落ち、そうして、自身の体重によって徐々に背骨が1つ1つ断絶してゆき、脳が死んで絶命するそうです。絶命までには、数分から十数分かかるそうです。

その光景は正視に耐えない、壮絶きわまる凄惨なものだそうです。

世界のなかで死刑制度を存置している数少ない国でも、日本の絞首刑は、アフリカ・イスラム諸国での、石で殴り殺す死刑制度と同様に、非常に残虐で、壮絶で、凄惨で、命ある者のうけるべき仕打ちではない。と、国際アムネスティは報告しています。
Unknown (江戸 紫)
2007-12-27 07:03:03
 現行の死刑制度をもっと積極的に推進すべきと思っている私としては、銃殺とか電気椅子に転換すればOKなのかなぁ・・・と思ってしまいます。

 たしか以前「完全自殺マニュアル」みたいな本には首吊りが一番、確実で楽に死ねる方法みたいな事が書かれてあったような気がしたのですが、あれは筆者の書き間違いだったのかな??

 どなたか人体の構造や生理について詳しい方、御教示下さい。
(あのう、青虫と植物と人間の命は区別しないといけません。) (田仁)
2007-12-27 12:44:31
(昨今の温暖化で今時は真冬でも蝶が飛んでる地域が多く、野菜に引っ切り無しに卵を産み付けますが、有機系に近い野菜ほど実は農家が小まめに手で青虫を殺してます。でないとレースになって農家でも流石に食べれません。農薬も回数を少なめに計算してありますが、矢張り噴霧すると卵も青虫も同時に殺します。コレは器物損壊でも動物虐待でもありませんで、漁師や農家といった一次産業の宿命です。虫を全く殺さないように予防的噴霧をするとしたら、ソレこそ一時期の「中国野菜」の比ではない、食べる側の人間が心配です。ならば植物ファクトリー的な水養人工栽培の高い野菜を食べるにしても、植物にも一応命がありますし、動物は有機物を食べないと死にます。だから人は命の有り難味を忘れない事で対処すべきなんじゃないでしょうか?どうぞ、法的な範囲に話を限定していただけるよう、お願い致します。)
兎に角私は!人の上に立つ権限を持った大臣が、最も血税から高給を貰っているのに、何時までも他人事で「署名は辛かった」と空泣きで許されるなんて間違った構造こそが!「死刑停止を決議した国連」と別世界でノンビリ、自民の狒々爺連中が延々と悠長な態度を取っていられる究極の原因と思います。
責任と義務は背中合わせ!必ず、大きな権利を持ってる人が大きな義務をも追うべきです!!給料と義務は正比例すべきだ~!!!(政界以外にも、産業界でも。)
首つりと絞首刑は違うのでは? (鳥居正宏)
2007-12-27 23:35:53
Unknown (江戸 紫)さま。

絞首刑は、普通の首つり自殺とは違い、首に紐をかけられたまま、2階から突き落とされるようなものです。その人体に受ける衝撃の凄まじさは、首つり自殺とは、桁違いだと思います。
死刑は廃止。 (東西南北)
2007-12-27 23:59:02
 暫定的に終身刑導入の方が死刑よりはましです。本来は終身刑でも問題があるので、無期懲役刑が必要。死刑は「人が人を殺す刑罰」であるので、誤判の有無に関係なく残虐な刑罰であり、違法だ。正当防衛ですら人が人を殺すことは違法なのだ。単に違法性が阻却される必要があるだけだ。死刑には必要性はない。犯罪抑止力は証明されていないし、抑止力があれば「人が人を殺しても違法でない」ともならない。

 死刑は人が人を殺す刑罰であり、侵略戦争、報復戦争とんら変わりがない。死刑は明確に違法であり、戦争も明確に違法だ。
グロい話がお好きなら (田仁)
2007-12-28 14:02:31
死刑全書でも日本残酷死刑史でも死刑制度の歴史でも読めばイインじゃないですか?
第三者が一番穏やかそうに思うのは筋弛緩系毒物の注射だろうけど、それは当人の苦しみとは全く切り離された、完全に別問題ですよ。
日本は、最大の権限を持つニンゲンが直接の責任を免責されるて実に権力者に都合がいい、権力の利便性としての「品格」が許容されてるのが最も悪い所と思います!
くどいようですが大臣が手を汚しゃイイのに!!!(そしたらヤット真面目に考え出します!と思いませんか?)

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