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北海道のオホーツクブルー

2008-05-31 08:57:44 | 東京写真日記
 暖かい風が吹く気持ちのよい初夏の早朝。一人でパソコンの前に坐って、以前に撮った写真を選びながらエッセイの内容を考えていた。その時電話が鳴って、まだ人の少ないオフィスにその音が響きわたった。

 受話器からは、ややかすれた年配の日本人男性の声が聞こえてきて、一瞬夢を見ているのか現実なのかとぼんやりしてしまった。「あなたのブログで四川省の地震について読んで、感動しました。私はメッセージを書いておきました……。」半信半疑でブログを開いてみると、先週のフォトエッセイの下に、確かに数行のメッセージがあるのが目に入った。ふと耳元に心を揺さぶるようなギターの旋律が、ゆっくりゆっくりと流れていくような気がした。

 「冬来、春不遠(冬来たりなば、春遠からじ)冬の厳しさの中にすでに春は来ているんだね。そうさ、希望ひとつで生きるのさ。健康(家庭、学校、社会、経済、そして震災)生活の挫折は、人生の挫折ではないんだね。そうさ、絶望しないで一歩前進してごらん。あなたの人生がチョッピリ?いや、大きく変わるかも!東京で暮らす中国人さんの祈りと信じる心が北海道のオホーツクブルー(海と空)に伝わってきました。健康留意、ガンバレ!」そして署名は「イランカラプテ(美幌音楽人)」とあった。

 受話器を置いて、高鳴る鼓動を静めようと努めながら、去年の9月3日に開設された「美幌音楽人」さんのホームページを開いてみた。北海道美幌町に暮らす60歳のクラシックギター教師、加藤雅夫さんのページである。加藤さんは、音楽を人類の心の財産、人類だけが持つ魂の糧と考え、すべての人と共に音楽の力を分かち合いたいと思っている。そのために、年齢を気にかけることなく、様々な音楽活動を積極的に企画すると共にそれに参加し、さらに世界各国の文化交流事業にも身を投じている。また、北京オリンピックの成功を心から願い、四川大地震の救済活動のために東奔西走している。

 さらに先を読んで、私は自分の目を疑った。このように精力的に活躍し、人生を愛する加藤さんが、なんと去年は114日間も入院している。彼はかつて肺の切除手術を受けており、白内障のために両眼の視力の97%を失い、左目はほとんど失明状態という重度の身体障害者なのである。

 心の底から静かに涙がわき上がってきて、私の目が少しずつぼやけてきた。加藤さん、あなたはどうやって、右目のわずか3%の視力で、茫漠たるブログの海の中から我々の小さな心の住処を見つけ出してくださったのでしょうか。メッセージを残した後、我々の電話を調べるのに、どんなにたいへんな努力をしてくださったのでしょうか。まだ会ったこともない一人の異邦人に、これまでにないほどの信頼と励ましを与えてくださったことに、本当に心から感謝します。これからの日々、私は加藤さんが教えてくださった、北海道のアイヌ民族の「あなたの心にそっとふれさせていただきます」という意味の言葉を心の中で静かに唱えて、優しいお心に感謝すると共に、加藤さんに心からの祝福を捧げたいと思います。

 「イランカラプテ」
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2 コメント

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感謝 (美幌音楽人・加藤雅夫)
2008-06-01 20:46:16
アラヤ株式会社 [メルマ!:00146079] 2008年5月30日 16:59「週刊・東京流行通訊」(日本語版)2008年第18号(通巻第125号)、

編集長YYさんの、北海道のオホーツクブルー(東京写真日記)を何度も繰返して拝見しました…心の眼で。

本当に感謝します。
これから、どうぞよろしく。
美幌心眼人・加藤雅夫 Masao Kato
非誠勿擾 / 狙った恋の落とし方。 (美幌音楽人 加藤雅夫)
2010-01-18 18:11:25
寒さ厳しき折、皆様にはおかわりございませんか。美幌町(北海道)は、これからが冬本番です。「海の流氷」がオホーツク海の遠方:アムール川(ロシア)、黒竜江(中国)から押し寄せて、人々の身も心も凍らせてしまうのです。

「梅花咲く 便りは届く あなたにも」美幌梅山

人々の心をあたたかい言葉で幸福にしたいと願っています。

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