特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

ドロー(公開コメント版)

2014-12-31 12:43:36 | 特殊清掃 消臭消毒
「金は払わないからな!!」
電話の向こうの依頼者は、恫喝するかのように大きな声をあげた。
「フッ・・・」
返事をするのもバカバカしくなった私は、失笑して黙り込んだ。

ことの経緯はこう・・・
相手はアパートの大家。
所有するアパートの一室で住人が孤独死。
生活保護を受けていた故人は社会との関わりが少なく、遺体はかなりの腐乱状態で発見。
賃貸借契約には連帯保証人も立てておらず、結果として、部屋の復旧は大家が負うしかなかった。
しかし、大家はそれが承服できず。
「この部屋だけが廃墟になるのさえ諦めれば問題ない」
と、アパート住人からの苦情を無視。
異臭が出ようが、虫が出ようが、
「ニオイなんてそのうち消えるし、虫もそのうちいなくなる」
と、何日も放置。
しかし、それで問題が片付くわけはなく、事は深刻化するばかり。
いくら言っても腰を上げない大家に堪忍袋の尾を切らした住人達は、
「出て行く!」「引越費用を払え!」
と、大家に詰め寄った。
大家としては、住人に出て行かれては困る。
引越費用の負担なんて論外。
それで、結局、うちに電話を入れてきたのだった。

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あ・り・が・と・う(公開コメント版)

2014-12-17 16:07:21 | Weblog
今年も残すところ二週間。
師走も押し迫り、街も日に日に賑やかになってきた。
あちこちでクリスマスケーキや正月の御節料理をPRするチラシやポスターを見かける。
実際に買わなくても、実際に食べなくても、それらを目にするだけで平和と豊かさを感じる。
そして、今年もまた、その中にいられることに感謝している。
ただ、豊食は豊かさや平和を象徴するものの一つでありながらも、落とし穴がある。

30代前半の頃、激太りと激痩せを経験した私。
太っていた頃は、標準体重18kgオーバー。
好きなものを好きなだけ食べ、好きな酒を好きなだけ飲み・・・毎日のように暴飲暴食を繰り返した。
結果、肝臓を壊し(脂肪肝)で医師から厳重注意を受け、節制とダイエットに取り組んだ。
逆に、痩せていた頃は、標準体重8kgマイナス。
精神的に病んでしまい、食べることを拒絶。
頬がこけ、腹が凹んでいく自分に優越感を覚え、食べることを嫌い食べないことを心がける日々。
ストレスの矛先を自分に向け、ダメな自分を虐めることで何かが解決すると自分に勘違いさせて、自分を誤魔化していた。

ただ、ここ何年かは、体重に大きな変動はない。
標準体重より5~6kgオーバーした状態で、そこから増えもせず減りもせず。
「“痩せてる”とは言えないけど、“肥満”まではいってないよな」
と自負(?)し、自然体で飲食を続けていた。


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Hiking(公開コメント版)

2014-12-07 10:35:18 | Weblog
毎年のことながら、この季節は欝っぽくなる私。
秋頃から気分が落ち始めて、冬場は低空飛行。
朝、明け方にはうなされ、寒いのに脂汗をかく。
普段なら軽く乗り越えられるような小さな問題にもつまずいてしまう。
疲れるようなことはしていないのに、やたらと疲労感に襲われる。
何をするにも、何を考えるにも虚無感がともない、やる気がでない。
何事も悲観し、悪い予感ばかりに苛まれる。
気持ちにも身体にも力が入らない。
だから、時間がゆるすかぎり、自分に閉じこもって悶々としてしまう。
・・・そんな風に、昨年秋から本年冬もかなりツラい思いをした。

例によって、今年も秋に入り、徐々に気分は落ちてきていた。
「今年もまた、この季節がやってきたか・・・」
と、したくない覚悟を決めかけていた。
そんなところに遭遇したのがチビ犬の死。
これが慢性的な欝を直撃。
少々の悲しみなら欝を更に深刻化させたのだろうけど、今回の悲しみは、あまりに大きすぎて欝を深刻化させたのではなく、そのかたちを変えた。

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生きる側(公開コメント版)

2014-12-02 14:49:03 | 遺品整理
暦は、もう師走。
今年も残すところ一ヵ月。
「過ぎてみるとはやいな・・・」
いつもそう思う。

チビ犬がいなくなって、ちょうど三週間。
「寿命だった・・・」「天寿をまっとうした・・・」
と自分に言いきかせている。
ただ・・・やはり寂しい・・・
夢でもいいから、幽霊でもいいから、目の前に現れてほしいと思ってしまう。

毎日、チビ犬のことを思い出す。
まだ、思い出さない日はない。
でも、号泣することはなくなった。
(当日とその後の三日間は、恥ずかしいくらい大泣してしまった・・・)
傷心は少しずつ癒えているのか、それとも、時間によってそのかたちを変えているのか、自分でもわからないけど、
「このままだとツラ過ぎる・・・マズイ・・・」
と、自分で自分を心配していたから、落ち着きを取り戻しつつある状況に安堵している。

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