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シーズン2

民法で1問(平成23年度司法書士試験午前の部第11問)

2011年07月29日 00時30分00秒 | 民法過去問

今年の司法書士試験の民法から留置権と同時履行の抗弁権との差異についての問題。

結構良くありますね,この論点の問題は。

行政書士試験でも,充分考えられるところです。

正誤問題ですから,確実につかんでないと正解はでませんが・・

              「問題」

 民法上の留置権と同時履行の抗弁権に関する次の1から5までの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。

1 物の修理を内容とする双務契約において、物の修理業者は、修理代金債権を被担保債権として、修理した物を目的物とする留置権を主張することができ、また、同時履行の抗弁権に基づいて、修理代金が支払われるまで修理した物を相手方に引き渡すことを拒絶することもできる。

2 留置権を行使されている者は、相当の担保を供してその消滅を請求することができるが、同時履行の抗弁権を行使されている者は、相当の担保を供してその消滅を請求することはできない。

3 物の引渡しを求める訴訟において、留置権の主張が認められる場合は請求棄却判決となるのに対し、同時履行の抗弁権の主張が認められる場合は引換給付判決となる。

4 不動産が二重に売買され、後に買い受けた者が不動産について所有権の移転の登記をした場合において、先に不動産を買い受けた者は、後に不動産を買い受けた者からの所有権に基づく不動産の明渡請求に対し、売主に対する不動産の売買契約の債務不履行に基づく損害賠償債権を被担保債権として留置権を主張することはできない。

5 双務契約の当事者の一方は、相手方から履行の提供があっても、その提供が継続されない限り、同時履行の抗弁権を失わない。