最終回のきょうは「選択式」と「記述式」について。
この2つの総合得点は84点。
法令の満点は244点ですので,比率は法令全体の約3分の1。
択一がしっかりしていれば,あとはここから決められたとおりの得点を加算するだけですが,そうでない場合(択一がぎりぎりのライン)は,ここは最後の逆転をねらえる大変貴重な6問となってきます。
以下具体的に見ていきます。
まず「選択式」です。
ここは計3問ですが,その内訳は憲法1問と行政法2問。
これは今年もまず変らないものと思われます。
憲法と行政法での得点の取り方は,前回述べたとおり憲法,民法,商法・会社法で勝負される方と,行政法で勝負される方とで,決定的に変ってきます。
憲,民,商法・会社法で勝負される場合,ここでの憲法の1問は,絶対に取りこぼすことはできません。
8点フルゲット。
1欄たりともミスできないと思ったほうがいいですね。
この憲法で8点取った上で,残りの行政法の2問のうち,最低1問(8点分)取れればノルマ達成。
ここは結果オーライでもかまわないところ・・
1問フルに取れずとも,最終的に8点分稼げればよし,という感覚でだいじょうぶです。
とにかくここで16点取れればこの分野に関してはまったく問題なしになります。
逆に,行政法で攻められる方は,行政法の2問で確実に16点ゲットということになります。
行政法で攻められる場合は,憲法はまぐれでも当たればいい,という気楽な気持ちで十分だと思います。
とにかく行政法の2問を確実に取ること。
どちらの場合であっても,結果にいたるプロセスは違いますが,最終的には16点がここでの目標になりますね。
憲法は判例や,判決文から,行政法は択一の問題を長文化して,穴をあけたような問題が多いのですが,「選択式」では択一よりもはるかに初見が大事。
パッと見て正解だと感じたら,迷わずにどんどん先に進んでいくことですね。
深く考え込んでしまうと,「紛らわしい選択肢のワナ」に引っ掛けられてしまいますので要注意です。
どちらも文章理解の要素をかなり強く持っていますので,得意不得意がはっきり分かれてしまうところでもありますが,文章理解と違って,ここは部分点がありますので,最低16点取れるようにうまく切り抜けていただきたいですね。
最後に「記述式」について。
正直,もうこの段階で記述をどうこういうのはナンセンスかもしれませんが,念のためにちょっと書いておきます。
この分野も憲,民,商・会社法で勝負される方と,行政法で勝負される方では取り方が違ってきます。
憲・民・商法・会社法勝負の場合,民法の2問は当然限りなく40点に近いところまで持っていかなければなりません。
逆にいうと民法2問フルゲットならば,行政法は完全に外してしまっても合格ラインまでいけるはずです。
問題なのは行政法で勝負される方・・
行政法の20点を確実に取らなければならないのはいうまでもありませんが,残りの民法2問のうち,最低1問分,20点は加算しなければなりません。
ここ記述式での最低ノルマは基本的には40点です。
前の選択式同様,部分点がありますので,完全にできなくても,結果オーライでもまったくかまいません。
そういうことを加味したとしても,この分野では,行政法で勝負される方は,かなりのリスクを背負うことになってしまいますが,その点はあらかじめ覚悟しておかなければなりませんね。
普段から,毎日コツコツと,短くても文章を書く練習,訓練をしてきていれば(別に法律に関することでなくてもかまいません)ここは,そんなに苦戦することもないと思いますが,反対に普段ほとんど文章を書く機会がないという方は,大変苦しい分野・・
合格にいたるまでの最後の高いハードルになりますが,先にも書いたとおりで,部分点ねらいでも結果オーライでも最終的に40点取れれば,間違いなく合格ラインに突入できますので,なんとかがんばっていただきたいものです。
それと,これはいうまでもないことですが,例え,問題の趣旨がまったく理解できなかったとしても,必ず何か文章を書くように。
ここを完全に空欄にして試験を終えてしまいますと,よほど択一でぶっちぎりの得点を取っていない限り,合格がかなり遠のいてしまうことになります。
少なくとも来年の1月の発表まで期待して待てるように,最低でも何か40字程度の文章を,うまくまとめて解答を終えるようにしなければなりませんね。
常に部分点のことを考えておかなければならないと思います。
最後に第1回から今回までの要点をまとめます。
その① 一般知識は最低6問(24点)取れればよいので,それ以上過度に深追いしないこと。
その② 基礎法学は最低1問,できれば2問取るように。
その③ 法令択一は,まずどちらで勝負するかを決めた上で,一方の分野の19問と基礎法学の2問を合わせた21問ゲットを一つの目安にし,もう一方の分野から19問中4問ほど取って,最終的に40問中25問(100点)あたりを目標にする。
その④ 選択式はどちらのコースでいくのであれ,結果的に16点以上,記述式も同じく,どちらのコースであれ最低40点以上を目標にする(部分点ねらいでもかまいません)。
以上のノルマを確実に遂行していくと,総合得点は300点満点中180点以上(もちろん全てのあしきりクリア)で,晴れて合格ということになります(計算してみてください)。
もう本試験があさってですので,これから先は,いかにして180点にのせるかという,戦略面だけが重要になってきます。
試験問題がどんなに難化したとしても,会場でなんらかのアクシデント,トラブルがあったとしても(そんなことはあってはなりませんが)確実に180点以上取れるように,残り2日間で本当に最後の調整を行うようにしていきましょう。