赤い水性の部屋

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難しいが面白い、できないが面白い、しんどいを楽しもう

2016年06月09日 | Weblog
 この曲に取り掛かって3日目。1年生とはいえ、苦戦が楽しい(笑)だって、どうしようもないくらい手が出ないんですもん(爆)

 さて、とにかくこのタイトル、前回(本ブログ2月8日)の第一印象とは違って、練習していて思うことを伝えたいと思います。(誰にやねん?)

 スペインの市場ってこんな感じでしょうか?
  

  

 この曲がなぜ難しいかというと、単純な話、数えるのが難しい。イチ、ニ、サン、と数えながら、イチトット、ニィトット・・・なので、頭がこんがらがること、一小節中の音符の数が増えるのでそれはもう大変です。まずは手を叩きながら歌って慣れるという時間が必要ですね。
 冒頭、八分音符(グロッケンのパート)を基準にしっかりと正確に早くなったり遅くなったりしないように細かい音符(フルートやクラリネット)がハマること、2,4,6小節目はしっかりとグロッケンとハマるようにアンサンブルしなければならないのですが、細かい音符の直後なのでどうしても早くなってしまいます。ここがポイント。やはりメトロノームという友人と仲良くしましょう。
 もう一つ、この曲はハーモニーが豊かです。Fの和音の響きの中でこの細かい動きを合わせるのも、良く周囲の音を聞く習慣を日ごろから持たないとすぐにはできません。また、5小節目から低音群からユーフォ、トロンボーンの音域で拍ごとに移る和声の変化をしっかりと出して三拍子へ向かっていきたいのですが、実際にやってみるとなかなか大変。Cの音がポイントです。このC,三拍子の時は保続音として大活躍します。ロングトーンを無機的でなく、いかにイメージをもって表情を感じるか。

 Aに入り、曲が本格的に始まります。主旋律と対旋律の会話を楽しみたいですが、どうしても別物になってしまいます。また、トロンボーンの和声ラインも対旋律的に歌ったほうがイイかなと思います。トランペットの合いの手もセンス良く。バスパートはリズムのかなめですので、生き生きと、「ルンルン♪」とご機嫌にいきたいですね。
 Bもユーフォニウムの前奏からクラリネット・サックスの歌につながります。サックスを中心にしてビブラートをかけた彩のあるサウンドが表現できるとイイですね。『一声二節』です。Cの前は思い切って変化をつけて!
 CはAとは似ていますが違います。そう、フルートが入るのでより一層華やかに、トランペットの信号ラッパ的対旋律(合いの手)もご機嫌でいきたいところです。

 Dで物語は一度中断。まるで市場のにぎやかな通りから、すっと裏路地へ入り、迷い込んだ感じです。ソリストだけでなく、演奏者全体でフレーズをつなげるのに、チームワーク、アンサンブル能力が発揮されます。楽器の発音も要注意ですね。rit(molto rit)は単にゆっくりではなく、エネルギーの蓄積と解放というか、自然な現象にマッチした表現を心掛けましょう。ビブラートは重要な表現方法のひとつです。『スペイン奇想曲』の4楽章のファンファーレの後(7分30秒あたりから)、連続ソロ(バイオリン、フルート、クラリネット、ハープ、オーボエ)を聞いておきましょう。イメージできると思います。ソロトライアングルとグロッケンは重要です。

 ハバネラのリズムは2拍目の裏のスタッカートが書かれていることの意味を考えます。ダーッ・ッティラン・タッッ、ダーッ・ッティラン・タッッ・・・と滑って行って止まる感じ。決して均等にならないように、表情豊かにリズムを続けましょう。メロディーは主旋律と副旋律のバランス(音量だけでなく、ピッチも)をよくとってかつ、抑揚をたっぷりつけたいです。三連符と八分音符のリズムは4と1になりやすいので、気を付けましょう。三連符にテヌート、八分にスタッカートが書いてありますが、長さだけでなく、表情や音量、ありとあらゆる面で差をつけます。和音の響きの違いも確認しなければいけないでしょう。スフォルツァンドは、聞いている人をびっくりさせるくらいに。Fはたっぷりとダイナミックに歌い上げましょう。フレーズのへそは後ろです。この形、三連符に向かってジェットコーズターのように。

 テンポが戻ります。Iの前は難しいのでやはりメトロノームで訓練です。そして、大胆に決めましょう。Iはまたまた、A,Cに似ていますが、似ているということは違うわけで、何が違うのかみんなで意見を出し合ってみるとよいでしょう。この曲の優れた点は、同じテーマでもコピーペーストではないところで、これが私がこの曲を気に入っているところでもあります。また、メロディーは同じ音なのに、伴奏の和声が違うので、表情や歌いまわし、抑揚が全く変わるところも素敵ですね。

 Kの前で中間部のの思い出が登場します。そしてアニマートで最後まで行くわけですが、機械的に早くしていくのではなく、あくまでもアニマートの結果という表現でありたいですね。アニマートの意味や語源を調べる必要があると思います。


 この曲は、急-緩-急の構成ですが、急の場所ほどエレガントにしなやかに、細かく繊細に、緩い場所を情熱的にダイナミックにという一見逆に感じてしまいがちなところに気付けると良いと思います。つまり、スパニッシュフィーバー~オレ!オレ!という単純な曲ではないということです。

 

1 まず複雑なリズムをしっかり数えられる
2 音符の表情を見逃さない(スタッカートやテヌート、アクセントなどの指示が楽譜の中にも細かくされている)
3 和音の移り変わりが繊細で
4 楽器間の受け渡しが多く、結果音色の変化が豊か
5 上記の変化が目まぐるしく、音楽に対する反射神経が追い付かない(指揮者も!!)

という難問に、あと2日でクリアできるのか????面白くなってきました(笑)